2026年2月27日金曜日

瀧靖之(医師・脳科学者)          ・「脳医学者パパが語る“親子のコミュニケーションを育む”コツ」

 瀧靖之(医師・脳科学者) ・ことばの贈りもの「脳医学者パパが語る“親子のコミュニケーションを育む”コツ」

 さんは1970年北海道旭川市生まれ、高校卒業までは旭川で暮らします。    東北大学の医学部を卒業後は脳の研究の道へ進みました。 現在は脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにするための研究などを行う、東北大学加齢医学研究所で教授を務め、臨床、教育に力を注ぎながら、脳の研究の第一線で活躍し続けています。  これまでに見てきた脳のMRI画像は16万枚を上回り、そこから導き出された脳の健康法や子供の脳の発育に関する数々の本を出版し、講演会などを通して多くの人に伝えています。  そんな さんの研究と人生をより豊かなものにしたのは長男の誕生を機に、子育てを経験したことだといいます。  一児の父として脳医学者として一筋縄ではいかない子育てを楽しむ さんにお話を伺いました。

私たちは、脳のMRIの画像を多くの方から集めて、画像だけではなく、生活習慣とか遺伝子とか記憶する認知機能など、いろんなものを集めてそれをデータベース化しています。  私たちの脳はどうやって発達していくのかどうやって加齢をしていくのか、何をすると将来認知リスクを下げるのか、天寿を全うするまで、脳を健康に保って、自分らしく賢く楽しく有意義に生活するかと言うことを研究テーマにしています。 脳を健康に保つためには大きく6つあります。 1つ目、できるだけ多くの品目をバランスよく食べる食事。  2つ目は、十分な睡眠を取る。  3つ目可能な限り運動を習慣化する。 4つ目、対面で会話をする。 5つ目、他にささやかながら日々楽しむ。主観的幸福感。 6つ目、知的好奇心を持っていろんな趣味とか活動する。

脳には可塑性があります。 歳をとっても何か楽しいと思うことを始めると、半年とか1年後には確実に伸びています。 気軽に何か始めると言う事は素晴らしいことです。 楽しいと言うことが大事です。  私は音楽が邦楽とか洋楽とかにかかわらずクラシックとか好きだし楽器を演奏する。  例えばピアノとドラムをやってます。本も好きです。 スポーツではスキーは物心ついた頃からやってます。 筋トレスケートなどもやってます。 生き物が好きで昆虫を見に行くとか、いろいろ好奇心を持ってやってます。 子供の頃は、釣りが好きで、スキーをしたり、図鑑を見たりして、または星が綺麗なので、望遠鏡で天体を見たりしてました。母は、絵画が好きで、一緒に連れて行ってもらったりしました。  色の配置の美しさにとかに興味を持ちました。  美しいと言うものに心を惹かれるようになりました。  

生物を学びたくて、東北大学の理学部に進学しました。 卒業後、再受験して医学部に入学しました。  祖母が認知症になり、なんでこういうことが起きるんだろう、どうやったらこの病気にならなくて済むのだろう、どうやったら治療できるんだろうと言うことに興味を持ちました。  他の病気についても興味を持ちました。 それで医学部で勉強したいと言う思いに至りました。  臨床も長くやりましたが、研究は、知的好奇心を満たして、それが何か世の中に役に立ちうるかなぁと言う思いがあって、研究のほうのにシフトをしていきました。  悩みますけど動きます。

2016年に出版した「16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える『賢い子』に育てる究極のコツ」が10万部を超えるベストセラーになりました。  脳の研究をしてきて、生活習慣が重要だなという事がありました。 ひょっとしたら、子供のうちに運動習慣を作ったり、会話の習慣をつけたり、いろんな趣味をやったら子供ってすごく幸せな人生を送れるないかと思って、子供たちの研究を始めました。

子供もしっかり寝ることで、脳の海馬と呼ばれる記憶を司る脳の発達がすごく良いと言うこともわかりました。  41歳の時に長男が誕生しました。  子供を常に見ながら問題意識を感じながらやれてすごく良かったです。 子供から学ぶことが非常に多いなと思いました。  2025年に「本当はすごい早生まれ」と言う早生まれの子供の脳に着目した本を出版しました。 息子が3月生まれなのでその影響もありました。 

早生まれの凄いところは大きく分けて2つあります。 1つ、私たちの脳には可塑性というものがあります。 何かを一生懸命やると脳も一緒に発達していく。    脳を早いうちから刺激していくと可塑性を高めやすい。 それによっていろんな能力を獲得するための土台をより早いうちから作ることができるんではないかと思いました。 2つ目、甘える力、早生まれだと体が小さいので可愛がられる、可愛がられると言う事はすごく大事なことです。  援助を求める力と言うのはすごく大事です。  早生まれだと言うことで自己肯定感を下げないようにしてやることが大事です。 いいことを褒めてあげる。 

子供にやりなさいではなくて、自分でやってその楽しさを見せてあげると言うことが大事です。  子供にピアノをさせたかったので、私がピアノを弾いてそれを見て子供を3歳からピアノをやるようになりました。  親が楽しめば子供も楽しむ。 理論と実践では違うので、色々と悩みますが、でも知識がちょっとではあると、そこで立ち止まれるわけです。 子育てをする上で大切にしている事は2つあります。1つ、とにかく愛情をかけてます。 あなたの素晴らしいところはここですと息子によく言います。  2つ目は、とにかく何でも一緒にやります。 そうすると怒るとはできなくなります。 一緒にやってると子供の凄さがわかります。 それがコミュニケーションツールにもなります。

私は両親からあるいは周りの人たちから愛情をかけられて、育ったと思います。 困難はあったかもしれませんが、思い出せないです。 常に前を向いていましたし、今もそうです。 人生を切り開くときにはいつも前向きです。 それは過去が幸せだったからです。 これからの人生の目標はひたすら美の追求です。      私たちが考えている以上に、脳は柔軟です。  自分ができないと思い込んだら壁を作って何もできないですが、ひょっとしたらできるんだと思うと案外できるものです。 楽しくやるのが一番です。