小山実稚恵(ピアニスト)・癒しではなく生きる勇気を
チャイコフスキーとショパンの二大コンクールに入賞してデビューしてからおととしで30年を迎えました。
今年の3月にはこれまでの活動が認められて第67回芸術選奨の音楽部門で文部科学大臣賞を受賞をしました。
現在小山さんが力を入れて活動しているのは、東日本大震災の子供達を励ます、「子供の夢広場ボレロ」と言う催しです。
震災から6年たった今、この夢広場は音楽による癒しではなくさまざまな活動を通して、子供達に生きる喜びと勇気を感じ取ってほしいと開かれています。
この企画はその名前の通り、有名なボレロの曲を参加者全員で力強く演奏するだけでなく、昆虫ワンダーランドとか、ロボット教室など子供たちの好きな体験型のイベントも併せて開かれます。
夏休みの子供たちに楽しんでもらおうと毎年7月に仙台で開かれています。
「子供の夢広場ボレロ」と言う催しは今年で3回目です。
ボレロ大集合コンサートと言うのがこのイベントの基軸にあり、2日間に4回ありますが、音楽だけでない分野の楽しいイベントも盛り込んでいまして、子供たちに参加して貰いたいと思います。
ボレロの曲に少しずつ楽器が増えていって、最後にはみんなで大興奮で曲が終わる様に、この広場もそういうふうになればいいと思っています。
サイエンスショーとか珍しい昆虫を見せたり、伝統芸能等もやっています。
私はピアノに出会えて音楽が大好きですが、何かに出会えてきっかけが出来て子供たちが興味を持ったりと云う事があると思うので、色々な企画をしています。
おととし、デビュー30年で春と秋に大きなコンサートをしました。
1985年ショパンコンクールに入賞。
3月、第67回芸術選賞の音楽部門で文部科学大臣賞を受賞。
初めての本を出版 「点と魂と スイートスポットを探して」 色々な分野の人との対談集
異分野の人の考え方、そのものに打ち込んでゆくときの感じ方に興味があって、どこかで通じるところもあると思っていました。
脱力の極み、ものごとのスイートスポットを捕えられることではないかなあと思いました。
30枚目のCDを出しました、ゴルトベルク変奏曲。
鍵盤の大傑作ですし、手の届かないところにある曲なんですが弾いてみたいと、節目に演奏してみたいと思いました。
仙台で生まれて盛岡で育ちました。
こうやってピアノを続けて居られたのは東北で育ったからだとつくづく思います。
盛岡音楽院、先生は吉田美智子先生。
東北の風土が芸術的な感性をはぐくんだ事はあると思います。
高校は東京芸術大学付属高校、東京芸大に進みました。
高校時代にはバレーボール、軟式テニスも一生懸命にやりました。
1982年に23歳のときにチャイコフスキーコンクールで入賞
1985年にショパンコンクールで入賞。(NHKで特集を放送して一般の人に知られるようになる)
プロのピアニストとしてデビュー。
2006年からピアノリサイタル 年2回、12年間行っている。
2011年東日本大震災発生。
3月11日は函館の演奏会に行っていましたが、中止になり東京に戻りました。
自分が育った東北の地だったので言葉がなかったが、何とかしなければと思いました。
被災地を中心に行動したいと思って、2カ月後釜石、宮古などの被災地に行きました
避難所の学校に行って演奏しました。
生きて行くことがまず大切というような、子供達も元気にしなきゃと思って過ごしているのが伝わってきて胸いっぱいでした。
その後落ち着いてきたら段々すこしがっかりしている状況が見えてきたりしました。
2015年から「子供の夢広場ボレロ」という催しを始めて今年で3回目になります。
震災は本当に悲しいし、残念だけれど、これがあったから自分はこうしたい、こう生きたいとか、別の力にして行くことがあったら、人生何があってもやっていけるのではないかと思います。
仙台で7月29日、30日の2日間、2回づつ4回行います。
宮城教育大学のオーケストラの方も一緒におこないます。
子供たちの歌が入ったりしていてみんなで参加出来るようにしています。
モーリス・ラヴェルの素晴らしさもあるが、音楽が増幅して行って、心の中の底が湧きあがるような感じが子供たちに通じて、最後はわーっとなって終わります。
今年の指揮者は広上淳一さん、個性的で温かい人間性があり、素晴らしい力があります。
面白サンエンスショー、昆虫ワンダーランド、郷土芸能の唐舞いの獅子踊り、IT教室(ロボット)、声優体験のワークショップ、茶道などいろいろあります。
子供たちに生きる勇気を持ってほしいと思います。
リサイタルシリーズの最終年 11月25日に行います。(24回目)
今後の活動は音楽を深めていきたいと思いますが、音楽の素晴らしさを知ってほしいし、聞いてほしいと思います。