1973年12月15日生 札幌市出身
絶滅に瀕するアホウドリを守るため山階研究所が5年計画で進めてきたアホウドリの移住作戦が今年仕上げの年を迎えます
伊豆諸島の鳥島で生まれたアホウドリの雛を小笠原諸島の無人島、聟島に運んでかつての繁殖地を復活させようと言う取り組みです
向島ではこれまでの4年間で55羽の雛が育ち今年も5月下旬に新たな雛が巣立ちます
雛が巣立つのが5月20日頃 翼を広げると2m以上になる 体重は4kg~5kg 上空は数m~20m程度の高さを飛ぶ 信天翁(あほう)
1949年は1羽も確認出来ない時があった
鳥島で気象庁の方が発見して(十数羽)保護を始める
その後東邦大学の長谷川先生が一緒になって保護を始める
当時全世界でも50数羽しかいないと言う時期がありました
今は2500羽 500つがいぐらいは生息している
少なくとも100年ぐらい前は数百万羽いると言われていた
1800年後半から1900年前半にかけて アホウドリの羽根は凄く綺麗な羽根を持っており
羽毛が高価で取引されることから乱獲されまして、それによってアホウドリが急激に少なくなってしまったと言う悲しい歴史があります
山階研究所が本格的に保護活動に乗り出したのは1992年からです
当初 伊豆の鳥島繁殖場所が崩れやすい場所に有ったので 崖の場所がもう少し安定する場所に変えるような取り組みをした(鳥の人形の設置 声をスピーカーで聞かせる)
最初の10年間はあまり増えなかったが2004年から増えてきて安定した場所で繁殖するようになりました
繁殖場所を2km~3km移動させた 1つがいで1年に1個の卵を産む
ほかの鳥は数が多いが 繁殖するには5年必要 30年以上は繁殖する(寿命が長い)
ベーリング海からハワイ 日本近海からアメリカ西海岸まで 活動範囲
2008年から雛鳥を小笠原諸島の聟島に移住させる計画をして開始した
伊豆の鳥島はいつ噴火してもおかしくない火山島なので 実際100年間に3回起きている
もし大きな噴火が起きてしまったら大きな被害が想定されるためにこの様な計画をした
アホウドリは元々生れた処に帰ってくると言う性質がありますので、幼い雛の内に移せばそこに帰ってくるだろうと私達は考えまして、生れて1カ月ぐらいの雛を捕まえまして、移動させてその後4か月ぐらい飼育して巣立ちまで飼育すると言う活動を行っています
産卵は11月に行なわれる
孵化は年明けすぐ 1カ月すると両親が餌を獲りに行くのでその時を見計らって雛を運び出す 餌は魚、オキアミ等 アホウドリは水に潜れないので水面で獲る
死んだ魚とか鯨とかイルカとかが追い上げた魚を場所を選んで獲っているのではないかとも言われている
胃袋の中に貯めた餌をもどして雛に与える
ヘリコプターを使って移動させる 今年は2月11日に実施した
1回のえさを500gぐらい与えている 1日1回与える
父島からゆく 60kmぐらいの距離
雛を毛布で抱えて両手でくちばしを広げて もう一人が餌を与える
餌を強制的に与えないとアホウドリは食べてくれない 30人ぐらいが係わってる
キャンプ生活 テントでの生活 4か月続けている
朝5時から餌の準備をして15羽の雛に与えるのに昼頃までかかる(食器を洗い終えるまで) アホウドリは雑菌に弱いので直ぐ死んでしまうので 餌の管理、器具の洗浄にも気を使ってしまうので時間がかかってしまう
15羽のうちの1羽が原因が判らないが死んでしまって、後は元気に育ている 現在6kgになっている 泣きはしないが噛む力は強い 噛まれると非常に痛い
2月は結構寒い 雨も時々降るし、風も強い
鳥の性格もいろいろある
これまでに55羽 今年の雛が巣立てば70羽育てた事になる
去年 7羽の帰環確認した
本当に帰ってくるのか心配であったが帰って来てくれて本当に嬉しかった
繁殖は2つがいは出来ていて来年は繁殖する可能性がある
大学で動物の生態行動 博士課程にはいってから海鳥の研究をするようになった
海が小さい頃から好きだった
アザラシの研究ではどんなものを食べているのか うとう(善知鳥)では バリエーションが有りどうしてその様にバリエーションがあるのか 研究した
山岸哲所長から言われてアホウドリの研究をして見ないかと言われて始めた
人間が生かされている 環境の中で生かされている
海と言う環境の中でお互いは影響し合っている
プラスチックが浮いているので死んだ雛を解剖して見るとお腹に一杯プラスチックが発見されたこともある
最後の方は餌は与えない 雛が自分で巣立って行くのを見守ってゆく
これから10年間はモニタリングを地元の人と見守ってゆく
数年以内には繁殖は見られるように成るのではないかと思っている
この研究例を旨く伝えて他の国に参考にしてもらいたと思っている
ニュージーランドでは具体化しつつある