小柳 淳(作家・書店主) ・旅する作家の本屋さん
東京吉祥寺に今年6月に一風変わったちいさな書店がオープンしました。 店主は元鉄道会社勤務ので旅行作家の小柳 淳さん(65歳)、海外へは31か国113回旅をしたという大の旅行好きの小柳さん、お気に入りだった旅の本をそろえた小さな書店が閉店してしまたったのにショックを受け、退職を機に自ら旅の本を取りそろえた書店を開店してしまいました。 読書週間に町の小さな旅する本屋さんの魅力と小柳さん流、旅の流儀を伺いました。
5か月ぐらい経ってやっとなれてきました。 旅行そのものは子供のころから好きでした。 中学2年生の時に上野から夜行列車に乗って福島県の会津に行きました。(蒸気機関車ブーム) 形は変わっても旅行は好きでした。 大学を卒業して就職したのが鉄道会社でした。 観光の宣伝、営業部にいたり、インバウンドをやろうというのを今から20数年前に考えついて、国土交通大臣よりYŌKOSO! JAPAN 大使に任命されました。 去年退職をしました。 10何年前に青山に旅の本屋がありましたが、閉店になってしまいがっかりしました。
それでは自分でやればいいじゃないかとふっと思いつきました。 3年前に「棚貸し本屋さん」に出会って、そこに一箱スペースを出しました。 そこで本屋さんの仕入れからいろいろ勉強もしました。 会社を辞めて今年の2月ごろ突然吉祥寺でいい物件に出会い、決まってしまいました。 お客さんが「ここ面白いね」おっしゃってくれます。 開店時間が12時34分(1234と数字が並ぶ)になっています。 閉店が18時になっています。 月、火は休みです。 広さは15坪ぐらいです。 関西国際空港旅客ターミナルビル、小田急ロマンスカーの車体などを設計した岡部憲明さんに店舗のデザインをお願いしました。 光の当て方とかきめ細かく設計していただきました。
奥は4坪ぐらいのギャラリーがあります。(写真、絵など展示会とか) 1400冊前後あります。 地理、地図、風景、自然、歴史、宗教、食べ物、海、山、交通、言語などがあります。 売れ行き2位が高校で使っている地図帳。 本の並べかたも工夫して地域別、テーマ別とかしています。 長岡の大空襲の鎮魂の花火「白菊」、花火師の話の本もいいです。 ポルトガルの本もいいです。 旅の小物もあります。(4色ボールペン、スケッチブックとか) 海外へは31か国113回旅をしていますが、香港には79回行っているので香港コーナーがあります。 乗り物を使って旅をする関係の私の著作が多くあります。 話をする中で旅のアドバイスなどもしています。
売れ行きNO1は開店して半年と言う影響もあるかもしれませんが、私の書いた「旅の言葉を読む」という旅のエッセー本です。 この本の中には本のことが一杯入っています。 「旅先への興味と敬意」、興味の深堀り(言葉、歴史など)、何も知らないと失礼なことを言ってしまう事もあるので敬意が必要です。 だから本を読んでから行きたいと思っています。 旅は行く前、旅行中、帰ってからの楽しみに加えて、旅の本を読むことが楽しみになると思います。