2017年3月17日金曜日

吉田 都(バレリーナ)        ・エレガントに生きる

吉田 都(バレリーナ)  ・エレガントに生きる
東京国立生まれ、9歳からバレーを習い始めました。
17歳の時ローザンヌ国際バレエコンクールに出場して最高の賞を受賞してイギリスに留学します。
絶え間ぬ努力で才能を開花させて世界三大バレエ団の一つといわれる英国ロイヤルバレエ団などで、20年以上最高位であるプリンシパルとして活躍しました。
吉田さんは6年前に帰国し現在はフリーのバレリーナとして活躍しています。
去年初めてのエッセーを出版しました。

「バレリーナ踊り続ける理由」と云うエッセーを出版。
振り返ってみると人生のいろんな事を、すべてバレエを通して学んできたのでまとめてみたいと思いました。
身体も固くなってきてできなくなった事もあるが、ロイヤルバレエ団を退団する頃は、ジャンプとかも出来ないような状態になっていたが、日本に帰ってきて悪化してバレエを辞めるような状況でしたが、身体も良くなってジャンプも出来るようになりました。
本当に驚いています。
9歳でバレエを始め、レトリックもやっていて音楽と一緒に踊るようにしてきて楽しかったです。
身体、足も出来てきた頃なので、始める時期としてはちょうどよかったと思います。
17歳の時ローザンヌ国際バレエコンクールに出場。
これからのダンサーを見つけるためのコンクールみたいな感じで、賞を取ったダンサーは奨学金を貰えて、世界中のいろいろなバレエ学校に留学できる。
ローザンヌ賞を受賞、英国ロイヤルバレエ学校を選ぶ。

海外のバレエ学校は朝から稽古が出来るので本当に楽しみでしたが、行ってみると思ったよりも稽古の時間も短かったりクラスも区切られていたりして、物足りない感じはありました。
一日中踊っていたかった。
一人で生活するので食事の面からすべて大変でした。
野菜がにこみすぎるぐらいで苦手でした。
会話は話さざるを得ない環境だったので却ってよかったと思います。
1年間で帰る予定だったので、ロイヤルバレエ団と契約出来て予想もしていなかった。
先生、両親と相談してみんなに頑張ってみなさいと言われてバレエ団に入りました。
後から思うとあそこで帰らなくてよかったと思います。
プロのダンサーとして責任感を感じました。
舞台に立って行くのが日々の生活の中に入ってゆくので、特別な事ではなくなる。

群舞が最初にあって、順次あって主役を踊るプリンシパルがトップですが、白鳥の湖の主役をいただいた時が、群舞にいるときに突然貰ったので吃驚しました。
それが励みになって頑張れました。
ファーストアーティストと云う一つ上に翌年上げてもらって、その翌年ソリストにあげて貰って、5年目で25歳の時にプリンシパルにあげてもらいました。
英国ロイヤルバレエ団にプリンシパルとして移籍、ロンドンのロイヤルオペラハウスを本拠地としていて、海外公演も行きますがほとんどそこがベースで踊っています。
チャールズ皇太子が総裁を行っています。
踊り、表現にしても品良くと云うのが凄く注意されました。
振付とか細かいところまであって、厳しかったです。
「遊び」が無いといけないとも言われて、自分がどこにポイントを持っていくかなど、いろいろ難しかったです。
繰り返し本番を重ねて行く中でいろんな事を発見してゆくと云うような感じでした。
日々の生活の中で表情、ジェスチャーなどからヒントを貰っていたような気もします。

何時も理想を求めて居たのでモチベーションが下がると云うようなことはなかったです。
年齢を重ねて行く中で身体も変わってゆくので、何時でも自分のベストを尽くす、戦っているような感じでした。
30歳過ぎると体力の事も感じてくるが、不思議と持ち直したりしています。
バレエ団の中でもケアしてくれる人たちがいたので、アドバイスしてくれたりして助かりました。
自分の身体も判って来るので、もっとコントロールが効いてくるので、身体の使い方をいろいろ工夫します。
クラシックバレエの型が大好きで、稽古自体が素晴らしい。
研究して訓練して理想の処に近づいてくるとうれしい、そうすると又追求することが出てきて終わりが無いです。

バレエはどなたにも通じる言語だと思います。
生のオーケストラが入って、大衣装さんとか、裏方さんにしても、総合芸術だと思います。
ロイヤルバレエ団の衣装チュチュはしっかり作られて居るので、重いし固いし、本当に大変です。
体幹がしっかりしていないと駄目です、ダンサー泣かせです。
あの衣装だからあの美しさが出るのだと思います。
エレガントに生きるとい事はあこがれるが、そういう生き方をされている人は沢山いたのでそうありたいと云う感じにあこがれて居ます。
あちらでは物ではない何か与えてくれる、全てを教えてくれると云う生活でしたので、お返ししていかなくてはいけないと云う気持ちがあり、次の世代に伝えていきたいと云う気持ちはあります。