2016年2月18日木曜日

田中徹二(日本点字図書館理事長) ・みんなに役立つ音声図書

田中徹二(日本点字図書館理事長)   ・みんなに役立つ音声図書
81歳 19歳の時の失明した田中さんは57歳の時、東京高田馬場にある日本点字図書館の創設者本間一夫さんに乞われて2代目館長に就任、現在は理事長をしています。
田中さんはパソコンを使ってデジタル図書の作成とそのネットワークを充実させただけでなく、駅ホームの転落防止柵の設置にも尽力、道路の点字ブロックの在り方にも携わる等、視覚障害者だけでなく誰もが暮らす社会に力を注いでいます。

1991年4月からこの図書館に来ました。
点字もやっとパソコンで打てるようにようやくなった時代です。
録音にくらべるとはるかに少ないデータ量ですので早くなじみました。
1988年にパソコン点訳が正式に始まり普及していきました。
来て最初にしたのは女性団体からお金をもらってパソコンを購入して、点訳ボランティアの方に渡して点訳してもらいました。
音声に使えるようになったのは2000年に入ってからです。
世界統一のソフトになりました。(DAISY Digital Accessible Information System)
目が見えている方が本を読んでいる同じ感覚で、録音した本を読むことが出来ます。
パソコンの性能が上がったので、パソコンで作れるようになりました。
インターネットも発達してきたので、インターネットの中に図書館を作って、自分で本を探してダウンロードして、自分の機械で聞くという事が出来るようになりました。

パソコンを使える視覚障害者は少ない、この図書館登録者が1万3000人いますが自分で出来るのは1/3です。
視覚障害者が高齢化したり、高齢になって視覚障害になった人も多いので、パソコン利用していなかったりする。
電子図書、画面で見るが 音のものも出てきています。(オーディオブック)
特別な機械なので普通に人には使えないし、視覚障害登録をしなければいけない。
目が見えるが学習障害、発達障害の人にも貸すことはできるようになっています。
学習障害→文字だけでは理解できず文章を読んでもらったら理解できる。
マルチDAISY図書 テキストと音声が一緒になっているもの、画面で文字を見ながら音声で聞くもので学習障害には良い。
サピエ図書館 月刊誌、週刊誌もあがる。(5日あとぐらいには出来る)
在宅でボランティアの方が自分が決められたコーナーだけを読んで、それを編集する人のところに音声で送ってしまって編集者は本を見ながら順番どうりに並べていって週刊誌を作るわけです。
盲人にとって今は本当に情報を取るのに、昔に比べて桁違いになりました。
ボランティアの人の力が大きい。

うちの図書館はカセットテープの貸し出しは止めてしまっていますが、地方の図書館ではDAISYをカセットにコピーしてカセットを貸し出している所がまだ沢山あります。
同行援助で外へ出る人が多くなってきました。
1981年国際障害者年を境に障害者が積極的に外に出るようになりましたが、視覚障害者が外に出る事はきつかったです。
ホームから落ちたり、危なかった人はほとんどのひとが経験していて、私が調べたときにもホームから落ちた人は半数近く経験を持っている。
今はホーム柵があるからどんどん歩けます。
点字ブロックもいろいろあったが、視覚障害者を集めて実験をして一番判り易いブロックの形はどうかと見つけだしていまの規格が決まっています。
外国で点字ブロックがあるのは珍しいです。
点字はフランス人が考えて、世界で使われるようになってから日本に来ました。
フランスが点字を公式に認めてから日本で使えるようになるまでに40~50年掛かっています。
石川倉次が日本語の点字を考案して正式に認めた日 11月1日が点字制定記念日

録音図書が普及したのは日本が一番早かったのかもしれない。
テキストDAISY パソコンで一般のひとがだれでも見れるという事になると、著作権が侵害されることにもなるので、テキストDAISYでは保護されている。
インターネットを利用する方法などは日本ははるかに進んでいます。
ドイツでは録音については全部著作者に許可を貰っている。
世界の著作権の協会があり、マラケシュ条約を作って世界の国が批准すればいいと決めたが、盲人用の本を作るのに録音も著作者の許可を得ないでもどんどん作れるようにしようということが決まっていて、日本にも条約を批准するようにとの事ですが、日本では殆どクリアーしている。
手が不自由で本を持って読めないとかの人も対象にしようとなっていてそこが日本では対象になっていないだけだと思います。
マルチメディアDAISYを作ることは大変です、ボランティアがやっていますが。
教科書等もボランティアで作っているがそれでいいのかなあと思います。
点字の盲学校の教科書は文部科学省が作っているが、それ以外の一般の学校に通う目の見えない生徒にはボランティアが作っているが、それでいいのかなあと思います。