加藤孝義(サボテン村村長) ・【心に花を咲かせて】サボテンは最高!
岐阜県にサボテン村というところがあります。 その村長がサボテン栽培を仕事としている加藤孝義さんです。 仕事も趣味もサボテンだという加藤さんは子供のころからサボテンが大好きで、好きが高じてサボテン栽培を始め様々な困難に見舞われたもののそれを乗り越えてサボテン栽培量日本一となってサボテン村を作ったそうです。 現在75歳になるサボテン村の村長の加藤さんにサボテンと共に生きたこれまでの人生をお聞きしました。
面積は10万平方メートルでハウスも100mのものが150本あります。 全部サボテンが入っています。
500万本、種類も300種類あります。 私の知る限りでは世界一です。 日本のサボテンの7,8割になります。
小学校5年生の時に家の玄関のところにサボテンがありました。(魔除け用) 黒いものが伸びてきて毎日見ていたら先っぽに白いものがでてきて、ずーと見ていたら花が咲いて感動しました。
サボテンを集めようと思って小遣いを貰ったり、お年玉を貰ったりしたらサボテンを買いました。 病気になって何が欲しいと言われるとサボテンと言ってサボテンを買ってもらいました。
とげ、形に魅力を感じました。 当時は100種類を持っていました。
農家で長男で跡取りでした。 家では米の生産と養豚業をやっていました。
どうせやるならサボテンをやりたいと親に言いましたが、親戚を含めてみんな反対でした。
途中であきらめるだろうという事で親が認めることになりました。 紙に「サボテン日本一になる」と書いて、自分の寝ている天井に貼り付けました。 毎日見ることになります。
繁華街の途中にお寺があり門前を借りて、露天商をしました。 よく売れました。
大阪の蘭を販売している人から話があり、一緒にサボテンを売ってもらうことにしました。そうしたら沢山売れることになり、作る量を増やしていきました。 面積が足らなくて、アメリカに行こうかとも思いました。 サボテンを見にアメリカのカリフォルニアのほうに行きましたが、日中は40℃、朝方は薄氷が張るぐらいでした。 サボテンはそんな環境に我慢しているという事でした。
サボテンの歴史を調べてみたら、砂漠では雨が降らない、日照りが強くなり、葉っぱから水分が抜けないように葉っぱをぐるっと丸めることを覚えた。 サボテンは雨が降ったらため込むために水タンクを作って、サボテン以外は枯れてしまった。 丸めた葉っぱをトゲに進化をさせた。 雨が多くて湿地帯になったり、池になったり、湖になったところではサボテンは浮き藻になっていった。 順応できる賢い植物です。
元々サボテンは肥沃のところにいたはずだと思って、そういう環境に植えたら大きくなるのではないかと考えました。 水田に土をもって畝を作ってサボテンを植えました。 1年で3倍のスピードで大きくなり花もいっぺんにパッと咲くようになりました。 飛ぶように売れました。
大雨で長良川が決壊した時には水没してしまいました。 元気なサボテンが全部腐ってしまって、辞めようかと思ったが、天井の文字を見て、又ゼロから始めました。
ある程度回復しましたが、時代が変わってあまり売れなくなってきてしまいました。 食卓に置くようになってきて、食器を使ったらどうかと思ってそれにサボテンを入れてドライフラワーを差し込んだりして、花屋さんに持ち込んで試験的に売ってほしいとお願いしました。 全部売れて、若い人はインテリアとして購入、それを全国的に展開して、爆発的に売れました。 毎日1万個作っても間に合いませんでした。 1年間で200万個売上ました。 ブームは3年ぐらい続きました。
苦労したのはブームになる前、昼間は仕事をして夜トラックで市場に疲れていって、おばさんが仮眠施設があるから休んでいってくださいと言って、缶ビールとパンをくれて・・・・涙が止まらなかったです。(泣きながら)
住所をサボテン村にしたかった。 役所に行ったが駄目だと言われて10万平方メートルだったらどうかと言ったら、どうせできないと思ったらしくそれならばいいという事になり、サボテン村計画を立てました。郵便物もサボテン村で来るようになりました。
小さいのはサボテンの種が発芽して1mmぐらいで、大きいもので丸いものは直径1m、ハシラサボテンは大きいものは高さ3mぐらいになります。 サボテンは全部花が咲きますが、3年で花が咲くものもあれば、10年、50年経たないと花が咲かない種類もあります。 いろんな色の花が咲きます。 冬は暖かい赤い色系統、5月は黄色系統、夏になると白い花が主体になります。 咲いている期間が短く1週間持ちません。
アメリカではサボテンを炒めたり煮たり焼いたりして食べます。 中国では薬草として万能薬のように使われます。 東南アジアではフルーツというキーワードがあり、ドラゴンフルーツはサボテンの実です。
サボテンの魅力を多くの方に伝えることが私の仕事かなあと思います。