中村格子(スポーツドクター) ラジオ体操の効用
ラジオ体操ですが、じつはスポーツ医学的に見て、綿密に、ち密に計算されつくした、究極の全身運動で、正しく実行すれば、健康上絶大な効果があると、力説されているスポーツドクターがいらっしゃいます
ラジオ体操の効用と、正しい運動の仕方、付随する波及効果など、国立スポーツ科学センターメディカルセンタークリニック研究員の中村格子さんに伺います
スポーツドクター スポーツをする方の健康管理や、運動指導を行うという医師の資格
日本体育協会、公認スポーツドクターという仕事があり、医師免許を取ってから、5年以上の経験 そのあと2年間の講習、審査を受けて認定されます
スポーツの怪我は多岐にわたるものなので、或る程度常識的な医師の仕事ができて、それ+アルファと言う事で5年の経験と言うのがある アスリートを支えるるドクター
最初のきっかけは高校生の時に、同級生がバスケットボールで怪我をして、入院して手術を受けたが、お見舞いに行ったときに、そこが国体レベル以上のスポーツ選手がいっぱい入院していて、こんなところがあるんだ(スポーツ整形外科)と思って、そこの先生も又素敵な先生でああいう先生になりたいと思った
横浜市立大学医学部に進む 当時は1学年60人の学生だった
整形外科に入った時は女子は私一人であり、先輩にかわいがっていただいた
徒弟制度のような科で、足持ち3年 引き8年 筋肉、皮膚を引っ張って術野をあけておくという助手の仕事、そういう事がうまく出来ないと術者もやらせてもらえないというような修行のかかるところであった
先輩が全日本スケート連盟のトップの理事をされていて、その先生にスピードスケートチームを見てみないかと言う事で声をかけていただいた
海外遠征に一緒に行くようになった 報酬は1/10ぐらい
国立スポーツ科学センターメディカルセンター 10年ほど前に出来たところ 科学、医学、情報の3部門があり、メダルを取る事を目的にアスリートの支援に取り汲みながら、研究を行っている機関で
先進国では多い
この選手はいい選手になるなあと言うのは、解るのか?
体はほとんどの方は整っているので、あとは心、トップになる方は、そういったところが違う
人の言ったことをちょっとでいいから吸収しようとか、物事の考え方がしっかりしている人はおおい
怪我をしても、しっかりと前を見つめて、克服して進んでいる力を持っている
ラジオ体操の効用
整形外科医で22年になるが、最前線で外来、手術を一般の病院でやっていたが、たった5分しか見られない様な状況が沢山あった
運動習慣をしっかり付けてあげれば、こうは成らなかっただろうというような状況が多かったので、運動習慣、運動指導を取り入れたいと思っていたが、そういうチャンスは無かった
20人ぐらいのチームを作って、「中村先生の腰痛予防教室」とかやってみたが、それでも20人ぐらいしか教えられないので、多くの人に正しい運動を教えてあげられないかと思っていた
3年ほど前に、最初に本を出したが、できれば運動をして、身体を整えて、整形外科にかからないようにしていただきたいと、願いを込めた
自分でコントロールできる知恵や運動習慣をつけていただきたいと思った
ラジオ体操は究極の全身運動だと思う ラジオ体操第一は短い時間で全身運動ができる
有酸素運動、無酸素運動を同時にできる
時間当たりのカロリー消費量が多いし、運動に基本的な動きが全て組み込まれている、しかもそういった素晴らしい運動でもあるのに怪我をしない(運動で怪我をしないのが基本)
老若男女誰でも出来るし、広い場所も場所も必要としない
健康になるための運動にはどんな要素が必要かというと、老化してしまうのは、関節の動きが悪くなる(関節可動域) 肩であれば180度曲がるが、口のところまでしか上がらないとか
関節可動域を毎日2~3回でいいので最大限に動かしてあげると、いつまでも保てるもの、それが運動の基本なんですが、凡てこのラジオ体操には入っている
1背伸びの運動 深呼吸と間違える人が多いが伸びの運動です
これから行う運動姿勢を作る これだけで姿勢が良くなる
2腕を振って曲げ伸ばす運動 膝を伸ばす曲げる 手を伸ばす曲げる
3腕を回す運動 肩甲骨がよく動くようになる 手を遠くに回すように大きく
4胸をそらす運動 しっかりと大胸筋をのばす
5腰を横に曲げる運動 腹斜筋、腹横筋を伸ばす 手に耳の横に曲げる手に引っ張られるように
6腰を前後に曲げる運動 身体を前後に動かす 3回 最初は小さく 中 強と段々深くする
7腰を捩じる運動 軸をしっかりする
8腕を上下に伸ばす運動 一回姿勢を整える
9身体を斜め下に向けて、正面で胸をそらす運動 斜めで腿の裏の筋肉をしっかり伸ばす
10体を回す運動 両手の間に頭があるようにして回す
11両足飛び運動 ジャンプがなくなるので、足のまえを使って、音がしないように
12腕を振って曲げ伸ばす運動
13深呼吸 活性化された身体を徐々に呼吸を整える
ラジオ体操の運動量 ウオーキングよりある ジョッギングよりはすくない
いろんな筋肉(全身400以上の筋肉)を使う体操です
どこを動かそうと意識した方が、運動効果は高くなってくる
無理せず自分の体調に合わせて、続けて行くといい
コミュニケーション作り メンタル面
仮設住宅での地域 最初は笑顔がなかったが、終わった時には会話が弾んでいたのが、とっても印象的だった
「おらほうのラジオ体操」 石巻市 方言で言うラジオ体操
国民保険体操として、昭和の初めにスタート 国民的財産だと思う
日本体育大学の創設者(日高藤吉郎) 浜田先生? 遠藤喜一郎先生? (東京女子体育大学)とかが作られた
音楽が服部正先生 25人の方たちが作られた
国民の健康を願って、無料で聞けるラジオで流す、文科省、NHK、 国 日本と言う国は素晴らしいと思いました
ラジオ体操が始まった当時は寿命は60歳ぐらい 今は80歳以上になっている
手軽に健康が手に入る
皆が健康で、皆が長生きすることが幸せなんだろうなと、思います
長寿、長命とは違って、今は長寿が段々と肩身の狭い日本になりつつあって、悲しいことだと思うので、長寿が悲劇でない、幸せな国になる、日本になってもらいたいと思っています