2019年8月19日月曜日

篠原由香利(ガラス風鈴職人)       ・【にっぽんの音】

篠原由香利(ガラス風鈴職人)       ・【にっぽんの音】
進行役 能楽師狂言方 大藏基誠
4代目 38歳、実家を継いで15,6年。
風鈴の音色、
構造的には江戸風鈴はガラスでできているが、風鈴のなかにガラスの管が下がっていて、管が鳴り口に当たって音がする。
音が良く鳴る様に鳴り口のところをギザギザに仕上げています。
擦れる音の方が人間にやさしいと江戸時代に職人さんが考えたらしいです。
素材は大きく分けてガラスと金属、木、貝殻とかがあります。
手作業なので一つ一つ違った音になります。
作る工程は大きく3工程になり
①ガラスを溶かして風鈴の形にします。
②風鈴の内側に絵を描きます。
③管を通して短冊をつけて鳴らすようにします。
ガラスを吹くのは一個2,3分でできます。
一日200~300個 (二人一組)
絵を描く人は絵だけを描いていて一日100~150個完成するという感じです。

小さいころから絵を描くことは手伝わされたので、絵を習うという事はなかったです。
絵は顔料を油で研いで描くのと、墨で描くものとがありますが、刷毛で描いたり、墨は筆で描いたりしています。
金魚の絵が一番売れています。
元は風鈴というのは絵と音で魔よけの鈴として一年中使われていたそうです。
宝船の裏側に松が描かれていて、宝船がやってくるのを待つというシャレになっています。
*「風鈴」宮城道雄 作曲演奏 

人によって好みの音が違います。
年齢よっても違う事もあると思います。
インターネットで買うことができるが、音色を聞いて、自分の好きな音色のものを買っていただきたいと思います。
大きさ、ガラス、鳴り口の大きさで鳴り方が変わってきます。
元は中国から占風鐸(せんふうたく)として入ってきたようです。
竹林にそういったものを下げて風向きでいろんなことを占っていたそうですが、日本に入ってきて風鈴になったといわれています。
ガラスが入ってきたのは江戸時代でその前は金属だったようです。
当時はながっぽそい形でした。
昔は風鈴を天秤に乗せて売っていましたが、現在でも外国人が買ってくれるというので歌舞伎町、銀座で担いで売る人が出てきたと聞いています。

*「風鈴」 小学唱歌

スカイツリー、浅草寺など東京の風景を描いた風鈴を作りましたが、東京都チャレンジ大賞というものがあり、伝統工芸品を集めた賞でそれの奨励賞を頂きました。
時代時代によってお客様が欲しいものが違ってくると、どうしても変わってくると思います。

日本の音、除夜の鐘の音、小学校の5時になると聞こえる夕焼け小焼けの音色
今は無くなってしまった東京の建造物をいろいろ描いてみたいと思っています。