2013年6月24日月曜日

天野祐吉            ・隠居大学(美輪明宏)

天野祐吉          隠居大学(美輪明宏
黒蜥蜴(江戸川乱歩 原作 三島由紀夫 脚色)が再演で全国を回っている最中、来年春に又、東京で再演する   その間に講演のスピーチを行い、TVのレギュラー、雑誌のコラムだとか、時事評論を書いたりしているので、休みらしい休みは無い(78歳)
「明るい明日を」  5年間新聞で時事評論をまとめたもの 芸術文化大賞をいただいた
シルバーランド 日本にはない  年寄りの遊び場
日本は何の資源も無いのだから、勝負するのは文化しかない  
それで太刀打ちしていかなけばいけない  
上村 松園 中原 淳一 高畠 華宵  等の美人画 昭和の軍部が軟弱であると批判された
戦時中は、戦争画を描けと、筆をおろされた  描かなかったら、非協力的であると睨まれて、終戦のその日に疎開先から、帰ってきてすぐに描いたと言っていた   
女はドレスはいけない、ワンピースはいけない 日本の色でけばけばしいものは駄目(とき色、なんど色)  国防色一色

戦後、美しいとか、たおやかさ、控えめ、謙虚さ  修身教育をなくしたので、いじめる人間(劣等感の固まりで、最も卑怯で、卑劣、恥ずべきもの)に対して、恥と誇りを教えていたが、修身教育は全部悪であるという事でどうにもならなくなった それをなんとか取り戻さなければいけないと思って、私の戦いで、それに協賛してくださったのが、三島由紀夫さん、川端康成さん会ったりとか有識者が賛同してくださった
村おこし ゆるキャラ作ったって、村おこしにはつながらない
如何に若者が出ていかないで、いついてしまう魅力ある街のデザインから機能、インフラから、ノウハウを盗んで、活かして、やるべき
日本は改良がうまいので、それをシルバー産業にいかすべき

戦後、アメリカ文化が入ってくる アメリカ浸け 
1940年代までのアメリカ文化はヨーロッパとの複合文化だった  それが日本に入ってきた
音楽もプレスリーから変わった  段々エスカレートしていった
日本には美しいメロディーがあった  
建物も自然色だったが、情緒が無くなった 手作りの人間らしさを排除してしまった
人間は精神と肉体と二つで出来ている 肉体の方はビタミンを飲んだり、サプリメントを飲んだり、一生懸命栄養をやっている  現代人は  しかし精神の方は何にも、栄養になるもの、サプリメントのようなものを何にも取っていない  精神が栄養失調になっている

精神のビタミン 本、良い芝居を見る 歌舞伎 等々 行く人は限定されている(アメリカなどでは世代で別れていない)
戦時の、文化は女々しいものである と言う事が、尾を引いている
一億火の玉、一億玉砕 と言っていたが、なんの権利があって、ほかの人までの命まで、玉砕と言って、権利があるのだと私は言うんです
私は色街で育った 丸山遊廓  カフェ、質屋さんも、風呂屋もやっていた
裕福な家庭の人が立派なみなりの方が裸になると、貧相だったり、貧しい身なりの人が裸になるとマイヨールの彫刻みたいに立派な体をしてたりして、着る物って何なのと思い、その人の裸を見るようになった  
 
料亭もやっていたので、街のえらいさんが普段はえばっているのが、酔うほどにスカートの真中に手を入れたり、頭を突っ込んだりして、ひっぱたかれて、ビールを掛けられて、エヘラエヘラしている、この人の昼間の顔はなんだと、ふてぶてしい態度に出るのは、人間の後ろの恥部を見ることから始まってますから、偉そうな、でかい顔をしているのかとか、人間の裏側を見ている
人身売買で娘が売られてきて、最初は純情で気の毒ぐらいめそめそしていたのが、段々強くなって先輩の女郎をやっていけるようになったりする 
苦しみ、悲しみ、いたみ、人間の裏側 比較するようになる
人間を俯瞰してみるようになる   よいとまけ の歌を作る様になる

「祖国と女たち」終戦後 遊廓が再開して、3人の中に私が聞いて 筆舌に変えがたい思いがあり、それを歌にした   50年前に作った歌がほとんど
一時期、社会派だとか、共産党だとかいろんなことを言われて、すぐにレッテルをはる 
今でも家の事務所に脅迫電話などがかかってくる
78年間 戦いの人生だった  性差別  
武将には小姓の愛人を持っていた  第二次大戦、戦時中は、産めよ増やせよの時代で、同性愛者は国賊であるという事で全部禁じられた  終戦後、平和になったんだから、復活すればいいじゃないかと、たった一人で始めて、戦いが始まったわけです

江戸時代は文化大国だと思っている
アインシュタインもエジソンもチャップリンにしても、天才たちが全部日本に憧れてきている
アインシュタインなんかは1週間も日延べしてしまったぐらい
チャップリンは2・26事件で命を狙われていたのにもかかわらず、その後2回も懲りずにきている
安藤広重葛飾北斎の絵だとか長谷川 等伯が、向こうに紹介されて、ゴッホゴ-ギャンロートレック
モネマネピカソもみんな日本に影響を受けて、アールデコアールヌーボーと言う様式が出来て、あの頃までは日本は世界もっとっも尊敬されていた文化国家だった

軍事大国を目指し、経済大国を目指したが、行き詰まっている
文化大国だった血が残っているはずなので、もう一回育てていかなければいけないと思う
アニメとか諸外国でひっぱりだこ  
日本もまんざらではないと思っている

「冬のそなた」  は「愛染かつら」「君の名は」の復活  美男美女で不良系が一つもない
だからブームになった(そういったものを待ち望んでいた)
正統派の若い人がぼろぼろ出てきているが、これはいい傾向だと思っている
(斎藤祐樹、錦織、石川遼、浅田真央とか)  礼儀正しく、親孝行で、言葉使いもちゃんとしていて、対戦相手の悪口を言わない、周りとも仲良くしている、世界的な技量を持っていながら自惚れていない  昔の日本少年に出てくるような

里山資本主義  Uターンして、故郷に伝わる伝統的な芸能、芸術を再現しようと、もう一回生活を立て直そうという動きが出ている
若い人が楽しく過ごせるようなインテリア、建築と古いわびさびの世界の農家は別にあって 複合的な街作りをすると、これは楽しいと思う

シルバーランド  昔の映画  無声映画 トーキー初期の映画  言葉も美しくて  ふんだんに美しい言葉が出てくる  緩やかに和めるような空間   海を眺めるベンチがあって しびれるような退屈さを味あうとか  音楽も柔らかい音楽がながれるとか
そうすると食べ物も美味くなる   文化を上手に生活の中に取り入れる事が必要