奥田佳道(音楽評論家) ・【クラシックの遺伝子】
*「ボレロ」
フランスの作曲家、モーリス・ラヴェルが1928年に作曲したバレエ曲
ピッコロ、ホルン、チェレスタという楽器が色どりを添えている。
チェレスタは19世紀後半にパリで発明された楽器、鍵盤があり出てくる音は鉄琴を叩いているよう音。
この楽器とパリで出会ってすごいと思ったのが、チャイコフスキー。
今日はチェレスタの遺伝子という事で多くの作曲家、名曲を紹介。
*くるみ割り人形 作曲:チャイコフスキー 「金平糖の精の踊り」の前にクララと王子がお菓子の王国の魔法の城に向かう場面で、第2幕の冒頭を聴いていただくがその後半でチェレスタがくっきりと聞こえてくる。
*「金平糖の精の踊り」 作曲:チャイコフスキー
金平糖はアーモンドを色鮮やかなお菓子の衣でコーティングしたヨーロッパのお祝いの席の砂糖菓子ドラジェ 英語ではシュガープラム チャイコフスキーのくるみ割り人形が日本に入ってきたときに見たことがないお菓子という事で、翻訳する方が金平糖が近いだろうということで「金平糖の精の踊り」となったわけです。 チェレスタが世界に知られるきっかけとなった曲。
ミステリアスにぴったりの音色。 不思議な世界へいざなう調べと音色。
ドビュッシー、モーリス・ラヴェル、グスタフ・マーラー、リヒャルト・ストラウス、ヴァルトークなどもこのチェレスタをここぞという場面で使っています。
*グスタフ・マーラー 作曲 「交響曲第6番」 第一楽章の途中にチェレスタが活躍する場面があります。 4つの楽章で出来ているが一つの楽章を除いて、3つの楽章で隠し味のようにチェレスタが活躍する。
*グスタフ・マーラー 作曲 「交響曲第6番」 第二楽章から。
*ジョン・ウイリアムズ 作曲 映画「ハリーポッターと賢者の石」から 「ヘドウィグのテーマ」
「金平糖の精の踊り」をどこかに響かせながらこの曲を書いたような感じです。
*「ホーム・アローン」のテーマ ジョン・ウイリアムズのチェレスタの原点ともいわれる。
ジョン・ウイリアムズは映画「ホーム・アローン」の音楽でもチェレスタを使っている。
*くるみ割り人形 作曲:チャイコフスキー
終幕壮大なワルツが踊られるが、壮大なワルツの演奏の最後の最後にチェレスタが隠し味のように響いてきます。