2016年12月26日月曜日

藤井美登利(「川越きもの散歩」代表理事)・着物でつむぐ、ひと・まち・暮らし

藤井美登利(NPO法人「川越きもの散歩」代表理事) ・着物でつむぐ、ひと・まち・暮らし
20代に頃イギリスの航空会社の客室乗務員をしていました。
イギリスは伝統を重んじる国で町並みは200年前とほぼ同じなのに、バブル期の日本はどんどん街並みが変わってゆく事に疑問を持っていました。
観光で訪れた川越の蔵造りを守る町にすっかり引き込まれ、25年前東京から家族で引っ越してきました。
この街で子育てが出来たらと、街のあちこちを尋ね歩いて、仲間も増え古老たちとも親しくなりました。
着物が好きだった藤井さんは繊維で栄えた川越の暮らしを伝えるタウン誌、小江戸物語の発行に携わるまで、溶け込んでいきました。

川越は観光客が600万人来るようになりました。
川越唐桟という木綿の着物、蔵作りの基になった。
江戸時代は絹織物が有名でした。
産業革命で木綿の糸が幕末に、日本に大量に安く入ってきました。
中嶋久平が横浜に絹を売りに行って、イギリスからの細い木綿の糸を見つけて、川越周辺の織物屋に織って貰って、江戸に出荷をしていました。
絹に見える様な布地です。
20代の頃イギリスの航空会社の客室乗務員をして、東京とイギリスを往復していました。
イギリスは町並みは200年前とほぼ同じなのに、日本はどんどん街並みが変わって来ました。
時の鐘の建物、蔵作り等川越の建物を拝見して、こんな建物が残っていることに吃驚しました。
直ぐに引っ越してきました。

住んでみると、氷川神社のお祭(350年続いてる)を中心に1年が回っているような感じです。
国の重要無形文化財にも指定されていて、ユネスコの無形文化遺産にも登録されることが決まったお祭りです。
お祭りの段取りがあり、子供からお年寄りまで関わって、お祭をするシステムが有り、身をもって体験しています。
公園デビューがお寺だったりします。(氷川神社、蓮馨寺、喜多院等)
お囃子も人が段々少なくなってきているので、子供が入ると歓迎していただいた経験もあります。
お祭は10月第三の土日の二日間ですが、1年間かけていろいろと準備しています。
お祭りには主人と子供が関わってやっています。
タウン誌を作るきっかけは、お祭の打ち上げの時の話だとか、町内新聞に関わることから始まりました。
川越織り物市場の明治43年の木造建物の保存運動にもかかわったのも、きっかけの一つです。
着物で街歩き、という様なこともやっています。(普段着の着物の似合う街)
夏は浴衣姿が多いです。

レンタル着物の店が5~6軒あって、外国の方が着ています。(台湾、中国、タイ等)
8のつく日に着物で来るといいことが有る、というキャンペーンをしています。
絹のゆかりの秩父神社、高麗神社、川越は織物の集積地、 絹文化を残していこうという事で埼玉文化研究会を立ち上げて、その御手伝いをしています。
国産の絹は1%を切っているという事です。
幼稚園、小学校でかいこを飼う、という様な活動も進めています。
大きな製糸工場も2軒になってしまっています。
埼玉着物散歩という本を出させてもらいました。
「絹と木綿の物語」 糸でつながる街作り、八高線沿線には絹ゆかりの街がたくさん残っているので共通の糸の繋がりで、一緒に次の世代に地域の記憶を伝えましょうと、フォーラムを開催しました。
横浜から輸出していたので、横浜の人にも参加していただいています。

サリー(インド)、チャイナドレス(中国)、なんで日本人は着物を着ないのといわれて、アジアの民族衣装としての視点という事を発見させていただいたので、学ばさせてもらいました。
8,18,28日が「川越着物の日」と決めてやっていて、8の付く日に着物で来て頂くといいことが有りますという事でやっています。
8日(蓮馨寺で着物市の様なもの)、18日(蓮馨寺で着物のお直し 着崩れのため) 28日(NPOがイベント 成田山別院で)