2017年11月14日火曜日

森裕美子(理科ハウス館長)           ・子どもたちに科学の夢を

森裕美子(理科ハウス館長)       ・子どもたちに科学の夢を
神戸大学を卒業して中学校の数学の先生をしていましたが、結婚を機に退職して東京に移り住みました。
戦前の高名な物理学者、石原 純博士を祖父に持つ森さんは,祖父の著作「子供の実験室」を読んで感銘しました。
森さんは子供達に遊びを通して科学の面白さを知ってもらおうと、シャボン玉やあぶり出し等の作り方、その遊び方を書いたミニコミ誌を作り近所に配りました。
このミニコミ誌は評判になってインターネットに掲載され世界にまで広がりました。
この体験から森さんは子供たちの身近にある科学館をコンセプトに、平成20年自宅近くに建坪30坪の2階建ての科学館を作りました。
館内には子供だけでなく、大人でも楽しめる企画が所狭しと展示されています。
これまでの入場者数はおよそ3万人、3年前にはノーベル賞を受賞された小柴 昌俊さんの科学教育賞も受賞されました。

「蟻地獄釣り」がある、棒に糸を付けたものを蟻地獄に垂らす。
蛇の卵が置いてある、鶏の卵の半分よりちょっと大きめ。
さまざまなものが展示されている。
40~50位展示されていますが、全部見るには一日では足りないと思います。
本は2000冊以上あると思います。(それ以外に貸出がある。)
生物、物理、化学、地学、数学など色んな分野があるので自分の好みに合わせて楽しむように作ってあります。
2階への手すりにDNAが展示されている。
屋上は天体観測が出来るようになっている、年に1~2回望遠鏡を取り出して皆さんと一緒に星を眺めています。
トイレのなかも展示に使っています。

20年以上前に子供と一緒に科学遊びを楽しんでいました。
子供たちが大きくなってしまって、近所のお子さんに科学遊びを紹介しているうちに、こういう場所があったらと思って作りました。
「なるほどの森」平成6年発行の第二号。
自分の体験談を友達に配ったりしていましたが理科の先生の目にとまり、広がっていって、やめられなくなりました。
シャボン玉遊び、インターネットにホームページを知り合いが立ち上げてくれて、全国誰もが読めるようになりました。
英語になったり、フランス語にもなりました。
兄がアメリカにいたので訳してくれました。
あまりお金がかからなくて科学実験が出来ると言うものを、海外の学校で紹介した大学の先生がいて、もっと紹介したいと言うことで「なるほどの森」が英語になっていればいいねと言うことになり、兄がやってくれました。


祖父が書いた「子供の実験室」という本があり実験を取り混ぜながら子供達が実験してゆく様子、どうしてそうなるかと言うのを物語で書いていて、それを読んで余りに面白かったので是非子供達にも読ませたいと思いました。
自分なりの科学遊びを紹介する方法としてミニコミ誌を書こうと思いました。
「子供の実験室」は昭和3年発行のものでした。
祖父はスキャンダルの物理学者として有名になった一面もありますが、石原 純像は本当とは違っていると言う思いがあり、正しい石原 純像を伝えたいと思いまして、ちゃんとした資料を公開して石原 純像を伝えていこうとの思いもありました。
祖父は理論物理学者で、アインシュタイン博士が日本に来たときに通訳などもしました。
私は大阪で4年数学の教師をしていて結婚後東京に来ました。

「なるほどの森」が知られるようになりました。
出版社の方も興味をもつようになり、教科書にも載りました。
国の全国にある科学館を結んでいくような事業にも参加するようになりました。
地域科学館連携支援事業、学校とのつながりを持つようにということで、文部科学省が支援する為の助成金を出すので、その事業の選考委員に成るようにとの声がかかりました。(6人のうちの1人)
6年間やっているうちに、何に困っているかを見てきて、自分だったらどういった科学館をやりたいとの思いがつもっていって、身近な科学館にしようと思い到りました。
展示してあるものの意味が判らないものがあり、これを解消したいと思って、そばに聞ける人がいればいいと思いました。
この二つを解消するためには、小さければ出来るのではないかと思いました。
この科学館では二人で説明などをしています。

サイエンスカフェ、実験ショー等もやっています。
世界中を回っている写真家に月について講演をして貰ったりもしています。
色々講演をして貰っています。
サイエンスカフェでは来館者の人たちが聞きたい事に合せて、講演依頼しています。
実験ショーでは実験の前に結果を予想してもらって楽しめるようにしています。
入館料は大人100円、子供は無料です、ショップで色々な物を売って、オリジナルTシャツをインターネットで販売しています。
その収益で運営にも使っていますが、まだ足りない状況です。
義父が残してくれたものがあり、それを使わしてもらっています。
森一郎 「試験に出る英単語」を出版していました。(元日比谷高校の英語の教師)
ロングセラーでこの印税を運営費に当てています。
21世紀の子供たちに、自分が出来ることをやっていけたらいいなあと思います。
3年前にはノーベル賞を受賞された小柴 昌俊さんの科学教育賞も受賞しました。
子供たちの主体的な学びが出来ていると言うことで、優秀賞を頂きました。
子供たちが展示などに関わっていることが評価されたと思います。