2018年1月4日木曜日

飯村毅(ちばマスターズオーケストラ 団長) ・響け!円熟のハーモニー

飯村毅(ちばマスターズオーケストラ 団長) ・響け!円熟のハーモニー
千葉県市川市を拠点にしているアマチュアオーケストラで60人の団員の平均年齢は72歳。
正確な集計はないが国内のアマチュアオーケストラとしては最も平均年齢が高いと言われています。
団長の飯村さんは72歳、千葉県内の小学校で教壇に立ち小学校のオーケストラや吹奏クラブの指導も勤めて来ました。
定年退職後、ちばマスターズオーケストラに入団、ホルンを担当しながらオーケストラ全体を纏める団長の役割を果たしています。
オーケストラのメンバーは年一回の定期コンサートに向けて練習を続けているほか、千葉県内の特別支援学校のコンサートにも力を入れています。

練習は平日の午後、第2,4木曜日の午後行っています。
ほぼ皆さん8割以上が出て来ます。
管楽器、打楽器は100%出てきています。
年齢がいっているので相手の立場を理解できる良さがあります。
ついつい頑張ってしまうような部分もありますが。
ここ数年はよくなったねと言って下さる方が多くなりました。
お互いの音を聞き合って合せて行こうという部分があると思います。
練習時間もそうですが、健康でなければ活動出来ないのでこれが一番だと思っています。
私が最初入ったころは、黙々とかたずけているのに喋っている方が居て、情報交換は後にしましょうと言ったことはありますが、あまり注意すると言ったことはやってないです。

教育学部で勉強したので将来は先生になろうと思っていました。
ホルンの音に魅了されてオーケストラに入ることになりました。
ブルックナーの4番のシンフォニーの冒頭の処で絶対忘れられないです。
卒業後、習志野市の小学校に入りました。
合計8校で教壇に立ちました。
最初の学校が音楽がいつも流れている学校で、子供達の輝きを体験しました。
その時の教え子が今一緒にやっていたりしています。
ずーっと音楽、器楽と関わってこられたのは最初の8年間がすごく大きいと思います。
子供が私を追い越して行くのが楽しみです。
学級担任をやりながら音楽の指導をしていましたので、クラスの子とクラブの子を分け隔てなくやってきました。
昭和43年から約40年間やってきました。
60歳で退職して、その後2年間主任の先生のサポートをして、クラスの子の指導もやりました。

千葉県音楽祭をやっていて村上正治先生が組織を作って、子供たちにいいステージを踏ませてあげたい、いい演奏をした団体を皆に聞いてもらいたいと言うことで始めた音楽祭で、お手伝いに行ったときに、先輩がたまたまマスターズに居てこれからやるんだと言うことでいいなあと思いました。
それがきっかけでマスターズに入ることになりました。
「音楽を楽しむ喜びを一人でも多くの人に」と言う理念がありこれを掲げているので自分なりの楽しみがあればいいと思いました。
ホルンの音は大学生のころには戻らないが戻したいなあとは思います。
一人ひとりが音楽を楽しんでいます。
音を多少ずれても、周りに許してもらいながら、やってきました。
音楽って瞬間瞬間で音が消えてしまう、しかし心に残る音になってくれればいいなあと思います。

前の団長が80歳になり、総会でやれと言うことになり、当時60代だったので引き受けることになりました。
最年長は米寿になるチェロの方です。
その方は大学時代からやっているので60年以上になります。
会社勤めをしながら、山形では昭和28年に山形フィルを立ち上げ、転勤して、宮城フィル、千葉管弦楽団、東京の江戸川フィルなどの設立に参画してきたそうです。
その人は化学関係の研究をしていました。
コンサートマスターは女性で、ビオラのパートリーダーが御夫婦です。
大笛とファゴットの方も、打楽器にも御夫婦がいます。
羨ましい部分もあります。

特別支援学校のコンサートにも力を入れています。
団としてのライフワークみたいな面もあります。
事前の打ち合わせで曲を選定することもありますし、校歌を子供達と一緒に歌ってもらうようなこともあります。
子供達はやっぱりオーケストラで歌うと喜びます。
トトロの散歩、ドレミの歌などが子供達が好きな曲です。
演奏会が終わってから楽器体験コーナーがあり、触って叩き始めてドラムに会わせて演奏が始まったりするときもあります。
2018年5月に定期演奏会を予定しています。
シベリウスの「カレリア組曲」と、ベートーヴェンの「コリオラン序曲」とメインがシューベルトの「未完成」を予定しています。

運営のことで問題になるのは経済的なものと、会場、日程などですが、金銭面では団費で賄う様にするとの思いですが、協賛される会社もありますので有難く力をお借りしながらやっています。
色々工夫してマイナスが出ない様にやっています。
「第九」をやりたい思いがあったが形にしにくかったが、なんとかやろうと言うことで昨年5月新しいプロジェクトが出来ました。
合唱団も必要だしソリストも、練習会場も問題があり、プロジェクトで検討することになりました。
あまり時間がないので、早くやりたいとは思っています。
3年後あたりにはやりたいと思っています。
ちばマスターズオーケストラの結成が2005年。
音楽の力はすごいと思います。
自分の活力にもなっています。
がんになっても一緒に練習に参加されている方も居て、「ここへきて一緒に音楽をやることが生きる活力になっている」とおっしゃっています。
皆それぞれ違うが、みんなで一緒にやっていこうと、そういう感じです。
60歳を過ぎて楽器をやって見たいと言うことで、音が出るようになり、なんかやってみたいと思ったら声をかけていただければ有難いと思います。
「来る者拒まず、去る者は追わず」と言うことです。