2017年10月17日火曜日

河原忠之(ピアニスト・コレペティトウール)      ・オペラ歌手をコーチする

河原忠之(ピアニスト・コレペティトゥール)・オペラ歌手をコーチする
54歳、ピアニストとして日本を代表する歌手や器楽奏者が共演者にこぞって指名する人気の人で多くの音楽家から信頼されています。
男性オペラ歌手4人とのユニット、IL DEVU(イル・デーヴ)、このピアニストでもあります。
IL DEVU(イル・デーヴ)、オペラ歌手4人と河原さんを合わせて総重量500kgと言う噂の太めのユニットだそうです。
河原さんのもう一つの顔がコレペティトゥール、オペラ歌手をコーチする人のことで、日本でも最近すこしずつ知られるようになりました。
イタリアにも留学し、現在は母校の国立音楽大学と大学院で准教授、新国立劇場オペラ研修所の音楽主任講師を務めています。
来月の3日と5日に紀尾井ホールで行われなわれるオペラ、「オリンピーアデ」でコレペティトゥールであり指揮とチェンバロを演奏する河原さんに伺いました。

食べ物が好きなもので体重100kgは超えています。
それぞれ忙しくてイル・デーヴはなかなかスケジュールが合わないのが大変です。
テノールの望月哲也さん・大槻孝志さん、バリトンの青山 貴さん、バスバリトン山下浩司さん、ピアノ河原忠之さん。
合唱経験者が多いので、グループとして素晴らしと思います。
ここで「温もり」というCDを出しましたが、癒されると言うファンの方が凄く多いです。
*「いのちの歌」
自分たちも癒されていると思います。
また明日からがんばろうと言う気持ちになります。

指揮をする、チェンバロ演奏、コレペティトゥール、全部しなくてはいけなくて大変です。
コーチングすることですが、造語でコル(共に)とレペティトゥール(繰り返し行う人)
で、何回も何回も練習に付き合って、どういうふうに役作りをしていくかまでかかわってアドバイスするトータル的なコーチングです。
オペラは2~3カ月前から準備しますが、最初がコレペティトゥールの稽古で、アンサンブルになり、指揮者が入り、演出家が入り、音楽稽古、最終的には本番を迎えるわけです。
コレペティトゥールは全部把握していないといけない縁の下の力です。
自分はどういうふうに歌い手と接しているかと考えると、人間なので、肉体的、精神的にもデリケートで有り、歌い手に対しての尊敬の念がないといけない、(気遣いとか、自分自身歌が好きだった)歌う人を尊敬していたので、信頼が厚いと言うふうに言っていただけるようになったと、自己分析しています。

歌手が主役、こっちはわき役と言うことをわきまえていないとバランス良くお客様に聞こえないですね。
歌手に対しての尊敬をもってやると言うことが大切だと思います。
「伴奏」は伴って奏でる。
ブレスのタイミングを把握して一緒にブレスをしないとだめだし、一番は言葉です。
私は言葉が好きでした、言葉に関心がないとこの職業は難しいと思います。

手は中学時代から大きかったです。
子供のころは人がどういうふうに思っているかなあと気にしていました。
静かに人の意見を聞いたり、人がどういうふうに言ったりしているか静かに聞いている人でした。
実家が中華料理をやっていたので、中学のころから身長は今のように伸びていました。
小学校3年からやりましたが、ピアニストの年齢から言うとかなり遅いです。
親がステレオを持っていたので片っぱしから聞きました。
ジャンルを問わず、水前寺清子さんとか「ラブユー東京」とかよく聞きました。
仲のいい子がオルガンをやっていて、聞きに行って自分もやりたいと思いました。
そこからピアノを始めました。
「バイエル」教則本で先生から教えてもらって数週間後にはここまでにしましょうと言うレッスンでした、自分ではもっとやりたかったが、気が付いたら「バイエル」教則本を数カ月で終われました。

この職業は耳が良くないと成り立たない処があります。
自分が出した音が自分で聞けるので、どういう音か判断できないと仕事しづらい。
2~3回先生が変わって、その最後の先生が国立音楽大学の付属の高校の先生だったので、そのまま付属高校に入りました。
学年が130人ぐらいいて、クラスが4クラスあって、男は6人でした。(ピアノ科が4人)
声楽科に一人いてその友人と親しくなっていきました。
彼がいたから今の自分があると思います。
言葉が好き、芝居も好きだったので彼と一緒にオペラ研究部を作り、仲間を集めてオペラを演奏しました。
今のオペラ界を見ると、入場料が高いとか、一見難しそうだと言うことも有り、どうしても年齢の高い方とか、オペラは見るのに3~4時間かかるのでどうしても足が遠ざかってしまうのではないかと思います。
オペラはこんなに素晴らしいと言うことを伝えてあげたいので、若い人にオペラに来てほしいと思います。

大学に入ってより世界が広がって、大学2年生の時には仕事をしていました。
卒業後、大学院に行って、卒業後2年してイタリア音楽が好きだったので、イタリアに留学しました。
2年弱イタリアにいて、日本の仕事の話があって日本に戻って来ました。
ドイツ、ウイーンにも行きたかったので、短期でもいいから勉強したいと思っています。
自分が演奏することを辞めてしまうと教えることはできるが、自分から何かが無くなっていくばっかりになるので、自分も勉強して自分も舞台に立っていかないといけない。
イタリアでコレペティトゥールを習ってきました。
日本でも最近認知されてきました。
日本ではコンクールで優勝して華やかな経歴を持っている人がオペラを振ると言うパターンが多いが、たたき上げてコレペティトゥールから指揮者になって、全部色んな事を教えながら棒を振ると言うことがヨーロッパの歴史の中に有るので、日本に根付かせたいと言う野望を持っていたが、なかなか難しい。
指揮をやるとテクニックだけでなくて大勢の人を引っ張って行く要素がないと駄目だと言うことがやってみると思います。
料理は音楽と通じる物があります。(5感で感じるとか、)
本当に心からおいしいと思うような音を出したい。