2017年6月21日水曜日

山岸美隆(糸魚川商工会議所副会頭)・糸魚川大規模火災から半年(1)

山岸美隆(糸魚川商工会議所副会頭)・糸魚川大規模火災から半年(1)にぎわいふたた

昨年2月22日、新潟県糸魚川市で大規模火災が発生し、住宅や店舗147棟が焼けました。
町の中心部にある本町通り商店街も半分が被害を受けました。
現在、その糸魚川市の街作りの検討委員会などが、復興に向けて計画作りなどを進めて居ます。
今月上旬に発表された糸魚川市の構想案には消失した商店街に昔の街並みをイメージした新たな商業施設などを
建設することなどが盛り込まれました。
その検討委員会の一人が糸魚川商工会議所副会頭、山岸美隆さん62歳です。
商店街にある呉服店を経営し、店舗の一部が被災しました。
山岸さんは火災直後からにぎわいのある街作りを訴え、ご自身の考えが構想案に反映され始めたと感じていらっしゃいます。 

昨年の大規模災害でおおよそ180mにわたって店舗や住宅が焼けました。
がれきが撤去されて景色は一変しました。
この街そのものが空洞化していて、新たな店を呼び込んで商店街の再生をしたいと思っています。
煙を見て、2~3軒が焼けてしまうのかなあぐらいの感覚で見て居ましたが、なかなか放水が始まらないのでもう少し燃えてしまうのかなあぐらいの感覚でした。
途中から風が一気に出てきて、消火の手伝いなどをしていたが、飛び火がすごくて、100mぐらいずつ飛び火になり、避難指示が出ました。
昼間なので火の粉は見えなくて、風に飛ばされて屋根に落ちて瓦の隙間に火の粉が入って燃えていくパターンです。

子供のころから慣れ親しんできた町なので、一瞬で無くなると云う感覚が受け入れられなくて、暫くすると実感してきました。
一番いい時代の裕福な時代の建物がそのまま残っていたが、それが全部消失してしまったと云うのは寂しいです。
なかなか受け入れられなかった。
私の家は2階から火が出て、消火活動もあり、屋根には穴が開きましたが、全体とすれば残ったと云うことです。
仮店舗での店の再開をして、販売に間に合わせました。
成人式の着物をお正月に展示、販売することが年間のスケジュールにあって案内もすでに出してあったので、見ていただく機会をなんとか作ろうと思いました。
元の場所での再会は2月3日で、あらかじめ2月3日に日程を決めて実行していきました。

残ったところは元気にやっている姿を見せることも大事なので、早く営業してあげることが勇気づけになるのではないかと思いました。
私の店が燃えてしまった、私の店が残ったという感覚で、お互い喜んだり涙して、お客様の店に対する想いがあるのだと思って、嬉しかったです。
火災前中心市街地の空洞化があり、郊外型、インターネットでの販売などで生活の商品を商店街で調達する時代では無くなって、それに火災で追い打ちをかけられて、もう一回再生するには新たなニーズに答えられる再建がでてきたのでやり方次第だと思います。
ただハードルは高いので、ピンチをチャンスにしていきたいと言う思いは強いです。
集客、誘客のための海、新幹線があるので、ちょっとした日帰りで楽しむことができる環境作りが出来ればとの思いはあります。
2040年になると3万人を切りそうな範囲になりますし、内需だけでは右肩下がりになるので、外からのお客さんがおいでいただける街の体系を作っていただきたいと云うのが行政に対するお願いです。

日本海に面していて、新幹線の駅が近くにあり、高速インターもあるので、外から入るには好都合なので、日本海の魚、物産をたのしんでいただくため等を核にしたいと思います。
海の街ということを前面に出せる様にしたいと思います。
長い将来どうするのかとなると、変化が出てくると思っているが、共に暮らしてきた人たちなので理解、協力はでてくると思っていますが、まだ具体的な事が出てきていないが、具体的になって来ると協力が得られると期待しています。
にぎわいを出すのに、人口2万人台がいずれ来てしまうと云うこともあり、長いスパンで商人は生き続けなくてはいけないので、人を呼び込むための努力をしていくための環境作りをしていくことが、大事だと思っていたが、考え方の違う人たちもいて、方向付けに対してせめぎ合いをしたこともありました。
主張が通らない時期もありましたが、段々取り入れていただいてきました。

商工会議所内にも特別委員会を設置して8~9回委員会を開催して、内需型、観光型などもあったが、私どもの考え方を率直に話す機会が出来たことはよかったと思います。
回数を重ねることで溝が埋まってきたんだろうと思っています。
商人としてここで営んできたと云う事実があるので、災害で負けるわけにはいかないと思うので、復興した姿を見ていただくと云うのも商人のプライドだと思っています。
新しい街を作るスタートと言うことで、ゼロからのスタートなので大変な事は事実ですが
、歴史、街並みとかは戻しますが、住まいとする人、商う人は新しい方が入って貰うと云う考え方だと思います。
外に向かって商売をしようという人の集まりを作る訳なので、魅力のある店作りをやって行くと云うことで目的は重なっているので、力を合わせることはできると思っています。