茂出木雅章(日本の凧の会会長 西洋料理店社長) ・凧揚げと私
昭和14年生まれ 老舗西洋料理店の二代目社長 全国に会員がおよそ1100人いる日本の凧の会会長として全国の凧揚げ大会を廻り、いそがしい日々を送っています。
凧揚げの楽しみ、凧揚げの糸で結ばれた人との繋がり等を話していただきます。
2~10m以内が手ごろな風です。
1月に入ると、新春凧揚げ大会があり、何十か所で行われます。
東京方面では日本の凧の会の新春凧揚げ大会を板橋の河川敷でやっています。
子供のころは広場がありました、私は3階の屋上に父につれて行かれて、江戸凧、やっこ凧を揚げました。
やっこ凧は庶民に人気があり、目にロウを塗って揚げるときらきら光りました。
地方で毎週あり、土日はいませんでした、海外にも誘いがあり、行きました。
地方では端午の節句に凧を揚げるのが多いです。
保存会では地域の祭りの密着が多いです、浜松の凧揚げ祭り、凧合戦でお互いの糸を切り合う勇壮な凧揚げです。
新潟では白根、根付、三条が盛んです。
長崎、愛媛県でも有名です。 長崎では凧のことを「はた」と言います。
浜松の場合は畳一畳位の凧に初孫の名前を書いて、2枚を作って一枚は飾って一枚を揚げます。
糸は麻で出来ていて、町は240町ありそれぞれそこの初孫の凧を揚げ、お互いの糸が絡んで引っ張りっこして段々煙が出てきます、お互いに糸を切り合います。
昔凧は「いか」と言っていました。 江戸時代「いかのぼり」といっていて それが「たこのぼり」という様になりました。
正月に凧を揚げるのは江戸の習慣で、地方では端午の節句とか、風のいい時に行いました。
参勤交代で江戸ではやった絵柄を持ち帰って地方のものにして行った。
風のない時は軽い凧を使って糸を長くして風を読んで揚げて、上空に場がると風があるので
何とかなる。
強い風だと凧の欠点が出てくる、バランスが悪いとかあり、調整をする。
凧は絵を描いて、竹ひごを削って、運動する、3拍子揃っている。
池波正太郎さんが店に来て「坊主 凧あげばっかりやってるんじゃないぞ」と言われたことがありました。
子供は凧を渡すと走り出すが、これは不思議です、風を読んでふっと揚げてやるわけです。
最近は無風凧があり、風がなくても揚がる様な凧があります。
飾り凧 お正月の気分が出ます。
日本の凧揚げ大会は前夜祭があって、次の日があって、次の日の午後は解散です。
外国は盛んで、最低1週間、2週間とか、ひと月とかもあります。
竹と紙 ファイバーグラスとナイロン とがあり、ヨーロッパに行くとでかい凧ばっかりです。
私が持っているのが45m×20mで、連凧は日本人が記録を持っています。
五並中学校で19850枚位の世界記録があります、大きさははがき2枚位。
風がないとばさっと落ちてきて、風が強いと凧が反って下に落ちてきて、丁度いいとまっすぐ登り竜みたいに気持ちよく揚がります。
100畳の凧は直径5~6cmの糸を持って揚げます。
小さい方では5mm4方に絵を描いて、京都の方が揚げました。
武者絵、出世した人、宝船、だるまさん、龍等の絵柄が多い。
字凧も多いです。
ナイアガラの滝でアメリカ側からカナダ側に対してアーチをかけたことがあります、800枚の連凧でした。
150年前から凧あげがあり、凧がカナダ側に飛んでいってしまって、凧を探して、探っている糸を段々太くしてロープにしてワイアーにして吊り橋がかかった。
ホーマン・ウォルシュ(Homan・Walsh)という人の凧だったがアメリカの銀行家で全米一の銀行家になり、その人を記念した大会が毎年あり、その時の大会で賞をもらいました。(800枚の連凧)
「カイト」全天候型の凧(NASA開発) 雨が降ってもいい。
和凧 竹ひごをうまく平均に削って、絵を描いて、糸を一か所に纏めて、糸目の中心を定めて、角度を決めて作る。
江戸凧は糸目が綺麗に揃っていると、江戸凧は綺麗、金に糸目をつけないというのはそういうところからきていると思う。
私のところに小さな凧の博物館があるが外人の人の方が多い。