今森光彦(写真家・切り絵作家) ・【オーレリアンの丘から四季便り】
今森さんは滋賀県の大津市琵琶湖をのぞむ田園風景の中にアトリエを構え里山環境を取り戻すために活動されています。 冬のオーレリアンの様子について伺いました。
今はセピア色をしています。 雑木林は九分九厘落葉するので凄く明るいです。 庭は宿根草が多いので、枝葉は枯れるが、根っこは残っているので、晩秋に刈り取るので何にもないような畑のような感じです。 比叡山はよく見えます。 梅のつぼみが膨らんでいます。 蝋梅は咲いていて甘い匂いがしています。
昨年は近くのフィールドワーク、琵琶湖周辺、流れ込む川などの生物など撮影していました。 宿根草の枝葉を刈り取ったものを野焼きします。 土手に生えている木があるので枝打ちをします。 木の種類によっては坊主のように枝を剪定するものもあります。 晴れ間を利用して1年寝かせたものの薪割りなども行います。 (録音した薪割りの音) 素直な木は綺麗に割れますが、枝分れした木などは苦労するものがあります。 薪ストーブは幅80cm、高さ80cmのものです。 (録音した薪ストーブの音) 木の種類よっていろいろな音がします。 火が見えているので心の安らぎが得られます。 部屋が乾燥しないという事もあります。 薪ストーブを使う事は雑木林を管理しているという事になります。 雑木林を管理している副産物として薪が出てきてストーブとかに反映されるわけです。 雑木林は昔、薪炭林と言われていました。 薪、炭を作ったり、灰を畑にすき込んだりしていました。
昔話におじいさんが山にしば刈りに行きました、とありますが、山に行って小枝をとってくることでした。
小枝は一抱えにして木の山側に纏めておきます。 北風が葉っぱを運んできてくれて、葉っぱが引っかかって積もってきて、生き物の越冬の場所になります。 蝶々などが成虫で越冬したり、カエル、トンボ(成虫のまま越冬する種類がある)などが来ます。
毎年冬場は時間が取れるので、切り絵などをやっています。 モズが野ぶどうに止まっている処の作品で、90cm角ぐらいの大きさです。 ほかにもいくつかありますが、1m角を越えるものもあります。 展覧会もやっています。 今年は発表の場が多いです。
切り絵は子どもの時に感動した素直な感動がそのまま反映される感じです。 写真は僕のやっている自然の写真のジャンルはドキュメンタリーの流れを汲んでいます。
身近な自然のなかに生きている生き物を尊重する精神が、遠目に見る広い風景と小さな命がいつも繋がっているように見えます、そんな感じがします。
里山は生きものと農家の人たちとの共存の世界だと思います。