2016年11月4日金曜日

ジョン・ゴントナー(日本酒伝道師)  ・我が人生は日本酒とともに

ジョン・ゴントナー(日本酒伝道師)     ・我が人生は日本酒とともに
アメリカオハイオ州生まれ 54歳、エンジニアとして働いていたゴントナーさんは、日本の公立学校に英語教師を派遣するプログラムに応募し、1988年初めて来日しました。
1989年の正月 同僚の教師の自宅に招かれ、日本酒の豊かな個性を知りました。
以来、多くの日本酒を飲み比べ、各地の酒蔵を訪ねては酒作りも体験しました。
こうした体験をもとに、新聞に日本酒に関するコラムの執筆を開始、日本酒ジャーナリストとして活動を始めました。
又、在日外国人向けに日本酒に関するセミナーを開いたり日本酒の輸出を手掛けるなど、日本酒の魅力を発信する仕事を続けています。
日本酒伝道師はジョンさん自身が好きな肩書です。
ジョンさんが日本酒に賭けてきた人生とは何か、伺います。

ジャーナリストとかの肩書もありますが、日本酒の良さを世界へ伝えると言う仕事の内容なので日本酒伝道師の言葉はいいと思っています。
日本酒の世界を深めて30年近くになります。
日本酒の奥深さがあると思います、日本酒の味、香り、作り方、歴史、文化、奥深いと思います。
アメリカオハイオ州クリーブランド生まれ。
子供時代は普通でした、カトリックの学校で学びました。
大学は理科系、シンシナティー大学で電子工学を勉強しました。
卒業後、特殊なラジオ回路の設計をしました。
寿司屋があって日本酒を飲みましたがお燗しか出さなかった、特に美味しいとかは思わなかった。
1988年にJETと言うプログラムで、英語教師を派遣するプログラムに応募し、1988年初めて来日しました。
経験が浅かったので、努力もしました。
1989年の正月 神奈川県の横浜市の高校の先生の同僚の教師の自宅に招かれました。
日本酒の好きな人で種類の違う日本酒を5本持ってきて、熱燗ではなくて、飲み比べをしました。
飲むと味が変わってゆき非常に面白いと思いました。
これで私の人生が変わりました。

これほど面白い酒は無いと思いましたが、これで仕事をしようなんて思ってもいませんでした。
良い日本酒を置いてある店に行って、資料を探して、質問などもしたりメモを取ったりしました。
日本語、英語で、銘柄、飲んだ時の味の感想、勉強できた情報が書いてある。
家には10冊以上あります。
1993年 イギリスのフィリップ・ハーパーさんと出会う。
京都の杜氏として作っている。
新聞の記事を読んで面白いと思って、蔵に手紙をだして酒作りの体験をしてみないかと誘ってもらった。
3日間体験しました、精米からこうじ作りから全部の工程を体験しました。
1994年 一旦アメリカに帰国しようと思ったが、花見のパーティーに行って、英字新聞のアメリカの記者と飲む機会が有り、安かった酒だったのでいいですといったが、そのあと記事を書いてほしいと言われた。
月2回、連載を書いてほしいと言われた。
その後8年に渡ってコラムを書く事になりました。
試飲会、蔵元に行って勉強、先輩から教えてもらう、等で勉強をしました。
日本語の記事も1年間、週1回書きました。

海外の人にもっと日本酒を判り易くするための質問したり、勉強したりしていたが、日本酒の作り方の微妙な色々なこともコラムで伝えました。
200軒以上の蔵元を訪ねました。
特に印象が残ったのは灘のよく知られている銘柄ですが、感動しました。
もともと見学できないところで、昔の作り方に拘っていて、米を蒸すのに一般的にはステンレスを使っていますが、そこでは奈良県の木材に拘っていて、こうじの部屋は温める必要が有り、色々方法があるが電気など使わず、米そのものの熱を上手く生かして温度コントロールをやっている。
かなり大きい会社なのに昔からの手間のかかる自然のこうぼの作り方をしていて非常に面白いこだわりだと感動しました。
説明を聞きながら試飲すると更に美味しく飲めます。
日本酒の良さを世界に伝えたいが、これは凄いと思ってくれないと難しい。
吟醸酒 技術的には一番高級(市場の13%)だが、その下のグレードでも美味しいお酒は結構あります。
純米酒 と書かれていないとちょっとだけ蒸留したアルコールが入っているが、その中にもおいしいお酒がいっぱいあると思う。(市場の65%ぐらい)
高級な酒、本醸造、吟醸、大吟醸、純米という単語が付けてない酒にもちょっとだけ蒸留したアルコールが入っているがいいことだと思います、優れた技術だと思います。(香り、味が余計に出てくるし、劣化に対しても強くなる。)
結局は味わいです。

飲みすぎないようには気を付けています、週2日休肝日(守れない時もあるが)、運動もしています。
試飲は飲みこまない。
日本酒のマーケティングは上手ではないと思うのと、全体的に業界が協力した方がいいのではないか。(昔と事情が違ってきているので)
輸出 日本酒の教育、情報供給など 努力していきたいと思います。
ワインよりもまだまだ市場が少なくて、市場の0.5%程度なので日本酒の認識度が低いが段々上がって来ているし、アメリカへの輸出はこの20年で毎年10%上がってきています。
日本にいる外国人に日本酒のセミナーをやっています。
30分~1時間セミナーをやったあと日本酒を飲んでもらったりしている。
日本酒を飲んで感動させたいし、どこで買えるかとかの資料も配布しています。
日本食以外の店でも日本酒が飲めないと限界があると思うが、段々出てくるようになった。
ワインのプロ、ソムリエとかが、この10年で日本酒が凄いなと思ってくれるようになってお客さんに勧める様になってきた。
アメリカでは卸問屋が力を持っていて、日本酒の専門家を雇ったりして管理など上手くやっています。
軽い感じで日本に来たが、日本酒がなかなか帰らせない、私の仕事に向いています。
日本酒の道に選ばれているという感じです。
日本酒は日本で消費されているアルコールの7%以下です、10%ぐらいに戻ってほしいと思います、微力ですが同じ道で頑張っていきたいと思います。