2017年6月4日日曜日

増山江威子(声優)        ・【時代を創った声】

増山江威子(声優)     ・【時代を創った声】
増山さんはルパン三世の峰不二子、キューティーハニーのキサラギハニー、天才バカボンのバカボンのママなどの役で知られています。
ルパン三世の峰不二子は35年にもわたって演じてこられました。
増山さんはそれぞれのキャラクターにイメージを損なわないように、との理由でTVへの出演はほとんどされてきませんでした。

ルパン三世の峯不二子は2代目。
オーディションを2本作って、1本はのざわなちさんがルパン、私が峰不二子、広川 太一郎さんのルパンでそれも私が峰不二子をやりました。
蓋を開けてみたら、峰不二子が二階堂有希子さんに成っていて、ルパンが山田康雄さんに成っていて、結局駄目だったんです。
パート1が終わって6年経っていて、新たにオーディションがあり峰不二子への思いが強かったのでオーディションを受けてて受かりました。
キサラギハニーはサイボーグだったので、人間の色っぽい女の人の役をやってみたかったので。
絵が主役なので、絵がないと色々役をやっているので混ざってしまいます。
アニメの魅了は自分の姿がでないので、どれだけわくわくドキドキして次の役を作るかということ、そういう楽しみはあります。

ルパンのメンバーはみんな大人なのであまり私語もないし、一緒にご飯を食べに行ったりとかはなくてみんなバラバラですが、目的が一緒だとパッとまとまると言う感じでした。
昼はみんなで頂いていましたが。
全員が舞台出身なんで、仕事に対する姿勢が違います。
私は4人姉妹の末っ子で小さい時は喋ることが不得手でした。
ゆっくりしか話せなくて、コンプレックスでした。
12歳のときに、話すことをちゃんと勉強しようと思って、劇団の試験を受けて「新児童劇団」にはいりました。
麻生美代子さんが先生でした。
父が観世流の謡いをやっていまして、水道橋の能楽堂に父が出たりしていました。
劇団では周りの人がフランクに接してくれたので、自然に直りました。
ラジオドラマから入りました。
当時は生放送をやっていたので度胸は付いたと思います。

新たに劇団を作ろうと云うことに成って出来たのが劇団「山王」なんです。
浅利慶太さんの奥さんに成られた影万里江さんと一緒に「山王」にいたんです。
劇団四季にスカウトされて、私と影万里江さんが四季に行きました。(四季が出来て1年目)
四季の芝居は早口で、翻訳ものだったのでそれに付いていけなくて、外国映画、アニメなどが出てきて、そういったものをやっているうちに、結婚したので両立するにはどちらがいいかということで、声に切り替えてしまいました。
(時間的な面でTV、舞台は無理だと思いました)
全部ちゃんとやりたいので、子供のお弁当などもずーっと作って来ました。
ルパンのメンバーはみんな舞台からきているので掘り下げ方が違います。

最初の主役はハニーだと思います。
私自身が天才バカボンの絵を見たときに絶対私にぴったりだと思いました。
4シリーズやりましたが、2回までは同じキャスティングでやりましたが、3,4シリーズは全取り換えだったんですが、赤塚富士夫さんがママだけは変えないでやってほしいと言って下さってずーっと出来ました。
役に恵まれ幸せです。
宇野誠一郎さんは役者に歌を歌わせるのが好きで、そのうちにテーマなどを歌えるようになりました。
歌の喜びは得をした気分でした。(私でいいのというような感じです。)

若い人にはなるべく本をたくさん読んで色んなキャラクターの勉強をするべきだと思います。
本を読む事が少ないですね。
何十年と生き残って行くためには、アニメの声だけやってればいいと云うものではないと思います。
歌ったり踊ったりする、そういう声優もいいとは思います。
なんにでも対応出来る準備は絶対しておいた方がいいと思います。
今のヒロインはどれを観ても同じ様な気がするので、どの人も同じ様な声に聞こえてしまう事があるかもしれない。
やはり絵があってのアニメーションなので絵に合わす事が私たちの仕事ですから。
今後は高齢者が勇気を持てるような番組を出来たら嬉しいと思います。