清川あさみ(アーティスト) ・【私のアート交遊録】コンプレックスは個性だ
清川さんは写真に刺繡を施すという独自の作品や、NHKの朝の連続TV小説「べっぴんさん」のオープニング映像、インスタレーション(絵画・彫刻・映像・写真などと並ぶ現代美術における表現手法・ジャンルの一つ。ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術)、広告、CDジャケットと幅広いジャンルで活躍するアーティストです。 詩人の谷川俊太郎さんとの共作絵本は児童書の世界大会の日本代表に選ばれています。 2020年故郷南淡路島のPRアンバサダーとして、生まれ育った淡路島の土地と人のすばらしさを伝えるために様々なプロジェクトをたちあげています。 その一つが「淡路人形浄瑠璃再生プロジェクト」です。 ダイナミックなパフォーマンスで知られる淡路島の伝統的な人形浄瑠璃に自ら手を加えて新しい表現を目指しています。 人形浄瑠璃を初め表現にかける思いを伺いました。
伝統芸能で、人形座の人々に初めて会ったのが2019年の時、公演会に呼ばれて、初めて人形浄瑠璃に出会って、興味があって調べることになりました。 淡路島の人形浄瑠璃は文楽の人形より少し大きくて特徴があります。 大胆な動きで泣いたり笑ったり人間に近い感じがします。
いとうせいこうさんと楽屋が隣同士で 『南あわじ市地域魅力プロデューサー』に就任し、「淡路人形浄瑠璃再生プロジェクト」をやることを話したら、僕も興味あるという事から始まって、脚本を書いて欲しいという事でお話作りからはじまりました。 3月20日に初演を迎えることになっています。
淡路島は海と山と川が一気に見れる場所で自然豊かな場所です。 自然の中で情報が無い場所にいたのでよかったと思います。 自分で生み出すしかない状況だったので、アーティストになったのかもしれません。 建物の基礎になる部分が好きでそういったものを描いたり、牛とか豚とかも描いていました。 絵は成績が良かったです。 自分ってなんだろうと小さい子供のころから考えていました。 地味な感じの洋服を着て、図書館にずーっと一人ゆっくりと閉じこもって、自分の時間を楽しむのが好きでした。 阪神淡路大震災の経験もあったし、周りがどういおうと自分に見合ったものを付けていこうと決心をして、高校の入学式に黄色いリュックサックを背負っていったんです。 周りからは吃驚されましたが、最初に表現できたのが黄色いリュックサックで、どんどん加速していきました。
ファッションって何といった感じでしたが、一番最初に好きになったブランドがコム・デ・ギャルソンで、ヴィヴィアン・ウエストウッドというブランド、この二つのブランドに出会って自分の精神と初めてバランスが取れて、お金をためて買い求めました。 それでも自分って何だろうと悶々としていました。 好きなものを着ているとそれに同調する新しい友達が増えて行きまして応援してくれました。 東京に上京してその日原宿を歩いていたら、声を掛けられスカウトされました。 メディアの人たちによくしてもらってはいましたが、表に出る仕事は向いていないと思ってはいました。 物づくりのほうに向かっていきました。 「美女採集」展でメディアに取り上げられました。
谷川俊太郎さんとの共作絵本『かみさまはいる いない?』 出版。 個性と個性がぶつかって化学反応みたいに、世の中に新しいものを生み出す力がコラボレーションにはあります。 子供が生まれて、進化の速さに驚かされます。 一緒に物つくりもして、絵本を出しました。 自分に正直にワクワクできるかどうか、作る意味とか理由があるかどうかという事はいつも基準になっていて、その理由がないと作らないようにしていました。
「淡路人形浄瑠璃再生プロジェクト」は500年の歴史があるものが伝わり切れてないとか、伝わっていないとか、これから伝えていかなければいけないという事で、新しい風を吹かしながら伝えていかなければいけないと思っています。
これからの目標はまだ見ていない、自分が一番ワクワクする物作り続けていきたいし、いろんなジャンルも飛び越えて行けてらいいなあと思っています。
私のお勧めはレディオヘッドで高校校時代から上京して壁にぶつかった時にもずーっと聞いてきました。
健康であること、心と身体さえ元気であれば、夢が無くてもいいかなと、心と体が元気であれば強く生きていけるかなと思います。