2026年3月7日土曜日

藤井俊博(大阪公立大学准教授)      ・超高エネルギー“アマテラス粒子”発見

藤井俊博(大阪公立大学准教授)   ・超高エネルギー“アマテラス粒子”発見 ~第42回大阪科学賞受賞

私たちは常に宇宙から降り注いている粒子を浴びているそうです。 この粒子宇宙線と呼ばれるもので、目に見えず、日々の生活に影響を及ぼすものではありません。  ところが計算上わずか1グラムで地球が破壊されるほどの巨大なエネルギーを持つ宇宙線が発見されました。  アマテラス粒子と名付けられた、宇宙線の発見者が藤井俊博さんです。 藤井さんが発見したレベルの超高エネルギーの宇宙線が確認されるのは、非常にまれでこの功績が評価され、2年前第42回大阪科学賞が送られました。 アマテラス粒子の発見からどんなことがわかるのか伺います。

宇宙線と言うのは、非常にエネルギーの高い粒子になります。  それが宇宙からやってきています。  1秒間に手のひらの面積に1粒子通過しています。  これは宇宙線の検出機(12cm角で厚みが3cmの黒いボックス 4つの側面に光るランプが設定されている。)になってます。 宇宙線が通るとそれに同期して光ると言うことになってます。 今は不定期にブルーのランプが光ってます。 2つのボックスが30cm間隔で置かれている。  ニ個重ねると時々白く光ります。  白く光る時は上と下両方とも宇宙線が通過した時になります。  

エネルギーが小さいと上だけで止まってしまうものはあります。  いろんなエネルギーのいろんな速度の宇宙線がやってきてます。  実際の検出器はこれよりももっと大きいものになってます。エネルギーの高い宇宙線はどこから来てるかと言うのはわかっていません。 エネルギーの低いものは、我々の銀河の星の爆発であったりするところから、生み出されて我々の地球にまで届いてきます。 

アマテラス粒子のエネルギーは、2.44 × 10の20乗電子ボルト 244エクサ電子ボルトと言うふうに表現されることもあります。アマテラス粒子は記録としては2番目になります。 1番目は1991年に発見された粒子がありますが、それは320エクサ電子ボルトになります。 オーマイゴッド粒子と名付けられています。アマテラス粒子のエネルギーは、粒子1つで、40ワットの電球をおよそ1秒間点灯できるエネルギーになっています。  計算上1グラム集まれば、地球が破壊されるほどの大きなエネルギーになります。 16年間観測し続けて1度だけ捉えました。「アマテラスまだ観ぬ宇宙(そら)の道標」と言う句をつくりました。大阪科学省を受賞できて、本当にうれしいです。グループ全体の成果として、皆さんに知っていただけたらなと思います。

小さい頃から星を見るのが好きでした。 高校3年生の時に小柴 昌俊さんのノーベル物理学賞の受賞のニュースに触れました。 宇宙のことを少しでも明らかにできればと言うことを思いました。 私が所属しているテレスコープアレイ実験と言う装置は、アメリカユタ州の荒野に設置されています。 大阪市立大学、東京大学、アメリカのシカゴ大学、京都大学でも研究を続けました。 テレスコープアレイ実験は、世界中9カ国、150名の研究者と一緒に研究を続けています。  非常に高いエネルギーの宇宙線は、大気とぶつかると大量の粒子を生成して地上に到来します。  空気シャワーと呼ばれるこの現象を地上から観測しています。  琵琶湖ほどのエリア約700平方キロメートル、見た目はベッドのような検出機を1.2キロ間隔で507台並べて24時間365日実施してます。 メンテナンスも大変です。 

アマテラス粒子を発見した時はパソコンを使って現地のデータを確認してました。(京都大学の宇宙線研究室に所属してた時) 非常に大きな数字があると言うことが見つかりました。 詳しく調べていったところ、本当にエネルギーの高い粒子が来ていると言うことが明らかになりました。  約50平方キロメートルにほぼ同時にたくさんの粒子が降り続いていると言う事はわかりました。 検出自体は2021年の5月でした。  論文として公表されるまでに約2年半かかりました。 エネルギー自身は細分化されて、もともとのエネルギーがバラバラになったものが、地上に到来すると言うようなイメージになります。 

宇宙のどこかに天然の加速器が存在していて、そこから粒子がやってきてるということがまずわかります。 どこから来たのかと言うのは明らかになっていません。今後たくさんのデータを集めて、どのようにして極めて高い宇宙線を加速さるのか、その発生源を特定するということが期待できます。  生命の起源、銀河の宇宙の様子を解明する手がかりになるかもしれません。  観測データを増やすために、今の4倍の面積にしようとしています。(3000平方キロメートル)  私たちがどの方向から来ていると言う手がかりをつかめると、地上にある多くの望遠鏡と連携して、そこに何があるかと言うことを調べると言う流れになります。  世界中とつながっていて、宇宙の謎にみんなで迫ってるんだと言うのが非常に面白いなぁと思っています。