2021年1月19日火曜日

Lutherヒロシ市村(声楽家・俳優)    ・ジャンルを超えて聴く人の心をつかむ

Lutherヒロシ市村(声楽家・俳優)    ・ジャンルを超えて聴く人の心をつかむ 

1960年東京生まれ、国立音楽大学音楽部声楽科を卒業し、二期会で研鑽を積む傍らオペラデビューを果たしました。  代表作に『コジ・ファン・トゥッテ』のドン・アルフォンゾ、『魔笛』のザラストロ、『リゴレット』のスパラフチーレなどがあります。  その後、オフ・ブロードウェイミュージカル『ジェニーの肖像』の日本初演メンバーに抜擢、ミュージカルデビューを果たしました。  ミュージカルの公演で出会った、ミュージシャンの誘いを受け、ソウルユットに加入をして、ソウル歌手としても活動しています。  またシェークスピア俳優として、台詞のみで演じるシェークスピア遊び語りシリーズにレギュラー出演するほか、2018年9月には河合祥一郎さん演出の『お気に召すまま』に歌の才能を生かした役で出演しました。  ルーサーさんは自ら歌い演じるだけでなく、独自のボイストレーニングを取り入れた発声や歌唱指導を通して後進の育成にも取り組んでいます。  ジャンルを超えて活躍をする、声楽家で俳優のLutherヒロシ市村さんに伺いました。

クラシック歌手からソウル歌手に転向するときに、誕生日が1月15日でルーサー・キング牧師も同じという事で、ルーサーにという事になりました。

昨年10月に記念リサイタルがコロナ過で開催できてよかったなと思っています。  リサイタルは10回目になります。   第一部は私のオペラ歌手としての一面を見ていただいて、間にシェイクスピアの俳優としての一面を見ていただいて、最後には歌曲、そういうものを歌う側面を見ていただきました。  リモート演奏SNS上で発表する形式が流行したので、それを舞台で皆さんにお届けしたかった。   伊藤奈美さんにピアノをお願いしました。  ほかにも三輪えり花さんとか若い協力者を含めてリサイタルを行いました。

小さいころは母がピアニストで、祖母が日舞の師匠でした。  母はピアノ教室をしていましたので、ピアノをやっていました。   多摩少年少女合唱隊に所属していました。    ボーイソプラノを担当しました。  小学校6年で突然声変りがして、学校では音楽の先生からどうしたのと言われてしまいました。   合唱隊は退いて青年部に回され、バスパートに回されました。  反抗期があり、母への反抗、ピアノを辞めてしまい、歌も辞めてしまいました。   高校で合唱部があり男性が足りなくて、大会に出れば単位を貰えるという事で、先生からいい声をしているので声楽をやってみたらいいと言われて、始めました。

国立音楽大学で声楽の勉強をしました。  二期会研修所に入ることが出来ました。  音楽の先生として就職するか歌をやるか考えました。   26~29歳海外に行きました。  イタリア、オーストリア、ドイツなど転々としました。  見るもの聞くものすべて収穫でした。

*モーツアルト作曲 オペラ「魔笛」よりザラストロのアリア- 「この聖なる殿堂には」(還暦リサイタルより)

二期会のマネージャーからミュージカルをやってみないかと紹介してもらい、『ジェニーの肖像』バスソロがある役をいただきまして、それが最初です。   ブラザー・トムさんから自分がやっているソウルコーラスグループの低音を担当して欲しいと言われて、40歳の時に加入して今年で20年目になります。

山梨県のオリジナルミュージカルを 三輪えり花さんが演出することになり、音楽面の監督、指導面で呼ばれましたが、やりがいのある仕事でした。

三輪えり花さんの「シェークスピアの遊び語り」に参加するようになりました。  台詞で成り立っている演読で、時には本から顔を上げて表情、手ぶり身ぶりを加えながら演劇に近い状態でやります。  声を生かせることが出来ました。

*演読 シェークスピア遊び語り ヘンリー四世より「フォルスタッフ」の台詞

河合祥一郎さん演出の『お気に召すまま』に出演。   

多ジャンルに出ますが、お互い観察できるので、別々のものという感覚はないです。

ルーサーボイスメソッドを編み出しましたが、交通事故にあって声が出なくなってしまった時に筋力トレーニング、発声トレーニングを自分に施しながら声を再生させていった過程で編み出したものです。  喉だけの筋力で歌わずに全身の筋肉を使って声を出したり歌ったりするものです。  10年弱の時間がかかっています。  個人レッスンをしています。 去年の日本音楽コンクールのバスで奥秋大樹君が見事入選しました。

週に3回は筋肉トレーニングはしています。  安心してお客さんに見ていただける環境になるのが一番の願いです。