岩渕慶子(コレペティトゥア・ピアニスト)・【夜明けのオペラ】
ピアニストでコレペティトゥアとして新国立劇場オペラ研修所で後進の指導に当たりながら、様々なオペラの舞台を支える岩淵さんに伺いました。
(コレペティトゥア:歌劇場などでオペラ歌手やバレエダンサーにピアノを弾きがら音楽稽古をつけるコーチを言う。)
12月23日にコンサートがありますので、それに向けて稽古を再開するところです。
ピアノは4歳から始めて、大学受験の時に音楽を将来どのように生かそうか考えたときに音楽の先生になろうと思いました。 ピアノができるという事で玉川大学に進みました。 歌の伴奏を頼まれて、伴奏したらとても楽しかったんです。 大学卒業後伴奏の勉強をしようと思ってイタリアのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院ピアノ科に入学しました。
イタリアの友人からコレペティトゥアって勉強になると勧められました。 ピアノを弾きながら歌います。 言葉の勉強もします。 オーケストラでの歌が入るときの指導とかもします。 その後ボローニャ市立歌劇場付属オペラ研修所で研鑽を積みました。(2年)
その後ドイツに行ってコレペティトゥアの仕事が増えていきました。
説明しなくては行けなくてコレペティトゥアの仕事でドイツ語は凄く苦労しました。
レオ・ヌッチはバリトンの先生と友達で、スカラ座でリサイタルをしたときに私も同席しましたが、素敵だなと思って、先生はレオ・ヌッチに手紙を書いたが、レッスンの伴奏をしていたときにレオ・ヌッチから電話がかかってきました。 2018年にレオ・ヌッチが日本に来て「椿姫」の舞台がありましたが、直接私が話す機会がありそのことを話しました。
*「セビリアの理髪師」から「私は町の何でも屋」 レオ・ヌッチ
ヨーロッパには9年いました。 (6年イタリア、3年ドイツ)
コレペティトゥアの試験は課題曲がいくつかあり、「フィガロの結婚」」の2幕のフィナーレを全部弾き歌いするとか、「カルメン」の五重章を弾き歌いするとか、ローゼンカヴァリエの弾き歌いするとかいろいろあります。
楽譜を与えられて直ぐその場で弾くとか、歌い手さんがいて伴奏してみてくださいと言われたりします。
語学は凄く苦労したので語学は耳を鍛えなければいけないと語学の先生に言われて、耳を鍛えるという事に力を入れました。 しゃべれるようになるともっと勉強したいと思うようになりました。
*「カルメン」から「花の歌」 ヨナス・カウフマン
イタリアはシーズン制でオペラは5,6公演上映されます。 ドイツはレパートリー制で何年も同じ演出のものを上演してゆくシステムなので30本以上のオペラが上演されます。
ドイツは忙しかったです。 ドイツは幅も広かったです。
コレペティトゥアをどんどん知ってほしいという事と、どういうものを勉強したらいいのか、ヨーロッパにでる前の基礎作りを日本でも出来たらいいと思っています。
*「ばらの騎士」 作曲:リヒャルト・シュトラウス