菅田利佳(ピアニスト) ・夢に向かって一歩ずつ
菅田利佳さん25歳です。菅田さんは幼い頃に難病で両眼の視力を失いましたが、大好きなピアノの練習を続けて、現在は関東を中心に演奏活動をしています。 若い世代にも向けた公演にも取り組む菅田さん、来月にはそのリサイタルも控えています。 まずは昨年末和歌山市で出演した室内楽の演奏会の模様を聞いてただきましょう。 ピアノ菅田里香さんバイオリン澤亜樹さんビオラ澤和樹さんチェロ鳥羽咲音(さくら)さん フォーレ作曲、ピアノ四重奏曲第1番ハ短調4楽章より。 故郷でのはじめての公演だったので、皆さんに暖かく迎えられて幸せな舞台でした。
ピアノと出会ったのは5歳の時です。 視覚障害がわかったのも同じ頃でした。 当時楽譜を見ることができませんでした。 先生が録音したものを頼りに勉強してました。 小学校1年生から中学校までは盲学校に通ってました。 そんな中でもっと上手になりたいと思うようになっていきました。 ピアノは私にとって親友のようなものであります。 いろんな人たちと心を通わせる1つのツールとして私を支えてくれてきました。 その後点字楽譜に出会いました。 ベートーベンの「悲愴」の楽譜を持ってますが、オリジナルの方は厚さは5ミリ程度、点字楽譜は2センチ位あります。 右手部分と左手部分を4小節とか切って頭の中で合体させて1曲完成するようなやり方です。
作曲したタイトルは「一歩ずつ」 小学校5年生の頃、音楽教室で作詞、作曲をしてみようと言う課題があって作った曲です。 2012年ピアノの弾き語りで臨んだ第37回わたぼうし音楽祭で大賞したときの演奏「一歩ずつ」でした。 高校は県立星林高校国際交流科です。 英語や国際交流に関心を持ちました。 盲学校は小学校中学校1人でしたが、集団のクラスになることになりました。 挑戦することに対してやりたいことを何度も挑戦してみなさいと背中を押していただいたことが今につながっていると感じています。 大学は東京大学に進みました。 在学中は、ピアノ以外にも国際交流の代表として参加しました。 大学卒業時には総長大賞、全盲の学生としてはじめての受賞でした。 自分の節目となるようなタイミングできっかけとなったり、背中を押してくれる人と出会ってきたことが私にとって特別なことかなと思います。
現在は外資系の金融機関に勤めながら音楽活動をしています。 自分の音楽を通して、今度は自分が誰かの光になれたりとか、そういったことができたらいいなぁと思うようになりました。 10代の人たちへ自分の経験を伝えていくことで、これから大きな世界に踏み出していく高校生、大学生、若い皆さんのきっかけになればと言う思いがあります。 私はもっと成長しなければと言うフレッシュな気持ちを抱かせていただいたりもしています。 視覚障害を別にそんなに不便なこととして感じなくてもいいように育ててもらってきたと言うところがあって、今考えてみますと、それ以上にいろんな人たちに支えてもらって、今自分がやりたいことを一生懸命やりながら、笑顔で生きていられると言うこと、人との関わりというのを、私は大切にして伝えていきたいなぁと言う思いがあります。
私の好きな言葉は「夢思うは招く」と言う言葉です。 この言葉は北海道で宇宙開発している植松努さんと言う方の言葉です。 周りからは無理と言われるような夢も屈するのではなくて、どうしたらできるかと言うことを考えて、一歩一歩進んでいったら夢を叶えることができる、と言うメッセージが込められた話でした。(星林高校時代に出会った言葉) 来月にはソロリサイタルが控えてます。主催は母校東大の近くの商店街です。八百屋さんのご夫妻とすごく仲良くなりました。 それがご縁で地域のイベントの1つとしてコンサートホールでリサイタルを行うことになりました