2012年6月5日火曜日

内橋克人(経済評論家78歳)   ・ 私の原点 阪神大空襲

内橋克人(78歳) 経済評論家 私の原点 阪神大空襲
子供の頃、神戸大空襲に遭遇し、戦争の悲惨さを肌で感じる その体験を元に戦争に至る要因
について、調査、取材を続ける
ひとたび戦争に突入すると 例えば有名な建築家でも加担してゆく 日本人の思考形態のいい面、
わるい面  社会の大きな流れと自分について語る
66年前 神戸大空襲 2割以上が壊滅
神戸 海と山に挟まれた幾多の商店街があったファッションにも溢れ、モダンな空気持った港町であった
文化の奥行きの深い、陽性の人々の街
昭和20年3月17日 、6月5日  B29大編隊が来る
疎開地の前後では人格が全く違ってしまった


病院に緊急入院(急性盲腸) 病室から非難 避難先が攻撃される→父が見てくるが又行く→
近所のおばさんが泊りに来てくれていた(姉の保護の為)
防空壕に避難したが焼夷弾が直撃 防空壕崩れる→叔母さんがその中で亡くなる
焼夷弾投下により一帯が大火災 中学校校舎見に行く 火災を逃れ川に飛びこんだ人々、
ほとんど亡くなる、うつ伏せ 岸に溜まっている 

校舎が林のように爆撃されている 壁には寄り掛かった死体がずっと続いている 逃れようがない 
抵抗のしようがない
戦争があってはならない 語り継ぎたい (話したくない想いはあるが)
戦争の詳細 詳しく知りたい 自分なりに調べた→衝撃的な事ばかり
ひとたび戦争が起きると止めようとしていたものも、戦争に加担してゆく(戦争を進めてゆく為に知
を総動員してゆく)
アメリカ アントニン・レーモンド日本で有名な建築家(スパイ?) 1938年米国に帰る→日本の家屋をいかに
効率よく燃やせるか、研究に従事する
空軍に協力してユタ沙漠に日本家屋の街を設置して焼夷弾による燃焼実験をする

①攻める側にカメラを据えるな 攻められる側に立って写せ(攻めて来るやつを写せ) 
攻められる側に立って書け
②自分の目で確かめろ 自分の目で確かめてこい 繰り返し繰り返し言われた
③上を向いて歩くやつに仕事が出来るやつはいない 本当に仕事が出来るやつは上なんか
向いていない 書きたいことしか書かない
経済、政治、交際的な流れを見る時の 私の思考原点になっている
戦争は長い期間で芽が出てくる  
「流れは作られてゆく」
例えばグローバル化  グローバル化は世界の流れだ グローバル化は避けられない 
もうこれ以外に道はない こういう言葉では敏感に反応する
誰か、何を言っているのか 自分の目で、自分の耳で最初に企むものを見届ける  ・・・
洞察知ることに全力で当たる
日本人は義理堅く、律義、生真面目と良い点が一杯あるが、「危ういな」と思うところがたくさんある
哲学者の久野収氏がコンホーミズム「頂点同調主義」・・・自分より上の人の言うことに自分を同調して
ゆく、合わせてゆく 異端者扱い、つまはじきに
なることを極端に恐れる
権論 権力がある人の言う意見に対し自ら積極的に同調してゆくのは日本人が警戒しなければ
ならない、正さなければなならない弱い特徴
ハーディング・・・熱狂する、陶酔する  熱狂的等質化現象と呼んでいる (落伍恐怖症) 多数派に
等質してゆく 少数派になることを恐れる
何百年と言う歴史の中で植えつけられてきた  
一見、勇ましく、論じている人達(文化人、政治家、識者等の中にいる) 実は極めて空虚、すっか
らかんが透けて見える
戦場に行って戻ってきた人とか、満蒙開拓団で借り出されてかろうじて戻ってきた人 は一瞬にして
体感する 本当なのか、嘘を言っているのか
虚説 人をあおりたてる虚妄の理論 権力から流されてくる意識的なプロパガンダ  思想性、論理に
対して民論 民の側から跳ね返してゆく 
私達は民論をもっともっと強く盛り上げてゆく力で権論を制誅する  流れは作られる
神戸大空襲を語り継いでゆく 語るのは難しいが語ってゆかなければならない 
何故私はこういうことに腹を立ててるのだろうか 何故この内幕を知りたいのだろうか 好奇心興味 
知りたいという欲求 あのような中を生き延び
身代わりがあって(阪神大空襲の時の私の身代わりになった)、今日の私があるという原点です