2013年11月30日土曜日

紫舟(書家)          ・日本人の心を書に~式年遷宮の題字を手掛けて

紫舟(書家)   日本人の心を書に~式年遷宮の題字を手掛けて
NHK大河ドラマ 竜馬伝の題字などでおなじみ 今年伊勢神宮の20年に一度の式年遷宮では神宮からの依頼を受け、祝御遷宮と書かれた4文字の書を奉納しました
詩集さんは立体造形や、動画や音楽などを駆使するメディアアートなどを手掛け、多彩な表現で日本の文化を発信しています
書家を志したきっかけ、書、文字を通して私たちに届けようといている思い、革新的な手法と発想で世界に向かって発信しようとする挑戦などについて伺います

海が好きなので、海に潜ったりするが、伊勢は魚、貝などが一杯居そうなので潜ってみたい
鈴鹿の墨を以前使った事がある
式年遷宮の奉納 遷宮が行われえる3年前にお話を頂いたが、こんなに使われるとは思わなかった  
ここに来る電車の中とか、全国の神社にも使われている
手を合わせた後に御幌(みとばり)薄い布があって 優雅に舞って、こうやって上がるのは神様から迎えられた人なので、という案内された方の話なので、書を書かせていただいたのだと思います
1年半ぐらい時間があったので、参拝を繰り返して、感じたことを書いてほしいと云われたので、何百、何千と書いたと思うが、一案だけ差し出した
しっくりくる、ふに落ちる感覚を信じています
「祝御遷宮」に関しては、感じたまま書いたと云う方がしっくりくる
こんな風に表現しましたとは一度もまだ言っていない(言葉に置き替えていない)

書の中に感情を込める、意思を込める事を重視いていた
優しかったり、温かかったり、感情が伝わるのではないかと、ずーっと製作してきた
文字を造形として捉えると言う事をこれから自分の活動の中で、加えていってはどうかなあと思っています
俵屋宗達本阿弥光悦が書いた作品で、鶴の上に書が書かれた作品があるが、ずーっと見ているとどうやら、そこに書かれている言葉、句には、あまり意味がない(飛ばしてあったりする)
恐らくそれは所を意味とか重視するのではなく、造形として描かれているのではないか
鶴の絵が流れるように描かれていると、其れに合わせて、太く、細く書かれていたりとか
鶴が沢山いてバタバタと羽根の音がするような所には、書がとてもたくさん書き連ねていたりだとか、まるで音が聞こえて来るように、書を用いているのが光悦で、そういう表現方法もあるのだなあと思い、絵の中の一部として捉えられて、今の時代もひょっとしたらわかりやすいとではないかと思う
 
6歳から書を始めていて、高校生までお稽古をして、地元を離れるときに一旦筆をおいて、そのあと大学に行って、一般の会社に就職して、自分の人生とはこれだったのかなあと思い悩んで、書家の道に進みました
奈良で3年暮らして、名工とか人間国宝とか人々に接して、日本の伝統美を学びました
日本の伝統美をバランス感覚を目とか身体とか、手とかに身につけられたらどんなに素敵だろうと思った
物を作るのが大好きで、物を作る人たちを尊敬している
学生時代は木型から靴を作ったりしていました  
他にガラス加工、革製品加工などをやっていました
今も、ガラスで書を作ってシャンデリアに作りかけたもの、言葉はもともと立体だった事で、一旦紙に書いた書を鉄で溶接したりグラインダーで削って立体的にしたものとか、蒔絵をしたりした

フランスでは展示の打ち合わせをして 行きたかった街を見てきた
日本人の作家が作った作品をギャラリーに並ぶのは少なくなった
日本の文化、製品であったものを、そのまま別の国に出そうとするのが一般的だが、何故それが通用しないんだと云う事を考えてみたところ、日本人は同じ黒でも、何色でも見分けられるが、見分けられない国がある
西洋の絵画は一言で言うと立体的、日本の絵は平面的だと云われているが、見ている景色は同じだけれども、平面的に見える国と立体的に見える国があって、色が一色に見える国があれば50色も見分けられる国の人がいる
こんな風に違うのであれば其国の人が見える様な見方で物を作ってあげれば、文化は、越えられなかった壁が越えられるんじゃないかなあと思う

彼らが見えるような見方で作ってあげるのが一つの方法なんではないかと思う
文化を込めるのが一つのテーマにしている
正解かもしれないし、正解でないかもしれないので、かれらの反応を見てみたいと思っている
当初は書だけを展示していたが、繰り返す中で、もっと音楽が国境を越えられるように、感動してもらえる様な作品を作るにはどうしたらいいかと思っているうちに、立体的になったり、音楽とコラボしたり、いろんな試みをして、すこしずつようやく伝わり始めたのかなあと感じています
アートの力で子供たちに対して出来る事はなんだろうと思って、これまでは日本の文化を世界に発信するためにというテーマでずーっと作ってきたが、子供たちのために作ってみようと思って、象形文字をモチーフにしている
書いた象形文字を壁から壁に落ちてくる 象形文字を自分の影でふれると、其書は鑑賞者に吸い込まれて、その言葉の意味のアニメーションに変化する
例えば象の象形文字 ふれると象のアニメーションが出てくる、音も出る
鑑賞者とアニメーションが相互作用を起こす 
アニメーショウン同士も相互作用をする

私たちの使っている言葉はどんなふうに作られてきたのかとか、発想は無限大だとか、いろんな表現をしてもいいんだと、其作品を通して感じてもらえればいいと思っている
日本人の発想は本当にすごいと思っていて、モノクロのTVの時代に鉄椀アトムを創造できる創造力だとか、映像を見ていると今の東京の六本木の建物が出てくるとか、発想力は凄いと思っている
前に進もうとしたときに、スカートのすそを踏んでいるのは自分だと思う時がいっぱいあって、
自分で自分を縛っている考え方、物の見方から自分を自己解放してあげる
そうするといろんな発想が出てきたりする、そういったことは意識している
趣味もクリエーティブな事が好きで、人間国宝、名工と言われる人を巡って一緒に物を作ったり、今まで知らなかった技術を知るとか、そういったことが好きです

書道家になる前までは、打ち込めるものがなかった
ようやく書道家と言うものを見つけて、情熱を傾けられるものを持つことができて、喜んでやっている
日本は海と共にあって、志摩の素晴らしい自然があって、海にプロジェクションマッッピングを作ってみたいと思っている
水に映像は映らないが、不可能なことでは無いと思っています 
海を割るとか、船を空の上に走らせるとか、一隻の船を浮かべる 
其周りの海面に映像を映す 
海を割る モーゼの十戒、沖縄の浦島太郎で出てきたりしている
思いついたり誰かが言ったことを小さく試したりすると、全く新しいものができたり、よりいいものができたりするので、試してみると云う事は非常に価値のあるものだと思います
最近の作品でクジラの作品 黒と白のクジラがいて月と太陽がある 
2転3転して辿り着いたクジラの作品で、一つの物を諦めずに作り続けていると、全く違うものが生れたり、感動も用意されていると思う