菅波 茂 | 救える命があればどこへでも | ||||||||||||
<概要> | |||||||||||||
1946年生まれ 岡山大學医学部 | |||||||||||||
広島県深安郡神辺町(現・福山市)出身の医学博士、医師、福祉事業家。国際医療ボランティア AMDA創設者、理事長。医療法人アスカ会・創設者、元理事長 |
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特定非営利活動法人アムダ(AMDA、Association
of Medical Doctors of Asia )は、1984年に設立 し岡山県岡山市北区伊福町に本部を置くNGO・国際医療ボランティア組織 |
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アジア、アフリカ、中南米において戦争・自然災害・貧困等により社会的・経済的に恵まれず、 社会から取り残されている人々への医療救援 |
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と、生活状態改善のための支援を実施している 国際医療ボランティアAMDA創設者、理事長 | |||||||||||||
タイ、ネパール、インド等に医学調査隊派遣 | |||||||||||||
27年前にアムダ設立 世界30カ国と連携し、活動している・・・岡山県に本部く | |||||||||||||
インド、ブッタガヤと言うお釈迦様が悟りを開いたところで大震災の情報を得て、翌12日には医師2名 ナース1名が緊急に入る 述べ150名が派遣されている |
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本当の情報は被災地に入らないと、本当になにが必要なのか判らない | |||||||||||||
津波に対する医療は地震とは大変違う 津波で建物ごとやられる 地震はスポット、津波は面でやられる | |||||||||||||
被災者は絶望の淵にある 見放されていないんだと思ってもらえるような支援が必要・・・ より早く現場に入る なにをしたらよいか |
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40年前 岡山大學医学部 タイ、ミャンマー 医学医療チーム出す 寄生虫調査が最初 海外に出て行って やろう |
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NGO 非政府組織 国連に対して提案権を持つ 国連が資格を出す ①国連の会議に参加出来る ②専門的な分野からコメントが出せる |
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③政策提言が出来る(2006年医療団体として国連に政策提言が出来るようになる) | |||||||||||||
避難所で医療活動 現地開業医のサポート | |||||||||||||
今回 ガソリンがない為にたくさん団体が入れない 被災者も外へ動けない | |||||||||||||
被災地の事は被災地の人に聞け(見捨ててない 私達はあなたたちが必要なのです・・・という メーッセージが必要) |
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奨学金制度 アダム国際奨学金 次の世代の高校生に希望を持ってもらう 医療従事者になって もらいたい |
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今回の大災害の海外の注目点 | |||||||||||||
①原発被害は日本全体を覆っていたのではないのか | |||||||||||||
②何故避難所で暴動が起こらないのか・・・海外の人達に町内会の組織 を見てもらいたかった 人柄で選ばれた人達が運営 |
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日本の被災者同士が協力している姿が日本人に対する尊敬の念を抱た | |||||||||||||
無償のボランティアが支える | |||||||||||||
阪神大震災の時 フランス医療団が来て吃驚した →フランスでは被災者の登録をして被災者の一人 当たりの居住面積とか飲み水とかが |
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判るのに日本では登録もしないに秩序立って物事が進む ・・・町内会の働き ・・・外国にはこの様 な機能はない・・・説明しても判らない |
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究極の困難になった時にこのことが実力として出てくる | |||||||||||||
高校二年の時に 遠浅の海で顔半分うずめて死んでいる写真を見て、何故同じ年ごろの人が遠い国 で、こんな死に方をしているのか |
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ということが、非常に印象に残ったし、その後の私の活動に対して、非常に影響を及ぼた | |||||||||||||
日本は世界で孤立してはいけない 宗教、文化、民族ちがっても尊敬と信頼との人間関係が 物事の考え方が違う人とどうやったらうまく |
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やってゆけるかできたらやってゆける | |||||||||||||
それには困難を共にするしかない 困難を解決するなかで、自分の中にない物が相手に発見出来た ら、尊敬と言う念になる |
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どんなに困難がきびしくても相手が決して逃げないことが判れば信頼の念が起きる | |||||||||||||
尊敬と信頼と言う新しい人間関係が出来た時に、はじめて双方のバックグラウンド、宗教、文化等の 違いを克服することが出来る |
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アジアは多様性に富んでいる | |||||||||||||
ハイチで米軍が首都の空港を閉鎖した どうやって援助チームが入るか 市民に武器を配っていた 刑務所も壊されて、1000人の囚人が武器を持って散った |
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武器回収の為 ブラジル陸軍を主体とした国連ハイチ安定化ミッションを設ける | |||||||||||||
治安が悪い中 アムダが活動できるか懸念された アムダ・カナダ支部から現地の人を紹介してくれる→ ドミニカから入る |
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カナダ、コロンビア、ボリビア、ペルー、インド、ネパール、日本の7カ国35名の医療チームを編成 普通2週間が2か月にわたる |
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薬が不足し、本来薬があれば切断しなくてもいい足を多く切断せざるを得ない状況となる(4000名) | |||||||||||||
足の切断の対応 国連が復興支援8項目の一つ 義足のプログラム チームを作りする | |||||||||||||
市民参加型人道支援外交作る | |||||||||||||
外交となにか・・・日本が太平洋戦争の時に世界から孤立した →政府だけでやる外交には限界が あるんじゃないか |
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もっと市民レベルで尊敬と信頼という絆を世界に作るべきではないか 国政レベルでは断交している 国同士がある |
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(ミャンマーは日本人が大好きだが、国政としては交流していない →市民レベルの環境で助け合う、 市民同士でお互い尊敬と信頼を持つ) |
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困った時はお互い様・・・相互援助をすることによってお互い尊敬と信頼により日本も孤立しないで 済むんじゃないか→市民参加型支援活動 |
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中国四川省の大地震の時 医療チームの支援要請在り→条件として中国語が話せる 中国の医師免許 を持っている人 外科医を送ってくれ |
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3条件に答えられる日本医療チームはない→台湾と日本アムダは連携してアムダの名のもとに40名の 医療チームを送ることが出来た |
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台湾は中国とは国交ないので、国としては支援できないが、アムダの名のもとに支援が可能となった | |||||||||||||
インドネシアでも地震があり、後でのスピーチで日本も阪神大震災の時のように困る時がありますから、 その時にはあなたがたが助けに来てくださいと云う |
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県知事がスピーチ→いろいろな国から助けてもらったが、自分たちが困った時には助けて下さいと言った のは貴方がたが初めてだとの事 |
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私はアムダが大好きだ →援助を受ける側にもプライドがある | |||||||||||||
プライドとは何か→自分も人に役立ちたい、自分も社会に必要とされたい |
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平和への強い思い | |||||||||||||
平和とは何か→戦争がないから平和じゃなくて、もっと積極的な意味を持っているだろう | |||||||||||||
家族の今日の生活と、家族の明日への希望が実現できる状況が平和なんだ | |||||||||||||
家族の今日の生活→食べれて健康であること 家族の明日への希望が実現できる状況子供に教育を与えること | |||||||||||||
これらが阻害される時が問題 ①戦争(紛争) ②災害 ③貧困 | |||||||||||||
こういうものが解決されたときに、人間の本質的な条件が実現される→それが平和 | |||||||||||||
アムダは平和を阻害する 紛争(戦争)、災害、貧困に対してプログラムを作り、行っている | |||||||||||||
普通の状況の時には皆さん拒否する 世界の8割は血縁共同体である 日本は血縁共同体ではない 日本は特殊な国と思わないといけない |
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人間、人と付き合う時に一番怖いことは、裏切られるということ この人は裏切らないだろうという尺度をみんな求めたい |
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その時に血がつながっているということが、一番尺度として大切なんだというのが世界で8割 これを血でつながっている血縁共同体という |
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血縁共同体の内部ではおたがいに助け合いをする→違った共同体との助け合いがない | |||||||||||||
唯一この共同体が外部に対して門戸を開く時がある→それは血のつながりよりもむしろ自分たちの 存在自体が存亡の危機に瀕した時は其の扉は開く |
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それが戦争の時、とか大災害の時である その時外部を入れる 困った時が真の友という状況に なる そこにアムダ多国籍師団が入ってくる |
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向こうが受け入れてくれる よその団体が一緒に行きましょうと誘うと一緒に行動する まさかの時が真の友でアムダが入る |
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アムダは本当に困っている時来てくれたから 真の友と思ってくれる そのアムダが違ったところで、 困っている人々がいるから一緒に行きませんか |
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と誘うと、援助をうけた側にもプライドがある →自分たちも役に立ちたい気持ちを持っている そうすると参加してくる それがアムダ多国籍支援参加国が増えてきた一番の理由 |
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アジア医療支援が世界に広がってきた | |||||||||||||
「信頼とは何か」→一言で言えば電話一本で動いてくれるということ | |||||||||||||
アムダは信頼に基づいた多国籍医療チームだという事がいえる | |||||||||||||
運営資金は・・・災害支援は募金で行う ①税金を使うという手もあるが税金を使うという事は決定が遅れてくる |
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②困った時に来てくれるかどうかという問題・・・行ったり行かなかったりするのが一番問題 必ず行くという時税金は使いにくい |
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(税金の場合 どの規模だったら行くとか どの規模だったら行かないとか と言う様な問題 が必ず出てくる) |
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募金額が少なければ、少ないなりの体制を作ればよい(足りなければ自腹を切ればよい) 絶対に行くという姿勢を崩してはいけない |
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死んだ人をどうするかと言う問題がある →NGOは関与しない 宗教の問題があるから対象にしない→ 国際社会は宗教なしには語れない |
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死者に対して合同慰霊をする事でこちらを信頼する →血縁共同体では死者をどう敬意を表するかが 一番大切 |
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アムダは多国籍だから死なれた方に必ず敬意を払う慰霊を行う→これによってもっと私達を信じくれる | |||||||||||||
そのひとつのシンボルとしてインドのブッタガヤにアムダピ-スクリニックを作り、そこで死なれた方々の名簿を作って 置いたり、毎年定期的に慰霊を行っている |
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これのヒントは沖縄の平和の森に沖縄戦で亡くなった方、日本兵だけでなく、アメリカ兵、巻き込まれた 沖縄の人々、全ての死者に対して |
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「貴方がたの事は忘れませんよ」と死者に対する敬意をお墓でやっている・・・世界で一つしかない | |||||||||||||
世界に誇るべき国際社会に宗教無しでは語れないという証拠に 先進的なすぐれた平和の森だと思う→ これと同じ事を私達もやらしてもらった |