奥田佳道(音楽評論家) ・【クラシックの遺伝子】
バロック音楽 バッハの第3番ガボットとして有名なメロディー。 イタリアのヴァイオリニスト ジュリアーノ・カルミニョーラの演奏。 装飾音が入っている。
バッハの遺伝子2022と題して、バッハの様々な演奏、編曲、バッハの音楽からは実はジャズが生まれている。
バッハの音楽は誤解を恐れずに言うならば楽器を選ばない。 バッハのチェンバロ曲 平均律クラヴィーア曲 、イタリア協奏曲とかチェンバロの曲やオルガンの曲を普通のグランドピアノで素晴らしく弾くとか、編曲もバッハ自身、自分の曲を別の編成にする、ビバルディーのメロディーを使ってバッハが別の協奏曲を作る、そうした編曲とかはバロックの時代にはよく行われていました。 そこからバッハの音楽は音色は自由に私たちが選んで、演奏してもいいんじゃないかという考え方があるんですね。 厳格バッハの様式美というものは有りますが、イタリアのヴァイオリニストは私たちの頬をゆるむ装飾音が入っていたりするというのはこれもバッハなんですよ。
モーツアルトもヴェートーベンもバッハを尊敬していました。 ロシアのピアニストのラフマニノフがバッハの無伴奏ヴァイオリン曲が大好きで、バッハのこのガボットを編曲するとどうなるのか、聞いていただきます。
*バッハ作曲 ラフマニノフ作曲、編曲 バッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第3番からの「ガボット」
バッハはジャズミュジシャンを魅了するんですね。 バッハのガボットをザ・スウィングル・シンガーズで聞いていただきます。
*「ガボット」 歌:ザ・スウィングル・シンガーズ
ザ・スウィングル・シンガーズは1962年の結成、グループは全部で8人のメンバーからなり、構成はソプラノ、アルト、テノール、バス、各2名。 ザ・スウィングル・シンガーズのテクニックの凄さを味わえる曲をお届けします。
*フーガの技法から「フーガ」
モーツアルトもヴェートーベンもバッハのフーガの技法を勉強しているんです。 それを自分の曲に取り入れたりしています。 バッハの遺伝子がヨーロッパじゅうに広がって行った。 それが現代までつながって行っている。
「G線上のアリア」が多くの作曲家に影響を与え、その一人にグスタフ・マーラーがいます。 1909,10年に管弦楽組曲をマーラーが編曲しています。
*バッハ作曲 マーラー編曲 管弦楽組曲「エア(G線上のアリア)」
低音の響きにバッハの書かなかった強弱記号を書いて、低音をたっぷりと響かせる。
モダン・ジャズ・カルテットの演奏とザ・スウィングル・シンガーズ 20世紀のジャズの古典と言ってもいいと思います。
*「エア(G線上のアリア)」 1966年録音
*「二つのヴァイオリンのための協奏曲」
パロディー音楽の巨匠 イギリスのヴァイオリニストのテディー・ボーアが「二つのヴァイオリンのための協奏曲」をジャズにしました。
*「スイングトリオのための二重協奏曲」