2019年5月5日日曜日

杉山佳寿子(俳優・声優)         ・【時代を創った声】

杉山佳寿子(俳優・声優)         ・【時代を創った声】
代表作は「アルプスの少女ハイジ」のハイジ役です。
杉山さんは子供のころに児童劇団で活動し、声優としてデビューしてから50年以上たちます。
現在も俳優、声優として活躍されながら大学の教授としても後進の育成にもあたっています。

「アルプスの少女ハイジ」1974年の作品。
今のCMのハイジも担当しています。
オーディションの日に風邪をひいてしまって高い声が全然でないような状態でした。
後で聞いたところそれが良かったと言う事でした。
アニメのデビュー作は1967年に『冒険ガボテン島』のトマト役でした。
佐々木守さんの本を読んでいくとそのままハイジにはいっていける感じでした。
子供の声の出し方は幼稚園などで声を聞いて勉強したりしました。
収録の時にはまだ絵が出来上がっていない状態で想像力だけで喋っていました。
後で見ると冷や汗をかくシーンが結構ありました。
「アルプスの少女ハイジ」は自分の中では代表作になりました。
子供を演じたものの集大成みたいな感じです。
名古屋出身で、NHK名古屋放送児童劇団に入りました。
小さい時にはとっても人見知りしていて、友達の中に飛び込めなくて、どちらかと言うと暗い性格でした。

地元にあった話し方教室へ通うことになりました。
そこで講師をしていたのはNHK名古屋放送児童劇団の顧問でした。
台詞を言う事には抵抗感ありませんでした。
講師から名古屋放送児童劇団に入らないかと言われて、200人位受けた中の5人の合格者の一人に選ばれました。
芝居が面白くて違う自分になれるので面白いと思いました
2年目に主役をやらせていただきました。
その後東京に行くことになりました。
大きい声を出すとリアリティーが無くて、段々大きな声を出してもリアリティーのある声を出せるようになりました。
悲しんだり泣いたり笑ったりする演技でも、自分の心と合致しないとその感情なりが観ている人に伝わらないと思い、それを見付けた時にはちょっと大発見だったと思います。
いまだに判らない事だらけでこの世界は切りが無いです。
舞台はお金にならないので色々アルバイトをしました。
ぬいぐるみのアルバイトは面白かったです、ぬいぐるみに入ると自分ではないから。
それからいろんな役をやるのが面白くなりました。
どちらかと言うと変な役が多かったです。

声だけで演じる事はあまり抵抗感はなかったです。
昔は口の動きと多少ちがっていてもそれほど問題にならなかったが、今は厳しいです。
タカラのリカちゃん人形のテレホンサービス 29年間やらせていただきました。
最初のころは原稿用紙1枚で84秒で撮っていましたが、最期の頃は1枚半位になっていて、時代のテンポが速くなってきたんだと思います。
1972年 戦うヒロインのはしりである『科学忍者隊ガッチャマン』白鳥のジュンを演じる。
1974年には、『アルプスの少女ハイジ』で主人公のハイジを演じる事になる。
初期のころにはお金には色々苦労してきました。
劇団の先輩には飲み屋さんに連れて行ってもらって結構助かりました。
結婚は27歳で36歳の時に子供が生まれました。
離婚をし子供をベビーシッターにお願いして随分周りの人にも助けてもらいました。
一回だけスタジオに子供を連れて行ったことがありましたが、ディレクターが僕が面倒みるからオーディションで5分で済むからと言われて、「それでは行きます」と言って行きました。
そうしたらそれが大変な問題になって子供を連れてスタジオに行っていたと言う事で、そういうふうな時代でした。
今は違いますけれど。

声優は一瞬にしてどんな時代にも飛んで行けるので、役も動物になったり、役は何でもできるので、面白いです。
自分の大好きな外国映画の女性の吹き替えが出来るのも魅力ですね。
今は声優、俳優と言うジャンルに分けられているので、役を掘り下げることを考える人が少なくなってきているので、視聴者に気持ちが伝わらないと駄目だと思うので、気持が動かないとだめだと思うのですが、ところが最近の若い子は感性の弱い人が多くて泣いたり怒ったりできないんですね。
心の中の感情の幅が小さくなっているのではないかと思います。
どうしたらもうちょっとできないのかと思います。
まず上手い人の真似をしてみることも一つの方法かと思います。
自分の知らないところにも足を突っ込んでみることも必要かと思います。
歳を取って来ると声も小さくなるので一日一回大きな声を出して貰いたいと思います。