2011年10月6日木曜日

山崎泰広(福祉機器・会社社長)   ・車椅子は生活の場

山崎泰広(福祉機器・会社社長)                   車椅子は生活の場  
シーティング シートさせる (seating) 身体をちゃんとするように作られている
多い時は20時間使う  今は一日中座っていても疲れないものが必要になってきた
元々は患者運搬用の道具 →自分で移動するための道具→ 車椅子使用者の生活の場
車椅子生活 32年になる
床ずれに悩む 飛行機に乗って日本に帰るときに床ずれになる
セミナーを日本各地で開いている 
シーティングが日本ではまだ広がっていない
車椅子の上で姿勢が悪いとそこで様々な問題が起きる 
片側に傾いていれば麻痺のある方だったら低い側の床ずれが起きる

ずっと傾いていれば背骨が曲がって、側湾という状態になってしまったり ズッコケた状態ですわっていると、背中が丸くなった状態になったり尾低骨が床ずれを起こす
シーティングを勉強に行くと健常者と障害者は違う事をまず理解して欲しいと言われる 
健常者は自宅ではあまり良い姿勢をとっていない  
特にリラックスしている時に悪い姿勢をとっている 
ところがちょっとでも違和感があれば無意識のうちに姿勢を変えている
だから悪い姿勢が身体に悪い影響を与えていない 
処が障害があると傾いていたら、下手をしたら半日同じ姿勢だとか一日だという事になると
身体に変形が生じたり、床ずれが生じたり、股関節が脱臼してしまう事がある

良い姿勢 ほとんどの部分が中立な姿勢 足も真ん中にある 
骨盤が後ろに倒れたり前に傾いたり横に傾いたりしない 
骨盤のうえに肩と頭があれば一番いい
シーティングでは骨盤を後ろから背もたれやずり落ちないようなクッション、横に倒れないようなサポートとか失われた筋肉、弱くなった筋肉の代わりのものを使えば、障害がある方でもいい姿勢が取れる そういう考え方です  
1982年に最初床ずれが出来て入院して直って、1986年に再発 1987年に手術 
その年にもう一回手術 1988年に4回手術をして 1989年に又手術する
骨盤が傾いていたら左のお尻の方に多く体重が掛る そこが床ずれになる 
骨盤を直さないと又同じ方が床ずれを起こす

一度床ずれを起こすとなり易くなる 
アメリカの手術は違うのではないかと藁をもつかむ思いでアメリカに行ったが手術は違わなかった
手術終了後車椅子を使用するようになって、シーティングスペシャリストと呼ばれる方が出てきて骨盤の傾きを直してくれた(当時日本ではなかった)
骨盤の傾きを直さないと手術しても何度でもなるよと、シーティングスペシャリストから言われる
日本に帰ってきて廻りの障害者の人達が毎年床ずれを起こしてしまっている 
話を聞いてみるとみんな諦めてしまっている
じゃあこの技術を日本に広めようと思った
基本はいい姿勢にしてやる 
快適で長時間とってても疲れないようにいろんなシーティングの機器を使ってサポートしてあげる
(ちっちゃな背もたれとクッションだけでいい)

障害を負っていろいろな機能が失われるが、残存機能があるが、姿勢が悪い為に残存機能が十分に発揮されない人が一杯いる
姿勢を正すことによって機能性を向上させる
健常者の椅子に近づく事 がいい 
(車椅子の背もたれは布で作ってありこれは畳む為のもので機能重視)
セミナーをし始めてから18年になる 随分知られる様になって喜んでもらえる
二次障害 障害に遭って後から出てくる障害 私の場合脊髄損傷になって4年目に床ずれを起こす 
側盤とか身体の曲がる状態が起きた
硬縮、脱臼、呼吸が難しくなったり いろんな問題がある→いい姿勢をとると二次障害は解消できる 
寝ている事はいい事ではなく悪い事 廃遊症候群というのがあって 仰向けで寝るとせん骨と呼ばれる骨盤の骨 肩甲骨、踵、肘、後頭部、胸骨とか骨ばった部分、が当たると床ずれを起こす横になっても同様 座った時は坐骨 尾骨 しか当たらない シーティングで正しい姿勢を作ってやると尾骨は浮くので坐骨だけ支えることになる  
寝ている事は悪い事 ベットにお金をかける 
車椅子は最低限の機能があればいいと考えてしまうが間違い
姿勢の悪い方は力を抜いてくださいと云うと頭が前に倒れてしまう 
高齢者の施設に行くと、下を向いたかただとか、上を向いた方が多い

高齢者の方のシーティングをする時も障害者のかたにも、無理なく何時も正面が見えるようにするという姿勢を作る
そうすると目から情報が入って来て脳を刺激するのでいい
健常者の人は立っていることが多い 
足の長さが違うと骨盤が傾いたりして整体に行ったりとか靴底に入れてバランスをとったりする
車椅子の方だと座っているので、骨盤が傾いていると姿勢が悪くなる 
だからシーティングで骨盤をもどしてやる

国際シーティングシンポジュームが毎年あるが 今年は31カ国から1700人ぐらいの人達が来たが、そこで一番大切だよとどのセミナーにいっても言われるのは骨盤だ
骨盤は人間の土台なので 土台である骨盤をまず直す事で姿勢を直す 
元々リハビリは機能回復のものなのですが、アメリカではリハビリで何をしたいですかと最初に聞かれた 
私は高校に復学して勉強して大学に行きたい、スポーツもしたい、と言ったらそれに全部向かってリハビリをする 自分の目標に向かっているから楽しい 
何か判らなくて重りを挙げているのであったら辛い  
日本に帰って来た時に機能リハビリが中心だった 
日本はバリアーフリーが悪かったのでかなり無理してでも歩かないと自立できない、社会復帰できないという処があった
最近は事情がよくなったので車椅子でも移動できる 
そうなると個人の目的を達成するための個別リハビリをやって五体満足の人に近づくだけでななくて、社会の中で成功する事を目的とするアメリカの考え方 それが素晴らしいと思う