若宮正子(メロウ倶楽部副会長) ・スーパーITおばあちゃん
昭和10年生まれの82歳、高校を卒業して都市銀行に入り、関連会社を経て62歳で退職しました。
退職後は認知症のお母さんの介護で家に閉じこもりがちになりました。
もっと外の世界と繋がりたいと思った時、パソコンを知り衝動買いをしました。
でも悪戦苦闘の連続でした。
それでもパソコンの可能性を感じ独学での習得を決意し、のめり込んでいきました。
そして今ではIT機器を使いこなすようになりました。。
去年若宮さんはスマホのアプリケーションのプログラムを自力で製作し公開したところ、大きな話題になりました。
これらのアプリを管理するアメリカにある世界的なIT企業の新製品発表会に招待され最高齢のアプリ開発者として世界中に紹介されました。
パソコンは4台あると思います。
アップルに呼ばれてアメリカに行きました。
年に一回開発者会議があり、アプリを作っている人を呼んで新製品、バージョンアップなどを説明する会議です。
男女とか年齢とか差別しないでと言うことで呼ばれました。
オーストラリアから来た最年少の10歳の坊ちゃんと最高齢の私を紹介されました。
会場には5000人ぐらいはいたと思います。
アップルのティム・クックCEOにもあいました。
開発したのは「hinadan」と言うアプリですが、シニア向けのアプリとして作りました。
雛壇にお雛様をどういう配置をしてゆくかというものです。
どうしても判らないところは仙台の先生に教わったんですが、遠隔操作の形で教えてもらいました。
シニアが楽しめるアプリが無いので、若い人に作ってほしいと言ったが、そんなものはできませんと言われて、自分で作ればいいのではと言われて、やる気になりました。
かなりハードルが高かったです、ウインドウズは使っていましたが、アップル社なのでマックのパソコンでないと作れないので不慣れで、英語なのでかなり厳しかったです。
家庭にパソコンが普及し始めた頃に買ってしまいました。
ウインドウズ95が出た前でした。
自宅で暮らすようになると皆さんとおしゃべりができなくなり、母が要介護に入りつつあるころで、世話をするために家にいなければならず、パソコンがあればネットでおしゃべりが出来ると言うことを読んで買ったんです。(60歳頃)
テキストもなく、パソコン教室もなく、モデムも自分が買ってきてセットアップも自分でしました。
まず自分が必要なことだけを勉強しました。
本を読んだり、メーカーの人にも聞きました。
まず設定で大変な思いをしました。
判らない言葉も沢山あって、後に自分でパソコンの本を書いたときに用語辞典も作ってみましたが、日本語に表現するのも余ほど才能がないと無理だと判りました。
プロパティー、ウィザードなど日本語でとなるとますます判らなくなる。
15年前からパソコンの本を書きました。
ウオークマンは音楽を持って歩ける、コンピューターが身近になり面白く感じました。
今はスマートフォンでも画面が綺麗になり、グレードアップしないといけないと思って一生懸命勉強しています。
昭和10年東京で生まれて、学童疎開した最小年でした。
銀行に入社しましたが算盤の時代でした。
定年のころにはコンピューターが導入されまして、商品企画とかに銀行も力を入れ始めて私の出番もすこし増えて来ました。
両親のもとで兄弟3人で育ちました。
母を見送りましたが、母は100歳で亡くなりました。
外と繋がりたいとの思いもあり、パソコンを習得する大きな動機にもなりました。
メロウクラブに入ってパソコンの使い方、言葉使い、人生についても色々教わりました。
メロウクラブは今はインターネット上で展開している老人クラブです。(以前はパソコン通信) 会員は300人ぐらいです。
俳句、川柳の例会とか、話し合うとかのコーナーもあります。
インターネットに繋がっているかどうかでその人の人生観まで変わって来ると思います。
ネットで世界中と繋がっていて、世界中の動きが把握できるし自分も情報発信もできる。
フェースブックでも沢山写真をアップロードしています。
返信で色んな方の反応も感じることが出来ます
海外にも毎年行っています、ヨーロッパなど50カ国に行っています。
海外から例えばイタリア語で投稿があって、翻訳ソフトがあるので、受けたものの返事もしています。
同年齢の方と一緒に楽しんでるような形でパソコン教室をやっています。
3~4人で、週に一回ぐらいでやっています。
エクセルでセルに色を付けたり罫線の形を変えたり色を変えたりして、絵になるんです。
図案を作ってブックカバーにしたり、色々作ったりしました。(10年以上前から)
立体化ソフトもあり、自分の作った図案を立体化して楽しんだりしています。
「エクセルアート 展示館」で出てくると思います。
プログラミングの基礎からやってみたいと思っています。
将来何か伝統文化に根付いた新しいアプリが作れれば良いなあと思っています。
源泉は好奇心だと思います。
政府の「人生100年時代構想会議」の有識者委員の13人の一人に選ばれる。
人生100年時代に向けて、教育、福利厚生など、設計図を書き変えないといけなくなって、どんな風なかたちで作り上げていったらいいかを多方面から考える。
教育はかなり大きな問題として取り上げらているが。高齢者にたいする何らかの再教育が必要だと思っています。
科学技術が進歩しているので、それにふさわしい再教育が必要だと思っています。
これからは長く働かなくてはいけないのでICT(Information and Communication Technology)の知識がないと厳しいと思います。
これからの時代は人工知脳の時代になってしまうので、これからどういう人が生きのこれるのか、人間の脳と人工知脳とのガチンコ勝負になると思うので、これからの子供さんは人間力を養うのが大事だと思います。
人間でしかわからない様な事を大事にしていかなければいけない様な気がします。
創造する楽しみは当分主役は人間だと思います。