2016年1月23日土曜日

石倉三郎(俳優 )        ・俳優を目指した原点

石倉三郎(俳優 )           ・俳優を目指した原点
69歳、名脇役としてTVや映画に欠かせない存在となっています。
俳優の原点は中学1年まで暮らした小豆島です。
戦後の混乱期で貧しい生活をを強いられた中、石倉さんにとって唯一の心の支えが映画でした。
母や兄が地元の映画館で働いていたことがあり、何度も映画館に通って次第に映画の世界にあこがれを抱く様になって行きました。
役者を目指す原点となった小豆島時代の思い出や、芸名に一字を貰った高倉健さんとの出会いなど、役者人生の原点や転機などを伺いました。

昭和21年生まれ 父は大阪で仕出し屋を営んでいましたが、戦争で焼失、大叔母を頼って小豆島に移住、移住後に生まれる、4人兄弟の末っ子、中学2年で大阪に戻る、兵庫県で働く、20歳の時に俳優を目指して上京、高倉健さんに出会い東映に入り俳優デビュー、34歳の時コントレオナルドを結成、コメディアンとして全国的な人気を博し、解散後、俳優としてTV、映画にて活躍。
夏は港が泳ぎ場所、冬は山へ登ってチャンバラ等をやって、いつも親分でした。
母がチケット売り場で務めていたので、毎晩の様に映画を見ていました。
東映の時代劇、ありとあらゆるものを見ました。
自分の顔を見て三木のり平タイプだなと思いました。
謝恩会をやった時に受けて、先生から面白いと言われたのが、きっかけになったのかなと思いました。
中学2年で大阪に戻って、あたらしくできた学校で1期生だった。
勉強も嫌いだったので、兄の務めている尼崎の部品工場で働く様になる。
仕事が面白くなくて、或るときに専務から名古屋に営業として行かないかと言われて、ふっと役者になりたいと思った。
植木等にあこがれていたが、弟子の小松政夫の活躍を目のあたりにして、諦める。

劇団で勉強してと思って、劇団の試験に受かるが、研究生なので月謝を払わなくてはいけなくて、諦めざるを得ず、挫折する。
アルバイトを取り合えずやってゆく事にする。
青山のスーパーマーケットに行ったら芸能人の手形があり、入ると石原裕次郎さんがいたので吃驚した。(その店で7年間働くことになる)
店の近くの喫茶店で高倉健さんと出会うことになる。
或るときに高倉健さんから声を掛けられて、喫茶店のママが俳優になりたいと思っていると紹介してくれて、ギャラももらえるし東映に来ないかと言われる。
本名は石原三郎で、同じ名前の人がいて紛らわしいと周りから言われ、倉の字を貰う事になる。
競馬場のお客の役が最初だったが、その後ありとあらゆる職業の役をやってきた。
東映入社後半年で新網走番外地で高倉健さんと共演する事になる。
高倉健さんは自分の部屋に浴室があるのに我々と同じ大浴場に来て、腕立て伏せなどをやらされたりもした。

4年目に演技科の人とけんかをして辞めざるを得ない状況になる。
高倉健さんに話をしたら、脛まで泥水につかるという言葉があるが、首まで浸かる自信はあるかと言われ、自信はありますと言ったら、それならば頑張れという事で辞めました。
健さんとの約束がなかったら、この世界はとっくに辞めてますね。
その後、司会、舞台中心になる。
コントレオナルドを結成する事になる。
相手が病院で酸素吸入器を付けていたりして、持病などと言っていたが、何とか組んでストリップ劇場を半年間 10日単位で廻った。
その間に7本ネタが出来て、演芸場に出した時に大受けして、笑点にレギュラーにとの話もあったが、矢先に熊さんが倒れて、半年間一人で食いつないでいたが、4回倒れてもう駄目だと思って解散した。

バイト先の先輩が水耕栽培をやると言うので、芸能界での足を洗おうと思って、土木作業をやって3カ月やっていたが、漫才ブームが来て、熊さんと出てくれと言われて、1回付き合うと言ってやることになる。
芸能界に戻るかどうか悩んでいたが、水耕栽培の会社も空中分解して、芸能界に戻ってきた。
コンビ解散後、俳優として活躍する事になる。
平成 4年NHK朝ドラ 「ひらり」 の深川銀次役が市川昆監督の眼にとまって、平成6年「四十七人の刺客」に出演、その時の大石内蔵助の役が高倉健さんでした。
「サブちゃん やっと潮が満ちてきたな おまえ」と言われて嬉しかった。
脇で私のマネージャーが泣いていました、こっちが泣きたかったが。
「あなたへ」でも高倉健さんと共演する事になる。
健さんとの出会いがなかったら、ここにはいませんもの。
「つむぐもの」で初めての主役をすることになる。(介護がテーマの映画)

「見てござる」  人は見ていなくても天は見てござる。
「棚からぼた餅」 どんなぼた餅か、どこに落ちるか、そこにいなくてはいけない。
「濡れ手に泡」  手を濡らさないと泡は付かない、真冬に泡を掴むのにお湯でやっていると泡は直ぐに腐る、氷水に手を付けて泡を取らないと泡は腐る。
やろうとしたらしっかり準備し、やらないと駄目。
「人生は瞬き」 人生の早さはあっという間、目があいているうちになにかしないといけない。