2016年9月8日木曜日

高橋 靖(ペースメーカー友の会) ・生かされた命で社会貢献を

高橋 靖(日本心臓ペースメーカー友の会副会長) ・生かされた命で社会貢献を
心臓の具合が悪くペースメーカーを体内に埋め込んでいる患者は全国に 35万から40万人いると言われています。
ペースメーカーは電気の刺激で心臓を動かす医療機器です。
ペースメーカーを装着し同じ不安や問題を抱える患者の会、日本心臓ペースメーカー友の会は昭和45年に発足し、今全国に3100人の会員がいます。
副会長で東京八王子市に住む高橋さん(71歳)は、33歳の時、ペースメーカーを入れ58歳の定年までサラリーマン生活を続けました。
10年ほど前から自力で心臓が動かなくなって、100%ペースメーカーに頼って生活しています。
その生かされている命を感謝し、社会に役立つ事が出来ないかと考え、八王子市から委嘱をうけて、障害者の相談に当たる社会福祉員を務めています。

日本に28支部ありその内、東京には二つの支部が有って、西東京支部の支部長でもあります。
毎年ペースメーカー装着者30数名で1泊のバスツアーを行っています。
役員が下見をして、危険があるかどうか事前にチェックして行動するようにしています。
西東京支部には180人の会員がいます。
年1回総会が1回、年3回茶話会を行って好きなことを話していただき桜の花見もやっています。
長野県出身 33歳の時に心臓の具合が悪くなりペースメーカーを埋め込む。
会社で58歳の定年まで働き、二人の息子は家庭をもち、7歳の孫がいます。

ペースメーカーは電気の刺激で心臓を動かす医療機器です。
大きさは500円玉をちょっと大きくした程度の大きさ、重さは20gぐらい、厚さは5~6mmです。
心臓の上の鎖骨の下3cmあたりに埋め込みます。
鎖骨の下の静脈からリード線を心臓に入れて、心臓の適切な場所に先端をくっつけて本体とリード線をくっつけると電気が送られて心臓が動くと言う事です。
自脈が有れば、ペースメーカーをは停止していて自脈が止まれば自動的に作動する仕組みになっている。
1分間にだいたい60、70~120が通常のペースメーカーです。
階段を上ったりするときには自動的に120になったりします。
電池の寿命は5~10年で交換します。(ペースメーカーの使用時間に左右される)
日本で初めてペースメーカーの埋め込み手術が行われたのが、昭和38年、53年前。
ペースメーカーは全て外国製、車一台が買えるほどの価格。

寝床についたが毛布が重く感じて、医者に行ったら時々脈が無い時が有って、大学病院に行ったらペースメーカーを入れないと命の保証が無いと言われた。
結婚後、7~8年後の時だった。(子供は二人いた)
子供達をどう養って行ったらいいかという事だったが、昭和54年に手術を受けました。
生きて病室に戻ってこられるのかという、恐怖が有りました。
8時間手術に時間がかかりましたが、1カ月後にどうもうまくないと言う事で手術のやり直しをしました。(リード線の取り付け位置が適正でなく、ペースメーカーがうまく作動しなかった)
周りはペースメーカーにたいする認識が無くて、一番こたえたのがロボットだということで心にこたえました。
一緒に何かスポーツをやった時などに、もし何かあったら大変だと言う事で周りは避けていた。
金属加工の仕事だったが電子機器の仕事を机上でやった方がいいと言う事で配置転換してもらって幸運だったと思います。
年6回機関紙をつくっているが、辞めてほしいという様な人も以前いました。
最近はそういう方は非常に少なくなりました。

ペースメーカーを入れたことによって安心しました。
朝目が覚めると今日生きていたと言うような思いが、ペースメーカーを入れたことによってそういった心配は無くなってよかった。
ペースメーカーを入れた事で周りの人に支えられているんだなという事を感じました。
71歳まで生きてこられたのは、ペースメーカーが有ればこそ生きてこられたんだなと思います。
10年前から自脈が無くなり100%ペースメーカーに頼ることになりました。
八王子市から委嘱をうけて、障害者の相談に当たる社会福祉員を務めています。
ペースメーカーを入れた人からの相談が多いです。
一人暮らしも多くて自分にたいする恐怖があり、山間部に住み、夜などはなおさらです。
そういった方が寂しさを紛らすため、不安などで電話をしてきて、相談してきます。
40年ペースメーカーを付けていますよと、言っただけで安心される方もいます。

日本心臓ペースメーカー友の会は昭和45年創立、日本に28支部あります。
6月に年一回の全国総会が有りました。
150から160名参加、専門の医者が15名、ペースメーカーの会社の方含め200名程度参加。
再会の喜びを肩を抱き合って表現していました。
電磁波、携帯電話の障害など、ノイズが入ってこられない様な工夫がなされてきています。
MRIの検査時にも対応型のものについては、大丈夫になりました。
烈しい運動以外は健常者とほとんど変わらない日常生活を送っています。
携帯電話にたいして不安に思う人もいるので、バス電車では出来れば控えてもらいたいと思う。
障害者への赤いプレートの装着は東京都だけだが、全国に広がってほしいと思っています。