結城美栄子(俳優・陶芸家) ・日々土をこねる情熱
結城さんは1843年東京生まれ。 父親の結城司郎次が外交官だった関係から7歳から16歳までスウェーデン、セイロン(現スリランカ)、トルコ、イギリスなどで海外生活を送る。 バレリーナを目指してイギリスのロイヤルバレエ学校に学んだあと、俳優になるために帰国、1961年俳優座養成所第13期生として入所、卒業後はアメリカ留学を経て劇団「雲」に入団、舞台はもちろん、「肝っ玉かあさん」「女と味噌汁」などのホームドラマや「俺たちの旅」「俺たちの朝 」「御宿かわせみ」などテレビドラマに出演しました。 1984年ごろから陶芸を始めて、現在は陶芸家としても活躍しています。
陶芸は動物のオブジェとか子供、人のオブジェ、仮面などを作っています。 小学1年生を日本で中退してほとんど海外でした。 毎回言葉が違うので、授業を受けてもちんぷんかんぷんでした。 昭和27,8年ごろで、当時は日本人はほとんどいなくて、いじめられたりもしました。 スウェーデンは4年生まで居ました。 英語は出来る様になりました。 悲しかったり怖い目にも会いましたが、楽しい良い経験もしました。 スウェーデンの森の中には妖精がいます。 そういったものが作品に反映しています。 イギリスのロイヤルバレエ学校には12歳で入りました。 スタイルが全然違うのでバレエは諦めて役者を目指そうと思って帰国しました。
俳優座養成所に4年間通いました。 同期は石立鉄男さん・細川俊之さん・佐藤友美さんなどです。 俳優として活躍していましたが、陶芸の道にも進みました。 或る時に紙粘土で山岡さん等の全身像を作りました。 喜ばれて差し上げました。 それからどんどん作るようになりました。 紙粘土から土の粘土に変えました。 100%乾いていないうちに窯に入れるとヒビが入ったりします。 素焼きにして釉薬を付けてまた本焼きして、2,3回窯に入れます。 窯から出てくる時にはドキドキします。
最初のころは自分の子供の2,3歳のころから思春期のころとかのものを作りました。 いろんな表情のものを作りました。 夢中で作って持って行こうとしたらドアから出られない作品もありました。 3つぐらいに切って持ち出して又くっつけるという事をしました。 動物のオブジェなどもあります。 表情と動きがあるのが特徴です。 小さい頃それぞれの国の美術館に連れて行ってもらいました。 時にイギリスではみんなで行って、自分の好きな作品を見つけてそこでランチを食べましょうと言うんです。 許可を美術館から先生が貰うんです。 私はピカソの青の時代にものが好きです。
今の興味は生身の生きたままのリアルなお面を作るよりも、自分の感性とか、感情とかから出たものを作ってみたいと思います。 酒蔵会社からの依頼で龍をいろいろ作っています。 1m以上あるものを何体も作りました。 葉っぱに顔があるお面なども作っています。 モチーフは自然のものが多くなりました。 そこにはみんな顔があります。 役者をやっていたことがあるからかもしれません。 芥川比呂志さんのリア王の有る場面の表情は、凄かったです。 役者をやっていると身近で相手役の表情を見ることができるので、いい刺激になります。 健康の為に太極拳もやっています。