高井小織(片耳難聴団体「きこいろ」副代表)・知ってほしい!片耳難聴
左右の耳のうち、片側だけが聞こえない、聞こえにくい状態を片耳難聴と言います。 言語聴覚士の資格を持ち言語聴覚を研究し、言語聴覚士を育てる高井さん自身左の耳が全く聞こえません。 そんな当事者たちが4年前の2019年8月日本で初めての片耳難聴の当事者団体「きこいろ」を立ち上げました。 片耳難聴は外見からは判りにくいため、行き違いにより周囲から誤解を受けることがあるという事で、「きこいろ」では片耳難聴の特徴を知ってほしいと活動をしています。
ここは聴力の検査をする部屋で防音になっています。 補聴器を付けている方、人工内耳と言って頭蓋骨のなかに埋め込んで聞こえる学生とか、片耳が聞こえない学生もいます。 私が片耳が聞こえないと判ったのが、小学校に入る前の就学時検診の時です。 幼稚園の頃に何か月か病気で入院したことがありますが、状況証拠としてはそれがあるぐらいです。
大学を卒業して中学校の教員になりました。 固定制難聴学級があり、そこで国語の教員を長くやっていました。 中学生では段々自分のことを見つめ直すというか、人と比べたりして、聴覚障害は外見では判りにくいところがあり、言葉の力がいると思っていました。 言語聴覚士が国家資格になったという事もあって、教員になってからだいぶ経ってから取りました。(1999年) 片耳難聴のことを書いたり、記事にしてもらったりしました。 今事務局長をしている浅野さんが、関東の方の片耳難聴の研究者と出会って、関西にも高井という人が居るという事で、中心的なメンバーになって活動を始めました。
大学に入った時に両耳が聞こえない友達が出来ました。 講義の内容が伝わらないという事でした。 彼女の手助け(手話、書く)をするようになって、そこから聴覚、言葉とか私自身も勉強をするようになりました。 2019年8月日本で初めての片耳難聴の当事者団体「きこいろ」を立ち上げました。 専門用語では一側性難聴と言いますが、どちらかの耳は正常、25デシベルよりも聞こえにくかったら難聴となります。 両方の耳が聞こえないで身体者障害手帖を持っている人は日本で約40万人います。 ほぼ同じぐらい片耳難聴の方がいることは分かっています。 軽、中程度を合わせるとはるかに数は多いと思います。
原因はたくさんあります。 耳は耳たぶ、鼓膜、耳小骨、蝸牛などがあり機能が弱まって起きます。 大人になって突発性難聴で突然片耳が聞こえなくなるという事もあります。 おたふく風邪が原因でなることもあります。 軍隊でびんたを食らって鼓膜が破れたという事もあります。 大きさとしたら少し聞こえないという程度です。 周りがざわざわしている時(飲み会等)、どこから音が聞こえてくるのか方向が判らない時、などに不便さを感じます。 運転中に聞こえてくるサイレンはどちらから来るのか判らない。 聞こえる方で電話を取るので、電話中に呼び掛けられると判らない。
座席を変えて欲しいと思うがなかなか言いにくい場合もあるようです。 明るく自己開示することがいいと思います。(難しいところはあるが) 信頼できる人が居るという事は大事なことだと思います。 聞こえ方は色々ありますので「きこいろ」という団体名にしています。 社会の人にもっと知ってもらおうという事で、「きこいろ」のホーームページは非常に充実してます。 ダウンロードもできます。 対処法としては、聞こえる耳の方から話しかける。 にぎやかな場所では近くではっきりと話す。 人の多い場所では手を上げて話しかける。(大勢だと誰が話をしているのか判らない。) 声掛けに気づかない時には肩を叩く。 声掛けに気づかなくても無視しているわけではないことを理解する。 子どもが片耳難聴の場合は、「聞こえ」に対してオープンな家族関係でいて欲しい。
「きこいろ」の会員は全国で800人います。 共感できるだけでも気持ちが楽になります。 小学生の片耳難聴の子を4,5人で音声会議システム(ズーム)を使って、行いました。 会議終了後スッキリしたとか、いろいろ感想をもらい嬉しかったです。 毎回テーマを決めて1か月に一度以上やっています。 子どもたち向けのアニメを6本作ろうと思っています。(片耳難聴に関する)