2013年3月20日水曜日

大山真弘(内観研修所)     ・内観が幸せ増幅装置

大山真弘(蓮華院)・内観が幸せ増幅装置
職場の人間関係、夫婦、親子関係の悩みをどう解決したらいいのか
明確な答えが見つからず、一体人は何のために生きてるのか、自分の生き方は果たしてこれで良かったのか、おおきな壁にぶつかった事は無いでしょうか
そんな時には是非おかあさんを思いだして,内観という自己観察を試みてほしいと呼び掛けているのが、熊本県の蓮華院、誕生寺、内観研修所長 大山真弘さんです
母親のお陰でこれまでどの位の恩を受けてきたのか、其の計り知れない量を考える事によってさまざまな事が見えて来る
お母さんにして貰った事は何ですかという本にまとめられました
母親から受けた恩を思い浮かべることによって、人生の何が見えてくるのか 伺いました

内観とは、内を観る 自己観察する心理療法   元々は浄土真宗に伝わっていた「身調べ」
不眠不休断食する厳しい、難しい修業だった  
吉本伊信(いしん)という人が宗教性を取り除いて、ちゃんと寝てちゃんと食べて誰にもできるようにした
3つの事を調べる  
①他の人からして貰った事  
②自分がほかの人にしてあげた事
③自分がほかの人に迷惑、心配とかを掛けた事  (具体的に思いだすという事が大事)
お母さんの立場からも見てみる(病気をした時の母親の具体的な対応など)

内観によって人生観を変えて行く
人間は過去を自分の都合のいいように変形して記憶する場合が有る
繰り返し繰り返し思いだしてみる事によって、真実を見出してゆく
身体のケアはするが(風呂に入ったり歯磨きしたり)、心のケアをあまりしない
1週間泊りきりで研修を行う (月に1回~2回)
TV、新聞、本等見たりするのは駄目  1時間に一回聞いてあげる
瞑想して必要最小限の事をメモすることは許容するが、出来るだけ繰り返し思い起こして貰う
視点を変えて考えて貰う(相手の立場に立った視点で物を推測して考える)
普段意識していない面を考える
人間だれしも母親から生まれて、母親から、いろいろして貰った事
食事は当たり前だと思ってしまう それに係わる労働の時間等を考える

詩(小学校6年生の生徒の詩 20年前)
今日の宿題は辛らかった  今までで一番辛い宿題だった  宿題はお母さんの詩です
先生はそう言ってから  亮子さん 辛い宿題だと思うけど 頑張って書いてきてね
お母さんの思い出としっかり向き合ってみて  お母さんと一行書いたら お母さんの
笑った顔が浮かんだ お母さんともう一つ書いたら、ピンクのブラウスのお母さんが見えた
お母さんと言ってみたら、亮子ちゃんと お母さんの声がした
お母さんともう一度言ってみたら、もう何も聞こえなかった
頑張って頑張って書いたけれど、お母さんの詩はできなかった  一行書いたら涙が溢れた
一行読んだら、涙が流れ、今日の宿題は辛かった  今までで一番辛い宿題だった
でもお母さんと一杯書いてお母さんに会えた  お母さんと一杯呼んで、お母さんと話せた
宿題をしていたあいだ、私にもお母さんがいた

私は以前は商社マンだった ブラジルに赴任していたが、その時に母が亡くなった
出家は38歳の時 内観の大事なこと   続ける事
95%位は明るい顔で帰って行かれる
30歳の女性 父親に対する憎しみが有った  
中学生ぐらいの時に、父親の浮気と家庭内暴力で両親が離婚した
お母さんに育てられた 高校生の時に妊娠中絶 大学の時にはスナック、バーで働いていたが、その時にやくざと知り合った 
或る時にお母さんがアパートに行ってみたら、何もない畳みの上で爪で何か潰す動作をしている
どうしたのと聞いたら、白い虫がうじゃうじゃいるから潰していると言う (覚せい剤による幻覚)
慌てて病院に連れて行ってやっと治った
  
それで終わりかと思ったら、大學卒業した後は風俗産業で働いた
其の人が研修に来て、変わったのが4日目位 養育費の計算から
お父さんに関する離婚の時からの養育費の計算をして貰う(食費、被服費、教育費、医療費等)
驚くなかれ2000万円になった (私の為に) 自分で計算したので認めざるを得ない
憎いと思っていた父親がこんなに私の事を愛してくれていた という事が判った
親の愛情が憎しみを溶かしてくれた  これからはお父さんと暮らしてみますと帰って行った
男性
小さい時に妹が植物人間になってしまった お風呂場で2~3歳の時に母と一緒に入っていたら、倒れてしまった  お母さんが髪を洗っていて、ふっと気付いたら姿が見えない 
湯船をのぞいたら沈んでた
慌てて取り上げて、救急車で病院に行ったが時すでに遅くて、植物人間になってしまった
両親は妹に掛りきりになった  ローンを払う為に父親はよるも働いた
お母さんは妹がうっと、うめいたら、飛んで行って世話をしなくればならない
俺の弁当も作ってくれなかった おやつも無かった と最初のころは言っていた
段々思いだしてゆくと お母さんは弁当はちゃんと用意していた 
私は弁当箱に入れるだけだった

帰ってきたらちゃんとおやつも有ったと思いだした
最後の方になって来ると、もし私が親だったら、当然私も妹の世話を見るのが当然であろうと、やむを得ないことだったと思うようになった
妹さんは中学生のころに亡くなったそうですが、「お兄ちゃん 誰も悪くないんだよ きっとこれからは巧く行く」と言われたような気がすると感想文に書いてあった
母親に対する憎しみ  あの時にミスをしなかったら、わたしも一番親の愛情が必要な時にちゃんときちっと受けられた 受けられなかったから今旨く行かないんだと言う憎しみがきれいさっぱりになくなって、帰られた
内観の特長は自分で気付いて貰う 我々はいろいろ言いたい事はあるが、じっと我慢して聞いているだけ  辛いところ、難しいところです
人間て、ここが悪いからここを直せと言われても、反発するか右から左に聞き流すだけ
自分で気付いて、自分でまずいと思った時には 治って行く

してもたらった事と、迷惑掛けた事は多いけど、お返ししたことは少ない事は殆どの方が気付かれる
自分で気付く 内観の特長
大震災の時に聞いてあげる  それと同じ 寄り添ってただ聞いてあげる
自分がもうすぐ死ぬと仮定する  臨終間際に自分の一番呼びたい人、3人を呼んでんもらう 
その方に御別れの言葉として、内観の3つのして貰った事を述べて貰う
そうすると、通常の内観よりも深い内観になる  臨終内観
海外からの研修も多い  外国の方はたった1週間で効果が有る事に吃驚して帰られる
キリスト教で言うと懺悔に相当するのでは  醜い面を見ると、不思議にころっと仏に替わる
自然発生的に感謝が見えて来る  
人間の本質的なものに迫るものが内観にある
心配掛けたり迷惑かけたりして、回りから貰った恩が圧倒的に多いが 自分から周りにお返しした事はすくないと気付く訳です  そうすると周りに何かしてあげたいと思うようになる

心理的な病気も治ったり、軽くなったりする(病気が治るのはあくまで付録)   
楽に生きられる様になる事が主になる 5日目位から笑顔になって来る
周囲に対する接し方が違ってくる
介護に付いて  看護学科の学生に内観をして貰った事が有る
燃え尽き症候群にかからなくて済むようになる  余裕を持って看護が出来る様になる
内観 幸せ増幅装置  見逃している事が余りにも多い 人生の棚卸 
人にあたえていたもの、人から与えられたこと どっちが多いだろう 
今死んだら極楽生きか、地獄生きか 今日が最後の日だと切羽詰まった気持ちで真剣に内観して頂くと生まれ変わって来る事が出来る
悪口を言われることで自分の気付かない面を仏様の代わりに言ってくれたのだと考えて、当っていることも有るかもしれない 
当っているところがあれば自分を変えて行く事によって悪口も有り難い事になる
明るく人生を生きられる事になる