2016年11月11日金曜日

キャロル・サック(リラ・プレカリア) ・好きなハープで、心に寄り添う

キャロル・サック(リラ・プレカリア プログラム・ディレクター) ・好きなハープで、心に寄り添う
リラ・プレカリアは ラテン語で「祈りの竪琴」を意味しています。
1950年昭和25年 アメリカ、ミネソタ州で教会の牧師の子として生まれました。
大学在学中、1971年静岡、広島、岡山、名古屋などを3カ月間旅をして、すっかり日本が好きになりました。
その後30年以上日本に住んで、現在アイリッシュハープで心と体を癒す活動をしています。
キャロル・サックさんがこの祈りの竪琴を始めたきっかけは娘が病気の時に、祈られていることに大きく慰められた経験からでした。 
2003年から週1回東京山谷の希望の家で行き場もなく余命宣告を受けた人に、アイリッシュハープをかなでながら声をかけています。
この活動で大事なことは人間の声がその人に届く事ですと、おっしゃいます。

アイリッシュハープ 34弦 大体身長と同じぐらい。
音の幅も高い音、低い音は人間の声の幅に似ています。
日本の仏教のリンに似ている様で、ずーっと音が続き、心が落ち着いて来る気がします。
リラ・プレカリア  プレカリアはラテン語で祈り リラは竪琴を意味します。 「祈りの竪琴」
小さいころ 3歳の頃からハープにあこがれましたが、触ったこともなかったです。
ギター、ピアノなどを弾いていました。
40歳になった時に友達がハープを始めたと聞いて、夢がよみがえって来て、アイリッシュハープの事を知り、購入しました。
人の前ではドキドキして弾けなかった。
娘が病気になり、治らない脳神経系の病気と判断されて鬱病になってしまいました。
その時に友達に祈りをいただき、自分の人生の大きな励みになりました。
娘にも希望がわいて、元気にやっていることは祈りのおかげだと思います。

祈りをハープで表現できたら、どんなに素晴らしいことだろうと思いました。
モンタナ州に音楽死生学という分野があることを知りました、それはハープと歌声で患者さんのベッド脇で生きた祈りの様な活動です。
1対1で、患者さんの直ぐ傍で40~60分続けて、シンプルなメロディーを繰り返して、弾いて歌って、時には沈黙もいれて続けます、そういう活動です。
今の歌はグレゴリオ聖歌の一つで、修道院で1500年も続いてきた祈りの歌として歌われてきた音楽です。
他にも色々歌っています。(患者さんには判らない言葉で歌います)
私達は患者さんの歴史は判らない、過去に導くのではなく、将来に援助したい、知っている音楽よりも、知らない音楽の方がボーっとするかもしれないし、想像もできるかもしれない。

1950年昭和25年 アメリカ、ミネソタ州で教会の牧師の子として生まれました。
大学生の時に、6人のグループで旅をしようと、1971年日本に来ました。
日本の人に交わって素直な態度、優しさ、おもてなし、とにかく好きになってしまいました。
日本福音ルーテル社団で日本人に音楽死声学を教えませんかという事で、研修講座をやっています。
2003年から東京山谷の希望の家で、心と体を癒す、ボランティア活動もやっています。
ハープを通して祈りの慰めがある様にしています。
色んな人生を送った方に出会って私は本当に感謝しています。
希望の家はホームレスの人の為のホスピスです。
人間の人生は宝物、いらない人間はいない、みんな大事です。
言葉は使わない、音楽と沈黙に任せるのが主なものです。
私は判らない、判るのは本人の心だけ、神様と本人との間だけです。

呼吸を観察することは大事で呼吸を見ながら奏でます。
呼吸のペースに合わせて奏でます。(患者さんが指揮者です)
吸うときは緊張、吐くときはリラックスするので、リラックスする時に合わせようとします。
ヘブライ語、ギリシャ語の両方にスピリット 霊 を示す言葉があり、他に息、もしくは呼吸、風も意味します。
ヘブライ語 で「ルアフ רוח」  ギリシャ語 プネウマ πνευμα」
私たちは心に寄り添いたいが魂は目で見えない、呼吸は見えるので、目で見えるものを通して、魂に寄り添うという、希望です。
おおいなる何かの存在は、愛して下さる存在は素晴らしいと思う。
全ての人がその存在の子供です。
生きている人と共に、これから死に行く人、私の考えかもしれないが、死は終わりではない、死に行く方の傍らで音楽を分かち合う事を許されていることは本当に光栄に思えます。

山田洋次監督に依頼されて、吉永小百合さん主演の「弟」で祈りのハープを演奏して出演しました。
希望の家 山本雅基さんは施設の創設者ですが、山本さんが希望の家をモデルにするならばパストラール・ハープ(Pastoral Harp)のシーンもいれてほしいと話したそうです。
吉永小百合さんの長崎での原爆の詩の朗読の音楽も担当する事になりました。
人生の中で大きなサプライズでした。
東日本大震災の被災地を訪ねて祈りの竪琴を弾いています。
釜石市、小学校、中学校津波で破懐されてしまって、体育館で授業をやっていて、そこでパストラール・ハープ(Pastoral Harp)を弾きませんかと誘われていって、弾いて歌っていました。
アメリカからショールを送ってくれました。
ショールをもらう人の為に祈りますが、知らない教会のところから祈りのショールがどんどん届きました。(メッセージが付いていました)
ショールを考えながら編んでます、貴方はがっかりした時、絶望した時、かなしくなる時にこのショールをかけてください、貴方が愛されている貴方が大事であることを思い出してください、という様なメッセージです。
「I、YOU、 WE 」 というタイトルの曲を作りました。
人間は色々文化、歴史など表面的な違いがあるが、我々は友達です、私達はみんな同じ人間というファミリーの仲間です。