2020年3月24日火曜日

村松修(プラネタリウム解説コンサルタント)・「きのうの自分よりも一歩先に」

村松修(プラネタリウム解説コンサルタント)・「きのうの自分よりも一歩先に」
村松修さんは1949年生まれ71歳、短期大学卒後、一度はプラネタリウムとは縁のない会社に入社しました。
やがてプラネタリウムの技術者に転じ、解説員も務めることになりました。
村松さんは古希を経た今も、元気に解説員をなさっています。

プラネタリウム解説コンサルタントは基本的にはプラネタリウムでやる番組、投影の解説などをサポートするのが役目で、自分でもしゃべらせてもらっています。
解説が週3日、投影は2回ぐらいです。
「星空散歩」という番組があり解説員が好きにテーマを選んで喋れる番組がります。
その季節その季節の珍しい天体、天文現象などのCGを自分で作ってしゃべっています。
お客さんとは「一期一会」の出会いと思って解説を心がけています。
ボイストレーニングとか一切教わっていません。
小学生の時に学習投影というのがあって、プラネタリウムとの出合いは一回経験があります。
天文少年ではありませんでいた。
NHKのTV番組でほうき星を発見した関勉さんが出演されて、素人が発見するんだという事に衝撃を受けて、本屋で天文の雑誌を見たりして、それがきっかけで星を見上げるようになりました。(高校時代)
会社に勤める時に航空関係の会社を選びました。
五島プラネタリウムに行く機会もあり段々はまっていきました。
五島プラネタリウムから技術係の募集があり、採用されました。

プラネタリウムは精巧な機械などで普段メンテナンスをしないと、いろんなトラブルが起きてしまうので普段から保守点検が必要で、部品の寿命が近づいてきたら交換、ランプが切れる前に交換、そういった事をメインにやっています。
今まで経験してきた航空機の保守と似ていました。
投影中一番困るのが星が消えてしまうので解説員は全然しゃべれなくなるので、緊急でランプ交換することがあります。
夏休みは忙しくて解説員のローテーションが難しくなったり、病気になったりもするので、技術係にもやってもらってはという話が起きました。
解説員の話は自然と耳に入ってくるし、星座の説明の手順なども判ってきました。
気が付いてみるとシフトに組み込まれていました。
天文学の知識が必要になり、勉強もしました。
東京天文台のご指導いただく機会が多かったので、判らないことがあるといろいろ教えてもらいました。
夜になると空を見上げるようになります。
仲間たちと一緒に八ヶ岳の方に出かけて行って一晩中星を見つめて、話のネタを自分なりにメモって帰ってくるわけです。

先輩説明員にはかなわないので、実況中継風にやればいいんじゃないかと思いました。
シュミレーションして今晩何を見たらいいのかという様なスタイルにしようと思いました。
やっぱり本物を見ていただかなければいけないと思うので、どうやって本物の魅力を伝えるのかそこに苦心するわけです。
高校生の頃気になったのが、地球にもクレータがありアリゾナの隕石孔という有名なクレーターがあります。
小惑星のいくつかが地球にぶつかることがあるわけです。
我々が知らない小惑星がもしかして地球にぶつかってくるかもしれないので、監視して危険性のある小惑星を発見しなければいけないという記事が頭に残っていました。
小淵沢に自前の観測所を仲間と建てて、星を見たり写真を撮っていたりしていましたが、もう少し意味のあることをしないかという事になり、未発見の小惑星を見つけたらいいのではないかという事になりました。
仲間が本当に小惑星を見つけることになりました。
そしていくつか自分たちでも見つけることになりました。
小惑星だと思っていたらほうき星だという事がありました。
天文台に報告にいったら、新発見という事で名前が付いたりしました。
共同の発見だったので「串田・村松彗星」という事になって行きました。

自宅で出来る観測はやろうと思って、一等星は見えるので、オリオン座のベテルギウスという一等星があり変光星で普段より暗いという事で、それならばできると思いました。
現在それをやっていてわくわくしています。
昔ながらの星座、ロマンチックなギリシャ神話などもありますが、生の新しい情報は接するようにして、知識の補給は続けないといけないと思っています。
「昨日の自分よりは一歩先を進む今日でありたい。」という言葉が好きです。
出来るだけ時間を割いて自分に鞭打つように口で唱えています。
ちょっとでも新しいことが増えたらいいなあと思っています。
プラネタリウムは自治体も学校学校教育に使うために建ててきたという事もありますが、あの空間をどれだけ生かされるかという事が大事だと思います。
今は技術の進歩でいろんなことができて新しい技術を取り入れた空間になってきているわけです。

一般の方にも星に興味がない方たちがそこに来て楽しんでいただける様な工夫も必要だと思っています。
人と人とのつながりを芽生えさせたり、星と芸術を結び付けたり、音楽で楽しんでもらったり、和歌俳句を詠みながらプラネタリウムで演出をするという様な文学との結びつきとか、そういう様な人たちが出てきています。
星と結びつくものならば何でもいいと思っています。
結婚式、ポロポーズの場、ファッションショー、朗読主体のものなど。
次の世代の最新型のプラネタリウムを使って解説ができるように努力は続けたいと思っています。
人に恵まれた人生だったと思います、その人たちへの感謝しかないです。
感謝があるからこそ若い人に私が持っているものを伝えたいと思います。