2012年3月28日水曜日

本川 達雄(東京工業大學生物学者) ・ナマコに学んだ私のおまけ人生論

本川 達雄(東京工業大學生物学者) ナマコに学んだ私のおまけ人生論
海の生物のナマコ、ヒトデ等の研究として知られている 本川さんの著書に 「ゾウの時間 ネズミの時間」
心臓の鼓動の数と寿命との関係を表したもの
アロメトリーという日本でなじみの少ない学問を平易に解説した『ゾウの時間ネズミの時間』(中公新書)
はベストセラーになった
動物が打つ心拍数は寿命が2~3年のハツカネズミも 70年近いインド象もほぼ同じ15億回になる
ということです
これを人間の寿命に当てはめると医学や科学の力で1.6倍に伸びたと言われます
人間が英知で手に入れた寿命をどのように活かしてゆくのか 伺います
おまけの人生とは→昔は人間50年と言われた  縄文時代は30歳代 明治時代でも40歳代  
今みたいに80歳代はほんに最近の事

体重が大きくなると心臓の鼓動が遅くなる 大きな動物ほど長生きする 
体重と時間の長さは有る関係があって 体重の1/4乗に時間の長さが比例する
15億回 ほぼ同じになる 人間だけはそれにのらない 
食事が良くなったり、冷暖房等で環境が良くなったり 医学の進歩等で寿命が延びている
人間は計算上では41.5歳  自然界では老いた動物はいない 
我々の寿命は技術が作ってくれたおまけなんですよ  老後は人工的なもの 人工生命体 
これは本当に有り難いもの 感謝しなくてはいけない
資源を使ってしまう  次の世代が使うべきものを使ってしまっている  
年金、医療費、介護費 赤字国債でやっていると言う事は赤字のつけを回しちゃっている
文学部は人間の心、脳の中ばっかり見ているようで偏っているなと思って、理科系の理学部と言うと 
人気が有ったのは素粒子 それが判れば全てが判る

と言われても と思ってもうちょっと体を持った生き物として 真ん中ぐらいのものをやれば世の中が
見えるのではないかと考えた 
動物学 その中で出来るだけ脳みその無いものをやろうと 貝だとか、ナマコだとか ほやだとか
をやろうと思った
30歳の時に沖縄に赴任した 臨海実験所 瀬底島 ナマコがごろごろしていた 
突っついたりしても逃げない 普通の動物は逃げる 変な動物だと思った
ナマコは殆ど皮で出来ている コラーゲン 刺激すると堅くなる 皮が6割を占めている
 口の周りに触手を持っていて砂を食べる(砂に付着したものを食糧とする)
ナマコは殆ど捕食者がいない  皮の堅さを変えて身を守っている(堅くなったり柔らかくなったり)
エネルギー消費量は非常にすくない 筋肉は要らない 脳も要らない  
1/10~ 1/200(鼠のエネルギーの)しかエネルギーを使わない

余りたべなくても良い 天国の生活   サンゴ礁は生物多様性がある  
珊瑚の枝の間に一杯魚だとかがいる  生き物の宝庫  
今から30数年前だから綺麗だった 最近は汚れてきた  
省エネに徹すると世の中は天国になる  今の日本人と言うのは物凄くエネルギーを使ってこの世
に天国を作ろうとしている
資源は無限にある様に想っていたが、豊かで天国を作ろうと思ってきたが、どうも地獄になって
しまうような状況にある
まだ右肩上がりにしなくてはとの思いがあり これは資源を益々使うことであり 環境は益々悪くなる  
もう少しエネルギーを少なくして資源を少なくして行けば
実はそれほどあくせくしなくっても 世の中生きていければ 働く時間も少なくていいと言うので
あれば 幸せになれる

なにが幸せかと言う事にもなるのですが、 お金を儲ける事だけを考えるのであればそれに時間を
使ってしまって (インターネットでデイトレードとか)夜も眠れないとか
もうちょっとゆったりと自分の時間に合った生きかたをしなくてはいけないのでは 昔無かった時間
を頂いているのだから 現役時代とは違った価値観で生きるように
しなければいけないのではないかと思います
自分がちゃんと足を地に付けて、生きていける時間をもっと確保しなくてはいけないと思います
大きな動物は時間がゆったりしている 小さな動物は時間が瞬く間に過ぎてゆく   
実は大きな動物の細胞は余りエネルギーを使わないのです
細胞がエネルギーを多く使うと時間が早く進む  時間の速度とエネルギー消費量は正比例しているのです  
これが動物の身体の中で起こっている

人間も赤ん坊、子供の頃は細胞がエネルギーを沢山使っている  
20歳過ぎると少しずつエネルギーが減ってゆく
60歳ぐらいになると細胞のエネルギー消費量は子供の頃の1/3ぐらいになってしまっている
子供の頃は時間が早い 時間の世界が違うので子供の頃の世界観、価値観で歳を取っても持って
生きてゆくと言う事は間違いのもとではないだろうか
自分の時間に合った生きかたをしないと幸せに成らないだろうと  これは体の中のことなんですが
 実は 体のそと、 社会生活においてもエネルギーを使うと時間が早くなるんですよ
便利 コンピューター、携帯電話、自動車 等々 使うと速くなる  
そういう物を動かすにもエネルギーを沢山使う

現代社会はエネルギーを沢山使って時間を早めているのだと そういう社会だと思っている
便利になって時間を早めてきているが、身体の心臓の拍動は昔のまま 身体の時間が元のまま
なのに 社会の時間だけどんどん速くなってゆく
身体が付いてゆけるのか 便利に成って豊かになった割には自殺が増えたりだとか、色んな事が
起こっている 
子供達も疲れたと言っている訳ですよね    
本来の身体に合った時間で生きればストレスの掛らない幸せな時間を持てるのではないだろうかと思うんですね 
ビジネスの時間を卒業したら本来の時間に合った生きかたをした方が良いのではないんでしょうか
機械に頼らない もうちょっと自分の身体を不便にした方がいい
   
現代は筋肉を出来るだけ使わないようにするのが便利となっている
筋肉が身体の中で不平不満を訴えるのではないかと思っている  
次の世代を考えたら次世代は多分困ってしまうのではないだろうか  
個体は使っているとガタがくる ガタが来る前に次の世代を作る(子供)
生物学的には私の次の世代は次の私である  
今の私だけが良い思いをして次の世代が困ってしまうような事ではいけないので、もうちょっと
遠慮した方がいいのでは
省エネ生活をすることが大事(自分にとっても次世代にとっても)