中宮紀伊子(老舗和菓子店女将) ・人を育て、店を育てる(2)(H26.11.17放送)
和菓子は春夏秋冬が有り、めちゃくちゃ綺麗。
秋は綺麗な菓子が出てくる。
御団子、餅系は作っていない。 上菓子を受け持っている。
松江、京都、金沢 和菓子の有名なところ
菓子の木型、木型美術館も2階に有る。
先輩から見て覚え、レシピなどはない。
お菓子は季節をちょっと先取りして作ってゆく。
6種類を2週間に一遍づつ変えてゆくが、来年同じかというとそうではない。
「長生殿」は昔は甘くて大きいものが好まれたが、最近は甘さを控え小さいものが好まれるようになってきて時代によって大きさ、味覚が違ってくる。
母からは正直者であれと言われました。
嘘を言うと次々とそれを書き消そうと、嘘を重ねるのでそれは辛いので、正直に言いなさいと言われた。
戒めの様に心の中に残しています。
父は多くを語る人ではなかったが、健康な身体を両親からもらったことは感謝しています。
私は長男の嫁で、和議申請の時に父の両親は会社を辞めていった。
主人はその時の経営状況を知らされてなくて、怒って両親を会社から追い出した。
私も驚いて、これで私も親子の縁が切れたのだなと思った。
でもそのうち時間が経つうちに、行ったり来たりするようになる。
親子の縁は絶対切れるものではないと思った。
私も言いたいことが有ったが(なんでこんなになるまで経営の内容を言わなかったのかと)、何年かするうちに言わないままになってきた。 これから先も言わないと思う。
義母は83歳で耳が聞こえなくなって来て、メールでやりとりしている。
4年前に本店を建てて、木型美術館も2階につくった。
義母が「あんたようがばんばってくれたねー」て言ってくれて、そんなこと言われたのは初めてで嬉しくて涙が出て来て、あー判ってくれてたんだなあと思って、言わなくてよかったと思った。
給料は現金で渡している。 銀行振り込みだと、そこにおいて置いて、という様感じだが、現金だと皆さん取りに来てくれて、一人ひとりに眼を見ながら有難うと言って渡す事が出来るし、仕事での良かったことを誉めて渡すことができる。 是は続けてきたいと思っている。
マニュアルがないので、一切口頭で事細かに指示する。
新しく入ってくる人は掃除にしてもほうきの使い方、雑巾の絞り方などを理にかなったことを伝えると覚えてくれるので一つ一つ教えている。
接客法、対応の仕方がよくなかったら、私が後から飛んで行って一言声を掛けて、私がいない時には先輩に頼んで、同様な事をしてもらう様にしている。
「この人生をありがとう」の本の中で
①お客様第一主義 ②品質第一主義 ③工場第一主義
主人が考えました。
茶会などで早い時もあるので、1時ぐらいからお菓子を作り始めて、4時頃に作り上げて、名古屋などに送品することが有る。
お客さんの笑顔が一番のお土産ですね。
家は値引きはしません。 言われても、皆さん同じ状況でお買い求めいただいているので御勘弁下さいと言って、ずーっと頭を下げています。
金沢は言葉が柔らかくて、ゆっくりと平坦なんですね。
伝統を守り続けないといけないと思っている、和菓子への歴史の責任を感じる。
自分の欲というものが無くなって、皆が良くならないと行けない、絆ができていい世の中になることを目指していきたい。
「千年の夢」 地域のためにいろんなことをして行きたいと思う、想いのお菓子です。
職人に貴方ならどうする、営業の人にも貴方ならどうする、と自分たちがすることによって、人は認められて褒められてやりがいをもっていくのではないかと思う。
会社再建できて、人生が変わってきて、いろんなものに感謝するようになった。
今の私がいるという事は皆さんのおかげなのでその思いを「ありがとう」と本に付けました。
してもらったことを数えていったら物凄く幸せになる。
のれんを守ろうと思ってしてきたが、気がついたら、のれんやお菓子に守られた。
信用と歴史
先人達がこのお店を支えるために、どんな人たちが守って支えてくださったのかなという思いと、前田家がどういう思いでこのお菓子を発案して、作って、この時代にも売ることができたという事は奇跡だと思います。
和菓子の歴史をつないでいきたいと思っています。