清水信子(料理研究家) ・私の考える「ひとり力」
NHKの今日の料理などで活躍していて、懐石料理から惣菜まで幅広く手掛けています。
和食の基本を判りやすく伝える指導に定評があり、TVラジオ雑誌や料理講習会などで指導をしています。
25年前にガンで夫を亡くして、今は一人暮らし、親戚や廻りの友が心配してくれますが、一度甘えるときりがないと、なるべく人に頼らず、生活する工夫をしています。
電車では足腰を鍛えるために譲られない様に人の前に立たない、大好きだった車の運転も事故で迷惑をかけたくないと 74歳で辞めました。
顔色が悪い時は周囲に気遣い頬紅でカバーしたり、ストレス発散は近くを歩いたり大好きな新聞を隅から隅まで読んでアンテナを広げたりと新しい事をいつも追求し自分を磨く努力をしていると言います。
信子(しんこ)と読む。 兄は甲平(きよし) 妹は誠子(さとこ) 下の妹は昌子(まさこ)と一番下だけは父は疲れたのか普通に読みます。
正月に向けての料理は、9月に決まってテキストを作るので、9月が勝負になります。
新しい料理は3回リハーサルしないといけない、細心の注意を払ってやっています。
1回目は本の通りに作って、2回目は自分の味に直して、3回目はその味が正しかったか、どうかを試して作ると料理上手になると言われています。
おせち料理 1万円から50万円代まであって豪華になっているが、昔は祝い魚、田作り 数の子 黒豆、関西では数の子が無くなってたたきごぼう その3種類で賄っていた。
新おせち料理(簡単)
黒豆 :煮てあるものを買ってくる。 熱を加えても溶けないチーズを買ってきて、黒豆と同じ大きさに四角に切って、その二つをワンタンのかど(?)をひねり状にして油に入れて揚げる。
田づくり :170℃弱の油で揚げる→紙の上に取る→3色の味を付ける(七味とうがらし、青海苔の粉、 カレー粉)
数の子 :練ってある酒粕に砂糖を入れて、そこに数の子をガーゼに包んで1週間から10日入れておくと塩が抜けておいしい。
母が体が弱くて、入院していたりして、私が母の手伝いをして、今日の私があるのはおせっかいだったからだと思います。
母が入院した時に叔母と祖母が見舞いに来てくれて幾晩か泊る必要があると思ってきたが、昼ご飯を私が作って出したら、吃驚してこれだけできるなら大丈夫と帰ってしまった。(小学校6年生)
浴衣などの洗い物などもあったが、干すのに裏の叔母さんが干してくれたりしたのが長く続いた。
母の指導のもとに食事、漬物などをやったりしていたが、母から教えてもらって高校生のころから友達と一緒に塾みたいなものをやってみたいと思った。
栽縫は苦手だった。
ご飯味、噌汁、おかず、箸の位置など 家庭で皆一緒に食べているから判ってくるが、そういった場面も無くなってきて最近は判らない人も多くなったのでは。
日本料理を作るときにはダシを取ってほしい。
昆布とカツオがあれば取れる。
自分でダシを引くというのが基本的な基本だと思う。
一緒に入れてダシを取るのが、最小のもので最大の効果。
3分~5分 コトコト煮て火を止めて3分~5分おいて昆布だけ抜き出して、しゃくしであけると綺麗に透き通った山吹色のが取れる。
そこにほんのひとつまみの塩を入れると濁ったりしない。(板前のコツらしい)
良質なたんぱく質とミネラルが取れる事になる。
出来合いのものと飲み比べてみるとすぐわかる。
いろんな料理の下味となる。
親が子供を育てる責任の第一の大事なことは、自分が自分のものを作って食べられる事だと思います。
おふくろの味と言うけれど、やっぱり心を残した食べ物を残していきたいと感じました
25年前にガンで夫を亡くしたが、もうあと何カ月なので好きなように旅行などしてくださいと言われたが、そのあと5年生きました。
私が51歳の時でした。
何とも言えない悲しさがずーっと続いてきました。
誰にも会いたくなくて妹家族の中に入る事さえ嫌だった。
友達が本を作ろうと言ってくれて、1冊出すことにして、本は命を削る様にして作るわけなのでそれである程度立ち直ることができて、悲しいことは色々あるが、悲しんでばかりしていても彼は喜ばないと思って、一人で生きる為にはどうしたらいいか考えて、この本が生まれてきた様な感じです。
「ひとり力を鍛える暮らし方」
夫は人に干渉しない様な人でしたので、私も好きに仕事をさせてもらいました。
高校野球が本当に好きな人でした。
「ひとり力を鍛える暮らし方」 かっこいい本だと思っている。
電話を取る時も、明るい声で対応する事にしている。
少しでも私と話をする人たちが明るい気持ちになってほしいと頑張っています。
人に寄りかかれば本当に楽ですが、いつまでも寄りかかるともっと自分がつらくなる。
寄りかからないで行こうと習慣にして行けば、きっと今からでも遅くないと思っています。
こんなことをしてしまって、という思いにならない様な生き方を真剣に生きたいと思っています。
お互いに助け合っていとしみ合いながらしっかり手を組んで生きていける様な世の中を作っていきたいというのが私のたった一つの目標として生きていきたいと思います。