2018年1月12日金曜日

喜谷昌代(キッズファム財団 理事長)   ・喜びも苦しみも共に(2)

喜谷昌代(一般財団法人 キッズファム財団 理事長)・喜びも苦しみも共に(2)
今日はもみじの家に付いて伺います。

1991年から活動を始めたのがもみじプロジェクトです。
日本は桜、菊が国の花のようですが、、もみじを認可していただいたときに、もみじの葉は5つの形をしていて、一つ一つに意味を付けてそれを使ってもみじと言うプロジェクトにしました。
1991年から2009年の間で8回もみじプロジェクトを実施。
1991年に1回目を実施、日本から50人の障害のある青少年と障害の無い青少年とペアになってイギリスを訪れました。
日赤の看護師さんも参加していただきました。
最後の2回の時にはもう少し進んだことをしたくなりました。
イギリスから命の短いお子さんを2回にわたって日本に6人ずつお連れしようと準備を始めました。

ボランティアについては日本赤十字の青少年課の課長をしていた橋本祐子さんの「橋本語録」と言うのが20位ありまして、そのひとつに「あなたたちはなんでボランティアをやりたいか、やりたくないか、しっかり自分の中で考えなさい。
その答えがやりたいとなったら何処までも自分の持っている時間とか体力とかエネルギーとかを全部相手に捧げなさい、
そしてあなたたちは真っ暗な長いトンネルが有って、その一番最後の出口にある小さな光になりなさい。
そうすればそんな真っ暗なトンネルでも小さな光によって、かなり照らされる、そういうことが大事なんですよ」と教わりました。
お爺さんと孫が海岸を散歩しているときに、ヒトデが一杯打ち上げられていて、孫が海に戻してやっていて、お爺さんの問いに対して、ヒトデが一つでも二つでも海に還って生き返ってくれたらそれが嬉しいと言って、ホスピスもそれと同じで、受け入れられる子の数も限られているが、一人でも二人でも最後まで喜んで明るく楽しくして両親に守られて亡くなると言うことは大きなことだと思ってそれを続けてきたと言う話もありました。
心と心が通じ合えば成功の方向には行くと思います。

2016年にもみじの家が出来ました。
国内で初の公共の医療機関が運営する医療型短期入所施設「もみじの家」を東京に開設しました。
延床面積が1700平方メートルの2階建て、1階は宿泊用部屋でお子さんだけで宿泊できる3人部屋が2つ、個室が5つ、家族室も2つあります。
介護する人もぐっすり眠れるように工夫しています。
2階はプレイコーナーがあり、遊んだり学習したりすることが出来る。
ベランダがありいろいろ楽しめたり出来るようにしてあって、大きな桜の木があり桜も楽しめるようになっています。
日中は看護師、保育士がいて、夜は看護士が夜勤で泊っています。
家族風呂、障害者用の大きなお風呂もあり、喜んでもらっています。
ここでは安心してゆっくり何年かぶりに入れますと言って下さる人もいます。
一緒に持っている苦しみ、悲しみも共有できる、そういう関係をお子さんと御家族にも持たせていただけたらと思っています。

お子さん、御家族が書いてくれる文が有って天井しか見ないで友達もなく過ごしてきた
が、ここにきたらうれしそうにする子が多くて、毎日がとっても大切だという御家族が多いと思います。
11床のうち、7,8床しか使っていなくて、看護師さんが十分でないと出来ないので看護師を増やすことは財政上難しいので、募金活動をしたりして、財政がよくなったら十分なケアを出来ると思います。
今年からの1年は一生懸命募金活動をしたいと思います。
重症のお子さんでも養護学校とか、幼稚園とか普通のお子さんたちのように出来なかったが、普通の生活に近づいた家にしたいと思います。
両親にとっても歳を取って来ると大変な思いをすると思うので、今は0から18歳までですが広げられたらと思います。
もみじの家は原則一月一回の利用で、宿泊最長で9泊10日までの滞在が出来る。

2017年10月末までで775人が利用しました。
常に医療的なケア(人工呼吸器が必要とか)が必要な子は全国で1万7000人いると言われる。
在宅ケアとなると大変な負荷となります。
募金活動をしっかりしてもみじの家を色々なことで充実させたいし、色んな地域で出来ると遠くから来ることが無くなるので楽になると思います。
大阪、奈良とかでも出来ているところもありますが、宿泊施設がないとか、環境がまだ不足する部分があります。
夢が沢山あり色々したいと思っていますが。
ボランティアは1964年のパラリンピックの語学奉仕団の活動から始まりました。
皇后の美智子さまから赤十字で働いてはとのお勧めで始まり、橋本先生の影響もありましたが、ボランティアは長い期間やっていただければいいと思いますし、辛いこともあるかもしれないがやることを好きになっていただく、ボランティアの相手の人を大切にして一緒に歩いていただければと思います。
自分に合ったことを見つけてそれに集中して進めて行けば、相手の方もそれにこたえてくれると思います。
自分の気持ちを理解してくれる方、私の方からの相手の理解できて一緒に出来たりとか、どんなことでもボランティアは出来るのでそれを大切にしてやっていけば、もっと世の中が楽しくなるのではないかと思います。