2018年9月28日金曜日

田村セツコ(イラストレータ)      ・【人生のみちしるべ】あなたにハッピーを!(2)

田村セツコ(イラストレータ)  ・【人生のみちしるべ】あなたにハッピーを!(2)
1938年東京都生まれ80歳、現在も第一線で活躍するイラストレーターで、エッセイストです。
1950年代に可愛い少女のイラストで雑誌界にデビュー、60年代は少女雑誌、「リボン」や「なかよし」の人気イラストレーターに、70年代にはキャラクターグッズが人気を博します。
サンリオが発行している「いちご新聞」に1975年の創刊から現在も連載を続けています。
ここ数年は自分のライフスタイルやファッションを語る本を次々に出版、今年出版した「孤独を楽しむ本 100の私の方法」は若い世代から田村さんの同世代まで多くの女性たちの心を掴み人気を呼んでいます。

現在一人暮らし、明るくなると目が覚め,暗くなると寝ると言う正しい生活をしています。
正式に起きるのは6時です。
手も動く足も動くと感じて、毎日嬉しいって感じです。
コーヒー、紅茶、日本のお茶をカップに作って、気分によって先に何を
飲むかを決めて、飲んでスタートします。
その後朝食を取って、9時位から仕事を始めます。
綺麗さっぱりな部屋にあこがれてはいるんですが、捨てきれれないものが溜まってしまって、色々な作品が一杯あります。
メモ、落書きは自然に身に付いているので、メモ類は一杯溜ります。
メモを見れば思いだすので、いつでも見れるようにしています。
お坊さんのお話で、「自分の周りはみんな先生」とか、「みんな親戚」とかという言葉が気に入っています。
親、そのまた親をたどって行くと結局みんな親戚なんだと言うことです。

イラスト アンド エッセー、ちょっと文字を添えて行く。
子供の時からお婆さんはかっこいいと思っていました。
優しいような怖いような怪しいような不思議な存在だと思っていました。
お婆さんになるのは楽しみでした。
「いちご新聞」にハッピーおばさんのオシャレ話とか、50年前から出てきています。
おばさんは外人みたいな人でお説教、アドバイスでも何でもOKなんです。
昭和50年からいまでも連載が続いている。
伝えたいことは、少女たちにどんな状況があっても、ハッピーを感じられるタフな心を持ってほしいという事かと思います。
ハッピーとは、素敵なドレス、不自由のないお金、美しい顔とかではなくて、オリジナリティーのあるその人自身が見つけるもの、工夫して自分が発明するようなものだと思うんです。
芯のところではちゃんとしていて欲しいという願いがあります。
みんなそれぞれ才能があるので、それに気付いてほしい。(おばあさんって、タフで賢いんです)
よそに目を向けて人目を気にするとか、人からどう思われたいとか、そういうことはもう卒業してほしい。

「孤独を楽しむ本」、究極の人生のテーマが孤独を克服することではないかと、出版部の人が決めて、100個孤独を楽しむ方法を思い浮かべて下さいと言われました。
私は孤独、寂しいとかは毎日感じます。
それは生きている証拠だと思っています。
どんなに賑やかでも楽しくてもふっと気付くと、孤独は逃れられないと思う。
俯瞰して見てみると、寂しいとか言っている自分がいて、同じようなことを考えている人が、近所に、東京に、日本に、世界に一杯いるわけです。
そういう中の一人なので、そこに固まっていたら時間がもったいないという感じです。
生きている時に孤独を味わうんだと思います。
お母さんと妹を介護、68歳の時から6年間二人を介護しました。
父は病院にお世話になりましたが、母は絶対に家でということで、妹はパーキンソン病で二人を引き取って、介護しました。
共倒れになると周りから言われましたが、出来るところまでやろうと思ったら、以外と大変ではなかった、心温まる日々でした。
オムツの取り替えも簡単で、毎回感動します。

私が赤ちゃんの時に母がしてくれた恩返しだと思って、何でもします、というような感じでした。
ヘルパーさんから言われたことは、「親の介護で一番大切なのは褒めてあげることよ」と言われました。
親は子供に褒められるチャンスは非常に少ない。
「さすが」「お陰さまで」こう言った言葉は良いですね。
シンプルな短い言葉でいいと言います。
褒めるのは点滴よりも効くと言われています。
その間仕事もして、個展もしました。
周りからはやつれていたとか言われましたが、そんな自覚は無かったです。
やることをやると後はすっきりします。
世話をしている間に逆に元気を、エネルギーをもらえるような話も入って来ました。
「不思議な国のアリス」は若い頃唐突に色んな事が起きて、意味がわからないと思っていたが、歳を取ったら急に身近に感じられて、生きている時は日々何が起こるかわからない冒険の道のりという事を教えてもらったのかなと思いました。

どんな立場の人でもアリスだなと思うようになりました。
日々やっていることが冒険だと思えば耐え忍ぶことができる、メルヘンに助けられる。
少女ものと決めないで、大人がそういった本のヒロインからヒントを貰うのは恥ずかしい事ではないと思います。
絵日記、自由に描いて日を書いて、言葉を書いて、今日という日は昨日でもない、明日でもないとても大切な日と考えて、それを毎日書いたら365ページになり素敵な絵本になるわけです。
幸せをゲットできるし、自分を励ますことができて絵日記はお勧めです。
今の自分を励ましてくれる。
最悪な気分でもそれを書くことによって気分がすっきりしてきます。
18,9歳の時に会社を辞めて、フリーになって仕事が無くてさまよっていた日々が私を導いてくれたと思います。
そのことは苦いよく効く薬だと思っています。
一番大切なものは父と母にもらった命と思います。