2024年7月28日日曜日

清水あつし(画廊主宰)          ・人々が集い文化芸術を発信するギャラリーを

 清水あつし(画廊主宰)          ・人々が集い文化芸術を発信するギャラリーを

清水さんは1957年静岡県焼津市生まれ。 東京大学理工学部都市工学科を卒業後、日本テレビに入社、映画部、営業部などで勤務しました。 古本や絵画収集が好きだったと言う清水さんは、5年前に画廊「シェークスピアギャラリー」を開設、このギャラリーの名称はパリにあるシェークスピア&カンパニー書店に憧れてつけたという事です。 この5年間江戸城の古い写真の展示やエコール・ド・パリから100年と題して、1920年代を中心にパリで活躍したに日本人画家の作品展などを企画してきました。 開設5周年を記念して田中保のジェームズ・ジョイスの肖像を展示、ジョイスの小説「ユリシーズ」は1922年にシェークスピア&カンパニー書店から出版された事もあり、清水さんも縁を感じました。 

若いころからの夢が叶いました。 シェークスピア&カンパニー書店に憧れて、画廊兼古書店を始めました。 シェークスピア&カンパニー書店は世界中から本好きの若者が集まるというところです。 パリに開いたアメリカ人の書店という事です。 5年前に画廊「シェークスピアギャラリー」を開設しました。  江戸の景観にも興味があって、広重の浮世絵、明治の版画、明治の古写真等に興味があって、江戸城の写真などを発見してギャラリーで展覧会を行いました。  

2021年から2022年にかけて、エコール・ド・パリから100年と題して展示しました。  当時の若い日本人画家を中心にやっています。 1920年代、板倉鼎などがいます。  2023年9月には、伊藤野枝、大杉栄ら、没後100年記念シンポジュームを行いました。  大杉栄の『日本脱出記』という本の内容が面白い。  伊藤野枝の主張もわかると、身につまされると、加藤陽子先生とかがしゃべってくれて、世の中にインパクトがあったと思います。 文学、芸術、教育とかいろんな面で彼らは吸収しているので、その部分の影響云うというものは、今見てもフレッシュなものがあるのではないかと思います。  

幼少時から本が好きで、古本屋に憧れていました。 高校の頃になると、三島由紀夫、伊丹十三などのファンになりました。  伊丹十三の影響で日本テレビの放送局に就職しました。  63歳まで仕事をしました。 大学では東大新聞の編集をずっとやっていました。 東大新聞の創刊は1920年でした。  

30,40代の頃に古本屋と喫茶店を併設して、イベントなどやってもいいじゃないかと提案したこともありますが、両方とも斜陽産業だと言われてしまいました。 数年してニューヨークに行ったら、そういった形式で行われていて、その10年後位ぐらいに日本にも出てきました。  神保町近くに店を構えたいと思いました。  画廊を閉じたいという事を聞いて交渉しました。  美術骨董市場があります。 ネットの登場によってこの市場も大きく変わりつつあります。 

北蓮蔵の「提督の最後」という作品を落札の時、衝撃を受けました。 変った絵で勝負しないと、個性を発揮できない。  欲しいものが1000点あって1点買えたというのが、それは素晴らしいと思っています。  戦争画に対しても、興味があります。 現在「北蓮蔵と明治期から活躍した画家たち」を開催中です。  生々しい戦場の場面を描くことは、当時の画家たちも挑戦した様です。 しかし見つけることはなかなか大変です。 戦意高揚の面もあったかもしれないが、深い意味、歴史を持ったものであると思います。 

今は近代洋画が見放されているような状況ですが、いろいろな絵を調べてみたいと思っています。 美術と文学と言ったところも考えてみたいと思っています。