2020年7月23日木曜日

篠原ともえ(デザイナー・アーティスト)  ・【私のアート交遊録】

篠原ともえ(デザイナー・アーティスト)  ・【私のアート交遊録】
1990年代後半に個性的なファッションとキャラクターでシノラーブームを巻き起こした篠原さん、最近では衣装デザイナーとしても活躍、子供のころからモノクロのスケッチやデッサンを描いていたという篠原さんは2018年にははじめての原画展を開いています。
プライベートでは様々な芸術に触れるために美術館にも頻繁に足を運ぶといいます。
アート作品を見るときには楽しむ気持ちがある一方で自分ならこうするというジェラシーが湧き上がってくるとの事。
美術館は来るたびに進むべき道を教えてくれる大事な場所、そして芸能もデッサンの仕事も全てが自分の表現方法で将来デッサンと社会をつなげられるようなアーティストを目指すという篠原さんにアートにかける思いを伺いました。

コロナで自宅待機の時には大きいスケッチブックに鉛筆で細かい絵を描いていて、細かい絵からイメージを膨らませて衣装を作っていたりして、もっぱら創作の時間にあてています。
幼少時代に先生が学校のテストで早く終わったら裏に絵を描いていいよということで、私は絵が描きたくてテストが終わる前に絵を描いたりしていました、
着たい衣装なども描いていました。
中学になったら洋服を分解して洋服のパターンを描いて作ったりしました。
母は洋裁が好きで洋服を作っていたりしました。
生地屋さんに連れて行ってくれて選んだものをベットカバーにしてくれたりしました。
母親のデニムのパンツを切ってポーチを作っては母の日にあげたことがあり褒めて貰ったことがありました。
編み物は当時苦手で途中でやめたときにすごく怒られたこともありました。

芸能界デビューは16歳でしたが、歌って踊れるデザイナーになりたいと思っていました。
高校もデザイン学科がある学校でした。
東京都立八王子工業高等学校(現・東京都立八王子桑志高等学校)・応用デザイン科でした。
その時にデビューしました。
学校の課題で描いた絵をそのまま服にしてTVに出たりしました。
両方をよく頑張ったと思います。
夢を叶えることは大変だけど泣いてもいいんだよと言ってくれた家族がいてくれたことは心強かったです。
アートを見るのが大好きでよく海外にも見に行ったりもしてきました。
美術館に行くことが、こういう人生を歩んだ人
がいるんだとか、観ることが旅に近いというかそういういう感覚があり、いい作品を観ると悔しいと思う時もあります。
私はどうしてこれができないんだろうとか、やらなくちゃいけないなんて本当に思いながら感情がゆすぶられます。

昨年モロッコに行ってイヴ・サン=ローランミュージアム、ファッションデザイナーのイヴ・サン=ローランの美術館がありますが、スケッチの絵が素敵でそれに感動してしまいました。
スケッチの絵が素敵で感動しました。
モンドリアンという人は絵をきちゃうような提案をしたりして、実際に観たらこういう構成でつくっているとか、素材はウールだったんだとか、そういったものも観ます。
ファッションデザイナーは絵を立体にする作業なんだなと思いました。
写真も好きで写真美術館が恵比寿にあって、主人と一緒に行ったりしています。
自分でもいつか作品展をやりたいなあという夢があり、7月に自分の絵を洋服に展開させた写真展を開催しました。
7月1日がデビューの25周年なので。
いろいろ大変ではありましたが。

私のおばあちゃんは着物のお針子さんでした。
東京都の青ヶ島で人口も200人に満たないようなところで、そこでおばあちゃんは着物を自分で作ってきて、作ったものをあげたりしていました。
作ったものを私がもらい受けて洗い張りしようと思って糸をほどいたときに丁寧に作ってあって、愛情がこもっていたのを感じました。
裏地にもとっても素敵な生地を使っていました。
ものつくりの手紙を時間を越えて受け取ったような感じがして凄く感動しました。
私はそこを目指しているのかもしれません。

作ることにいつも夢中になっているし、それを喜んでくれる人がいるので頑張っている姿を届けてゆくと、そういう職業を選んだことはよかったと思います。
好きなことを続けていきたいと思います。
これまではファッションだったりデザインだったりでしたが、これからはパッケージとか本格的なデザインの勉強もしていきたいと思っています。
昨年結婚した旦那さんがアートディレクターの仕事をしていて、パッケージとかやっているのを見てかっこいいなあと影響を受けているというのもあります。
勧めの一点となると難しいが、イヴ・サン=ローランですかね。
画集を買って暇さえあれば見ています。
天文、星も好きです。
気持ちを落ち着かせるときにふっと見るとまたたきが大丈夫だよ、頑張ってよと言っているような気がします。
星を見たときに一個一個小さな輝きだけれども、実は色があったり名前があったり個性があるということが素敵だと思います。