2019年11月27日水曜日

山澤清(ハーブ研究所主宰)        ・【心に花を咲かせて】moreオーガニックを提唱

山澤清(ハーブ研究所主宰)   ・【心に花を咲かせて】moreオーガニックを提唱
野菜の話です。
今野菜売り場にいくと多種多彩な野菜が並んでいますが、昔から食べていた品種とは微妙に違っていて品種改良して作られたものがほとんどです。
一方、古くから日本に定着して地域の野菜として世代を超えて種を取って受け継がれてきた野菜を在来野菜と言って、消えていったものが多いとはいえ最近は生きた文化財といわれ注目され始めました。
在来野菜の種を全国から集めて種の銀行シードバンクを個人で作った方が山形県鶴岡市に居ます。
作り方もmoreオーガニックな野菜の作り方という事です。
山澤清さんは72歳、学校卒業後農業エンジニアになりましたが、31歳の時に会社を辞めて農薬も科学肥料も使わないハーブ栽培を始め、以後在来野菜の種を保存し、作り、自然化粧品も作って製造販売の資格も取っています。
最近では在来野菜の温室の隣に土遊農という野菜レストランを作って人気だという事です。
食材を地元食材にこだわって料理して今や世界的に知られる奥田政行シェフは山澤んは私の師だと著書の中に書いています。

在来野菜はもともと日本にはなくていろんなところから来て何千種類とありましたが、どんどん消えつつあります。
日本には四季があり、梅雨、秋梅雨があり、細長くて同じ時期でも北海道と九州では何か月も違う、素晴らしい食の豊かな国なんです。
大陸産のものを工夫して作りこんで来た訳です。
植物は自分で動かない分だけ自立型で全うできる。
実家は農家でした。
食べ物に興味がありました。
21歳から31歳まで農業の手伝いをしていましたが、今から50年前肥料、除草剤など画期的なものができて、大型機械ができて、労働は楽になった。
家族の畑と売る畑は違って、うちで食べるものは虫がついても構わないが、売る方は出荷するときには虫がついてはいけないという事で防虫が必要という事になり、同じ形、味を濃くなくして料理しやすいようにしてきたのがこの40年の流れになります。
一つ置いてきぼりになったのが心の寄り添いが無くなりました。

今のキュウリはなんか違う、昔のキュウリはなんでとげがあるかとうと、未熟だからまだ食わないでと、とげがあるわけです。
白くなっているが、水をはねて微生物が付かないように、すばらしい工夫で長い時間かかって進化してそうなってきたが、人間がこれは農薬と間違われるからなくそうと作って行った。
とげがあると運搬時に傷がつくという事でとげも色せんぼ?もないから人間の意図と関係なくキュウリは皮を厚くした。
キュウリは南の方から来たが、皮が黒っぽかったが、見栄えが悪いという事でそれを除いていった。
私が古い野菜を作ったらなんか違って美味いというんです。
大規模農家はそういったことはできない。
完全無農薬でmoreオーガニック。
窒素、リン酸、カリは化学肥料で作れて作物はそれを吸収するが、土は劣化する、土の中の微生物は食べるものがないわけです。
土作りをすると味が変わってくる。

味なんて表現できない、私に必要なものだと思う心がおいしさだと私は思っています。
昔は旅館と料亭をやっていて資金を借りるのにフルに利用して研究につぎ込めました。
在来種を求めてきましたが、次に引き継いでくれる人を見出すのが私の仕事だと思っています。
人を作ることは私にはできない。
奥田さんが私の師匠だと思っています。
土遊農という野菜レストランではメニューはなく、あるもので作ります。
単純に生で、煮て、焼いてとかして作るわけです。
遠くからもきて人気になっています。
F1という種は一瞬はすごくいいものは作れるが、後がなおせないというのは生物ではない。

40年間やってきて評価され始めたのが2,3年前でした。
500年前にはどんなナスを食ったのかなあと興味があるわけです。
食材そのものの気持ちになった料理しないといけないと思っています。
レストランの主役は野菜でお客さんははわき役になってもらわなあいと。
昨日のお客さんは水を入れないで野菜だけのエキスのスープを飲んで感動して涙を流したというんですが、今の世の中おかしいんじゃないかと思うぐらいですね。
お客さんの心だけを思って流通とか無視してやっています。

桑畑を作って蚕を飼うのをしています。
庄内には蚕の歴史があります。
蚕も改良して大きく、太くて長い(1500mぐらい)のものにしてきましたが、小石丸といって昔の繭の長さが500mぐらいしか取れないものを作っています。
繭をパウダーにして化粧品の製造業までもっています。(今は株式にしたが)
人間の外皮、内皮(口内とか)があり、外皮(皮膚)は常在菌で病原体が入らない、こすったりすると生物の生きている防御が無くなるわけです。
出来るだけ石鹸を使わない、垢がひとりでにはがれるようになっている。
化粧品で微生物(常在菌)を健やかに育てる、野菜と同じ考えでやっているわけです。
農薬と蚕は相反するするものです。
かなりの面積が必要で桑畑と蚕を飼うところ1平方kmには農地?があってはいけない。
蚕からパウダーを作って化粧品を作っています。(すごくいい蛋白なので)
どうしたらいい小石丸ができるか研究しています。
インドネシアから頼まれて、中国からも従来野菜のことで話が来ています。