2019年4月8日月曜日

杉山芙沙子(元プロテニスプレーヤー杉山愛の母)・【アスリート誕生物語】

杉山芙沙子(元プロテニスプレーヤー杉山愛の母)・【アスリート誕生物語】
日本を代表するスポーツ選手はどのような過程でどのように育ったんでしょうか。
愛さんは世界4大大会で女子ダブルスは3度の優勝の他、シングルスでは連続出場62回という女子歴代一位の記録をお持ちです。

(愛さんは2015年7月に男の子を出産。)
私は育児を経験して行く中で、自分のものではない、社会からの預かりりものと考えたらすごく楽になると言う事を途中で気付きました。
丁寧に扱うし、自分とは考え方とか違うものなので、違う意見を言ったり、想像しないような駄々をこねたり、彼女はやりたくないんだなと考えることが出来たので、皆さんにもそうして貰いたいです。
どうしてほしいのとか話ながらしているうちに、或る時から段々「あー」とか、「うー」とか発したあとに、笑ったり、更に泣いたりしました。
話や行動が通じると感じました。
2,3歳になって予期せぬ出来事を彼女がやった時に、大きな声を出してはダメとか話してゆくと、或る日判ったのかなという時が来ます。
説明しても判らないんだったら、言葉ではなくて抱きしめたりして、言葉と動きをミックスしながら、模索しながらやってきました。

しつけに関しては、体制に影響ないこと(人に迷惑をかける、危険とか以外)は怒る必要はないと思っていました。
褒める時は思いっきり褒めて来ました。
昨日は出来なかったのに、出来てるね、という感じで事実を認めて行く、それが私の褒めると言うことです。
叱る場合も、目の前で起きていることを、いきなり怒るのではなくて、事実を確認してから、私はよくないと思うけど、貴方はどう思うと言うようなことを言ってきました。
今のお母さんの多くの人は早く急ぎなさいと、多くの人は悩んでいます。
子供はあまり時間感覚が無いので、予告を早くすれば解決するかもしれない。
勉強とテニスを両立するために彼女を中心に廻っていたので、反抗している暇もないと言う事はあったと思います。
大きくなった時に私に操られて線路の上を歩いて来たような気がして、女性として、人間として焦りを感じる、能動力が無いという風に勘違いしてしまって、20歳過ぎてほんのいっとき、ママの話を聞きたくないと言う時期もありました。
反抗というのは親目線なので、親の意見とは違う事を言っているだけです。
一番大事なことは答えは私が持っているわけではなくて、子供が持っていると言う事だと思うので、子供の答えを引き出すために私が何を言ったら子どもが気付いて、自分の胸の中をはきだすことができるのかというふうに思いながら声掛けをしてきました。

愛は活発な子でした。
育児書を見ながら長女なのでチェックしてきましたが、無駄なような気がします。
子供の個性に寄りそうのが大事だと知りました。
10カ月ですっと歩きだして、2週間したら走るように歩きだしました。
朝から晩まで外で遊んでいました。
親子水泳教室に10カ月になったら入りました。
体操教室、フィギュアスケートも習いました。
クラシックバレエもやっていました。
ピアノ、絵画もやりましたが、好きではなくて辞めて行きました。
主人も私もテニスをやっていたのでクラブに3歳ごろから連れて行っていました。
運動能力にはたけていました。
テニスをやるようになって他の教室は辞めて行くようになり、小学校の一年生のころには1週間に4日テニスをやるようになりました。
小学校2年生の時にプロを養成するクラブが近くにできて、そこに行くようになりました。
まだプロになると言うようなことは思っていなかったです。

15歳でワールドジュニアランキング1位、17歳でプロに転向、25歳の時に全米オープンのダブルスで優勝、ダブルスランキング世界一位となる。
ディレクターの役をしていたが、愛が大スランプになりテニスをやりたくないと電話をしてきました。
アメリカに飛んで行き色々話をしました。
何もかもネガティブな感じでした。
テニスをやりきったのかと聞いたら、やりきっていないと言う事で、やりきって見ると言う事になりました。
彼女が又彼女らしい笑顔が取り戻せたら、又この世界で戦えると確信していました。
「ママにコーチをお願いしたい」と言う事になりました。

ジャパンアスリートペアレンツアカデミー(JAPA)を設立。
2009年に愛が引退して、その間過ごした9年間の濃い時間をなんかの形に表したいと思って、大学院を受験して纏めたいと思いました。
日本のトップアスリートにおける幼児式の両親の教育方針に着目して研究をしました。
スキルだけではなくて人間力に関わってくる問題だと言うふうな結論と考察というような論文を書きました。
身体的体力、精神的体力、知的体力(予測する力、観察する力、自分の気持ちを伝える力など)のバランスがとれた、その全てを総合して人間力と定義しました。
コーチ、親も融合して選手の可能性を引き伸ばすことを一緒ににやる方が、楽しいし伸ばせるのではないかという事で、着目したのがアカデミーでした。
親の学校、アカデミーを作ろうと思って設立しました。
悩みを共有しながら学んでいこうという学校でもあります。
どんな環境下でも自分をちゃんとマネージメント出来ると言う事だと思います。
色々なことに気付いて自ら行動できると言う事がすごく大事な力だと思います。
親子のコミュニケーションが本当に持ってこいの問題だと思います。
私が子供に伝えたかったのは楽しむと言うことだったので、どんな環境下にあっても楽しめる人に、幸せを感じる人に愛はそのまま居てほしいと思います。