2023年10月16日月曜日

玉川太福(浪曲師)          ・〔にっぽんの音〕

 玉川太福(浪曲師)           ・〔にっぽんの音〕

台にテーブルかけがかかっていて、語る、唸る、そして三味線の曲師が左手側にいて二人一組で演じます。  昔はマイクがなかったので、声、演じ方も大きくなっていきます。 題材は講談から来ているのが9割ぐらいです 

*「天保水滸伝」 幕末、下総一帯で繰り広げられた飯岡助五郎一家と笹川繁蔵一家の騒擾を題材とした実録体小説、および同じ題材を元に作られた講談浪曲等の演目。 二代目玉川勝太郎の時代になって名調子もあって一世を風靡。

5,6種類の節を、いろんな描写に当てはめながら雰囲気を作って行きます。  講談が一番古くて、次に落語、浪曲が新しいです。(二人一組でやる浪曲は明治初期)

私は新潟の生まれで、お笑いが好きでコント作家になりたいとは思っていましたが、大学を卒業して そういった事務所に入りましたが、思ったようなことが出来なかった。 コント芸人みたいなものを始めて、3年ほどやりました。  演劇的なものにはまって行って(現代口語演劇)、その後落語にはまって行って、26歳で浪曲に出会って(浅草の木馬亭)迫力がありました。  コント的なものを取り合わせたらいいかなと思って、浪曲の世界に入りました。(27歳 当時最年少) 

*「地べたの二人 おかず交換」 新作:玉川太福  

浪曲は涙がこぼれるような印象が強いんですが、爆笑浪曲とかもかつてはありました。  自分でも作って演じています。   基本的には浪曲師がリードしながら、受け取った曲師の弾き方で節回しの引っ張られ方、力を出せるか出せないかは曲師の腕前にかかっていたりもする。  浪曲師に対して曲師は1/3ぐらいしかいません。  私は「おかみさん」(師匠・玉川福太郎夫人 玉川みね子 )に一番弾いてもらっています。 そのほかに助けてもらう曲師さんが2人います。  三味線を聞いてゆくと楽しいという事もあります。 

2017年文化庁芸術祭新人賞を受賞(40歳ころ)。 曲師で101歳で現役で凄く元気に活躍している人が居ます。  掛け声の気迫は1,2位じゃないですかね。 玉川祐子という人です。  

日本の音とは、夏の朝の鳩が鳴いている声とか、ですね。 古典と新作を共にやって行きたいと思っています。 映画「男はつらいよ」を浪曲化することをすすめていて、今27作目まで行っています。