鬼木一直(東京富士大学教授) ・〔みんなの子育て☆深夜便 ことばの贈りもの〕 パパだからこそできる子育てを!
リモートワークなどで仕事をする人が増え、男性の育休取得が社会の課題となる中、お父さんも子育てをする機会も増えてきました。 いざ、育児をしようと思うと、何をしたらよいのかわからないと、戸惑うパパも多いようです。 かつて大手電機メーカーで開発や人材育成の仕事を担当し、現在は大学で学生たちに実践教育をしている鬼木一直さんは、ご自身が3人の子育てをした経験をもとに、パパ目線の子育ての本を出しました。 ママとは一味違うパパだからこそ出来る子育てとはどんな子育てなのか、鬼木さんに伺いました。
大手電機メーカーに就職して研究所でハードディスクとか大型液晶ディスプレーの開発などを行っていました。 クラウド、レーザーディスプレーの開発などいろんな仕事をしました。 長女が2歳の時に、私ががんになってしまって、抗がん剤などの治療をしていましたが、或る程度時間をコントロールできるような仕事を捜して、移ることにしました。現在は男女双子の子と合わせて3人います。 長女が15歳で、双子が10歳になりました。
大学では情報学とか経営情報学、専門演習などを担当しています。 大学では実践教育を重要視しています。 幼児教育は大切だと考え学会に参加したり勉強したりしました。子育ての本を書く機会を得ました。 当時の育メンでは女性が育児をすることをベースにしてそこに男性がお手伝いしているから育メンでした。
ファーザーエフェクト(お父さん効果)、父親とよく交流した子供ほど学力、人間力、チャレンジ精神がたかいんじゃないかというデータも出てきています。 パパなりのやり方を生み出してゆくことが大切だと考えています。 得意なところと苦手なところがある筈なので、上手く分けてやってゆくことも重要な点になります。 お母さんのストレスとしては友達と話をしたいとか、美容室に行きたいとか、そういったことがなかなかできないのがストレスになっていると思います。 子供とは接していながら、孤独感を味わうという事も聞きます。
男の人は子供と同じ目線で接するのが大事だと思います。 女性は繊細なところがあるので、男性はもっと大きなかじ取りをしていった方がいいと思います。 教えてあげるのがティーチング、それに対してコーチング、子供の考えていることを引き出してあげる作業が大事です。 潜在的な能力を引き出してげることが大事だと思います。 お風呂、トイレなどの掃除は男性がやると喜んでもらえると思います。 お風呂に一緒に入ることもスキンシップとしていいと思います。
「手伝ってあげるよ」というような言葉は、そもそもお母さんがやることが前提になっているので、イラっと来ることがあると思います。 「頑張ってね」というのも距離感がありますね。 こういうところが大変なんだという事を聞いてあげる姿勢が大事だと思います。 時間があるときに頑張るのがいいかなと思います。 試行錯誤しながらやってゆく、その過程が重要だと思います。 一番いけないのは二人で子供に同時に怒るという事です。 逃げ道を残して反省を促すようにする。
子供って天才だと思っていて、親が制約をかけてしまう事はもったいない。 身体は小さいがしっかりとした人格を持った一人の人間ですから、尊重して一緒になって考えてあげたり、一緒にチャレンジしたりする。 子育ての大事なことは、視野を広げる、感受性を大切にする、そうすると選択肢が増えてくる。 心の安定という意味ではハグは重要です。
子育てをしていると想定外のことがいろいろ起きます。 想定内に納めることがそもそも間違っている。 考える力を日常のなかで育ててあげることが大切だと思います。 父親、母親では意見の違いがあるが、価値観の違いを理解することも大事です。 笑顔のなかで接してしっかりハグしてやって、絆を深めてゆくことが凄く大事な作業です。 努力を誉めてあげることがやる気に繋がっていきます。 一番大事ことは子供が大好きであるという事を、ハグとかで伝えてあげることが大事です。 親の価値観を押し付けるのではなく、子供の選択肢を狭めないことです。 笑顔で子育てを楽しむ。